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2006年4月

2006.04.28

2-9 尾根幹線(東京都・多摩ニュータウン)

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起伏の多い緑の丘の上を、何車線分も取れるほど広い中央分離帯を設けた通りが、はるか遠くまで伸びています。
東京郊外の多摩丘陵を造成して開発された、東西に細長い多摩ニュータウンの区域には2本の幹線道路が貫いています。1本は谷筋を鉄道に沿って走るその名も「多摩ニュータウン通り」で、沿道にロードサイド型商業施設が建ち並ぶ、片側3車線以上もある通りです。そしてもう1本が丘陵の尾根筋を走るこの「尾根幹線」です。沿道に商業施設はほとんどなく(そうした土地利用誘導を行っていない)、街の裏側をなぞっている感じもするのですが、その分緑が多く、ドライヴしているとすがすがしい車窓風景が楽しめます。
これだけ広い空間をリザーヴしてあるのは、計画時には中央自動車道につながる高速道路やモノレールを通す構想があったからです。その後数十年が経っていますが、それらが整備される気配はありません。多摩ニュータウンじたいの開発が遅れ気味だったこともあり、この道路も一部区間未完成のままです。車線数の少ない車道に、雑草が生え放題の広々とした中央分離帯、こんなバランスの悪さも、ある意味発展途上にある郊外のニュータウンらしい魅力なのかもしれません。

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2006.04.27

2-8 エンバカデロ(米国・サンフランシスコ)

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サンフランシスコで最も重要な都市軸は、地上にトラム、地下にBART(地下鉄)の走るマーケット・ストリートですが、このエンバカデロは、ダウンタウンを海岸線に沿って走る幅の広い大通りで、有名なフィッシャーマンズワーフに通じるウォーターフロントの軸です。ここにもトラムが走り、広々とした歩行者空間がとられ、パームツリーが列植されています。
この海沿いには、かつて上空を高速道路が通っていたのですが、1989年の地震で倒壊したのをきっかけに高架構造を撤去し、このように整備したのだそうです。街と水辺を高速道路で景観的に分断するような無粋をするのは日本だけかと思っていましたが、米国でもこうした状況が見直されるようになったのは最近のことのようです。東京では、日本橋と川の上空に架かった高速道路を何とかしようという動きが現実味を帯びてきています。日本も都市のアメニティを大事にするこのような世界の趨勢に乗ってほしいものです。

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2006.04.26

2-7 日本大通り(横浜市)

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延長は500mもなく、交通面での重要性は大きくないはずなのですが、幅員は36mもあり、横浜都心部の都市構造上とても重要な軸となっているのがこの日本大通りです。
まず名前からして「日本」と大上段に構えています。横浜スタジアムのある横浜公園から港に向かって延びる道で、沿道には県庁や地方裁判所、日銀支店などエラそうな施設が立地しています。明治12年にお雇い外国人の設計により造られた日本初の西洋式街路で、かつての外国人居留地と日本人居留地を分ける境界になっていたなど、歴史的にも意義の大きな通りとして、2004年に開通した地下鉄(みなとみらい線)の駅名にも採用されました。
横浜市ではこの通りのシンボル性を大いに意識しているようで、2002年には、広い幅員を生かし歩行者空間を拡幅する再整備を行いました。植栽帯を囲むフェンス(ベンチを兼ねている?)のデザインも繊細で洗練されていますね。
通りの延長上には大桟橋があり、かつては港の見える通りだったはずですが、現在は突き当たりに民間の倉庫が立ちはだかって見えません。港への視界が確保されれば、この通りの都市軸としての価値はさらに高まるのでしょう。

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2006.04.25

2-6 広坂(金沢市)

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金沢の街の中心に位置し、金沢城・兼六園と北陸最大の繁華街である香林坊を結ぶ、その名の通り幅員が広く、緩やかな坂道です。中央分離帯、というか立派な緑地には樹木が生い茂り、対向車線を走る車がよく見えないほどです。沿道には金沢市役所があり、最近まで県庁もありました(現在は市郊外に移転)。緑豊かな中央公園には、レンガ造の石川近代文学館が建ち、新しいタイプのミュージアムとして最近オープンした金沢21世紀美術館も人気を博しています。百万石の城下町として栄えた歴史的伝統、行政の中心としての威厳、文化の中心としての気品が、緑のありようにも感じられる通りです。

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2006.04.24

2-5 サンタモニカ・ブールヴァード(米国・ロサンゼルス)

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シカゴとLA・サンタモニカを結ぶ、かつて唯一の大陸横断道路だった「ルート66」の西端にあたるのが、ロサンゼルス都市圏を東西に走るこの大通りです。フリーウェイ網が発達した今も、ビヴァリーヒルズのシヴィック・センターや、センチュリーシティ、サンタモニカのダウンタウンなどの拠点を通る、LA都市圏における重要な通りの一つで、路線バスも頻繁に走っています。
この通りじたいが何車線もある広幅員の道路なのですが、緑地帯を挟んですぐその南側にも、さらに「リトル・サンタモニカ・ブールヴァード」という側道が平行して走っています。また、写真のように、ビヴァリーヒルズ市内の区間では、通りに沿った北側に幅70mほどの「ビヴァリー・ガーデンズ・パーク」と呼ばれる公園が設けられています。画面の右側(通りの北側)はビヴァリーヒルズの邸宅街です。つまり通りに沿ったこの公園が邸宅街の前庭のような役割を果たし、ビヴァリーヒルズのアメニティとイメージの向上に役立っているわけです。

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2006.04.21

2-4 ヴィクトリア公園(スペイン・コルドバ)

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コルドバは古い歴史のある街で、旧市街は道が狭く入り組んでいるのですが、そのそばをかすめるように、幅150m、長さ1kmほどのオレンジの木々が生い茂る線状のヴィクトリア公園(画面右側)とその両側に広幅員の幹線道路が走り、札幌や名古屋、横浜などに見られるような近代的な「公園通り」の空間を形成しています。
コルドバの顔はもちろん、有名な「メスキータ」をはじめとする旧市街の空間なのですが、私がこの街を訪れた時、グラナダからのバスはここを通ってバスターミナルにアプローチしたので、この公園通りに射す強い陽光、広い青空と生い茂る木々の風景にアンダルシア地方らしい明るさを感じ、コルドバの第一印象がとてもよくなりました。

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2006.04.20

2-3 大学通り(東京都国立市)

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学園都市として知られる国立の街は、駅を中心に真っ直ぐな3本の通りが放射状に延びていて、その整然とした街並みは、地図で見ても明らかです。そして駅から南へ、線路とは直交方向に走っているのが、この街のシンボルと言える大学通りです。
特に広域的な幹線道路というわけでもないのに、その幅員は約40mもあり、両側4車線の車道の外側には自転車専用道が設けられ、「植栽帯」ではなく「緑地帯」と呼ばれるヴォリュームのある軸状の緑が走り、ゆったりとした歩道は道路と沿道両側の緑に覆われ快適な散策が楽しめます。沿道はキャンパスや高級住宅街となっているので、空間全体に上品さが感じられます。駅にはじまり、街が終わる場所で道路の幅員も狭くなる、まさに街のためだけに存在する大通りです。郊外の小さな街に似つかわしくないほど壮大な都市軸が生まれたのは、開発当時ここに路面電車を走らせる計画があったからなのですが、計画がなくなったおかげでこれだけ余裕のある空間が形成されたわけです。
写真は、通りに唯一架かっている歩道橋の上から撮ったものです。こういうどこまでも真っ直ぐに延びた通りは、中央に立って見るのが一番の醍醐味だと思います。何だか自分がとても偉くなったような気がして。

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2006.04.19

2-2 6月17日通り(ドイツ・ベルリン)

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ベルリンにも、パリに負けない立派な都市軸があります。旧東ベルリンに属し森鴎外の「舞姫」にも登場した、かつてのベルリン一の目抜き通りウンター・デン・リンデンに始まり、ブランデンブルク門をくぐり、6月17日通りと名前を変えてティアーガルテンと呼ばれる広大な公園の中を貫いているのがこのあたりです。通りの先には戦勝記念塔が見えており、この都市軸はさらに西へと何kmも伸びています。
道路は立派に造られ、両側の緑も豊かなのですが・・・あまり感動がないんですね。ベルリンという都市全体に感じることなのですが、ハードが立派な割にそこに人々の営みが見えないというか、追いついていない感じがして、その辺がパリにはかなわない部分なのかなという気がします。
これは都市としての歴史が比較的浅く、後進国だったプロイセンの新首都として近隣諸国に負けない立派な都市を造ろうと背伸びしたことに始まっているのでしょうか。しかも街の半分は冷戦時代社会主義圏に属していたわけで、そんな背景からも血の通わない感じが伝わってきます。この権威主義的な感覚はテレビニュースの画面で見る平壌の風景にも通じる部分がある、と言ったら大げさでしょうか?

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2006.04.18

2-1 シャンゼリゼ(フランス・パリ)

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ルーブル美術館を起点とし、コンコルド広場、凱旋門へと真っ直ぐに続く都市軸は、パリを代表するシャンゼリゼという大通りを含む、世界一華やかな都市軸と言えるかもしれません。この軸は現代になってからさらに延長され、1989年のサミットが開かれたパリ郊外の新都心デファンス地区の新凱旋門へと続いています。私が訪れた時は沿道の両側に延々と三色旗が掲げられ、正面にあたるコンコルド広場には観覧車が設置されて、通りは華やかさを増していました。
ところでシャンゼリゼの魅力って、いったい何なんでしょう? 美しい並木、ゆったりとした歩道、沿道に建ち並ぶ華やかな建物、全体のスケール感・・・いろいろ要素はあるのですが、正直うまく説明できません。理屈ではうまく説明できないのに、なぜか歩いていると心地よい、そんなところに、世界中の人々を惹きつけるパリの不思議な魔力を感じてしまいます。


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2006.04.17

2「都市軸の風景」

次は、駅から街へ出てみましょう。
ヨーロッパの都市などの地図を見ていて、複雑に入り組んだ街路網の中に、太い軸が1本真っ直ぐ貫いていると、快感を覚えるのは私だけでしょうか? これは米国の都市のように格子状の均質化された街路パターンを持つ都市ではなかなか味わえない感覚で、逆にニューヨークのブロードウェイのように斜めに突っ切る道が存在感を示したりしています。
都市の中心に、シンボルとなるような通りがあると、街の構造が理解しやすくなります。幅が広くて、歩道や緑が整備されていて、沿道には人々が集まる施設が建ち並び、真っ直ぐ見通しが利いて遠くにシンボルとなる建物などがある、そんな「軸」を持った街に、私は憧れてしまいます。
国内外から、そんな「都市軸」となる大通りを集めてみました。

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2006.04.13

1-5 伊豆高原駅(静岡県)

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大都市の駅が続いたので、最後にリゾート地の駅を。
この空間、ゆったりとしていて、駅の中には見えないんじゃないでしょうか? ちょっと高そうな絨毯でも敷いてあればリゾートホテルのロビーって感じすら漂っています。
ここ伊豆高原駅は、伊豆半島というリゾートエリアの中でも、別荘地が広がり、観光施設が集積する、拠点的な位置づけの駅です。駅には「やまもプラザ」という、リゾート地らしいのんびりした雰囲気の商業施設が併設され、足湯のできる広場もあります。
面白いのは、駅には柵で仕切られたいわゆる改札口らしい改札口がなく、かりゆしウェアを着た駅員が、ちょっとした台の側で、立って切符を集めているところです。鉄道会社(伊豆急行)が一生懸命リゾートムードを演出しようとする姿勢が感じられました。


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1-4 さいたま新都心駅(さいたま市)

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東京から移転してきた国の施設(役所)群や、イベント会場「さいたまスーパーアリーナ」などが立地する「さいたま新都心」の玄関となる駅で、まだ新しい駅ながらも多くの乗降客で賑わっています。
駅の設計は建築家鈴木エドワード氏によるもので、改札口の前のこの大空間を覆う、不規則に畝ってカーブする屋根がとてもダイナミックで、新都心へと向かう気持ちを高揚させてくれます。ついでに言えば、プラットフォームに架かる上屋も、平らではなく波状に畝っていて、ちょっとユーモラスな印象を与えます。

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2006.04.12

1-3 ユニオン駅(米国・ロサンゼルス)

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自動車大国・アメリカ合衆国の中でも、特にロサンゼルスは大都市でありながら軌道系の公共交通機関が発達しておらず、車での移動を前提として造られている典型的な車社会の都市です。鉄道のイメージなど微塵もないそんなLAですが、一応ターミナル駅はあり、それがこのユニオン駅です。写真は駅入口近くにある待合室というか、ホールの内部です。
モータリゼーションが進んだ米国にも、かつては鉄道が長距離旅客輸送の主役だった時代があり、シャンデリアがぶら下がり立派なソファーが並ぶこの大空間も、そうした華やかな時代の面影を残しているように感じられます。今、米国の鉄道はお金と時間がある人が、移動そのものを楽しむための優雅な交通手段となっています。そんな雰囲気を、画像からも感じ取っていただけるでしょうか。

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2006.04.11

1-2 アトーチャ駅(スペイン・マドリード)

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アトーチャ駅は、チャマルティン駅と並び、スペインの首都マドリードの玄関口となる重要な駅で、南部の大都市セヴィーリャに向かうスペイン版新幹線「AVE」の始発駅となっています。
写真の大空間は、南国の植物が生い茂る植物園のような様相を見せており、ちょっと信じ難いかもしれませんが、これでも一応駅の中です。かつてはホームがあり、列車がここまで乗り入れていたようですが、新幹線の建設にともないプラットフォームが写真手前側に移設され、このような空間が生まれたらしいです。それにしてもずいぶんぜいたくな使い方をしていますね。

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2006.04.10

1-1 京都駅(京都市)

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建設時には大きな議論を巻き起こした京都駅も、早いもので完成後10年近く経とうとしています。今や日本で最も有名な駅舎の一つと言えるのではないでしょうか。写真は、京都駅ビルで最も象徴的な空間といえる大階段の上から、北口地上改札口付近を見たところです。
駅のプラットフォームと都市の中心部を結ぶ縦の軸に対し、両側から降りてくる大階段という左右の軸が、改札前のコンコースという駅の顔となる場所で交わり、あらゆる場所から人が流れてくる谷底のような空間になっています。このスケール感のある内部空間、個人的には結構好きです。
でもこの駅、外から見るのはあまり好きではありません。京都という街の景観にふさわしいかどうかと問われるとちょっと・・・。

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2006.04.08

1.「駅ナカの風景」

駅は、都市の玄関。そして、旅のはじまる場所。
というわけで、春という季節にふさわしく、このウェブ・ログを「駅ナカの風景」というテーマでスタートさせたいと思います。
今回のシリーズでは、駅の外観やプラットフォームではなく、コンコースを中心にご紹介します。

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2006.04.07

プレ・オープン

はじめまして。mknです。
このたび、"URBAN TOURS(アーバン・ツアーズ)"というウェブログをはじめることにしました。
まったくの初心者なので、慣れてくるまではひっそりと、試行錯誤しながら続けていこうと思います。
どうぞ末永いおつきあい、よろしくお願いいたします。

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