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2006年7月

2006.07.31

8-7 コースタル・トレイル(米国・モントレー)

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モントレーは、サンフランシスコの南約150kmの所に位置する、海沿いの小さなリゾート地です。ここの海岸の景観は、波しぶきが激しく上がるごつごつした磯浜と、妙にとげとげした形の海沿いの植物が印象的です。
画面の道は、その名のとおり海岸に沿って隣町パシフィック・グローヴまで続いています。ここもどうやら横浜の「汽車道」(8-6参照)同様、かつての鉄道路線敷跡をプロムナードとして活用している・・・ようで、ルートの途中にはオブジェとして機関車が置かれていたりします。
ルート沿いにはフィッシャーマンズ・ワーフや、かつての缶詰工場を改装した「キャナリー・ロウ」をはじめとするショッピング・モール、水族館などの観光スポットが点在し、それをつなぐ役目を果たしています。また、海面ではラッコなどの海の生物を間近に見ることができ、どこまで歩いていても飽きることのないプロムナードです。

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2006.07.29

8-6 汽車道(横浜市)

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ご覧のとおり、両側を水面に挟まれた、水上を渡るプロムナードです。横浜都心部の玄関口・桜木町駅から、この道の先をずっと辿れば、赤レンガ倉庫、山下公園、元町、港の見える丘公園といった、横浜の有名な観光スポットへ、港の景色を楽しみながら歩いて行くことができます。
この道の最大の特徴は、その名の示すとおり、横浜港へと通じるかつての貨物鉄道の線路敷を活用していることで、トラス組みの鉄橋や、ボードウォーク(枕木をイメージ?)に埋め込まれた2本のレールといったデザインに、そんな歴史を伝えようという意図が感じられます。
ここはまた、水面越しに高層ビル群、遊園地の観覧車やローラーコースター、現役当時のままの状態で保存されている巨大帆船(日本丸)など、再開発地区「みなとみらい21」の全景が望めるベスト・スポットでもあります。「運河パーク」と呼ばれる突き当たりの公園の、夜のイルミネーションも華やかです。横浜のウォーターフロントを観光するなら、決してはずせない散策ルートではないでしょうか。

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2006.07.27

8-5 オリンピック・ポート(スペイン・バルセロナ)

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今回からは海沿いのプロムナードのご紹介です。
その名のとおり、1992年のオリンピック開催にともなって再開発されたウォーターフロントで、正面に見えるフランク・ゲーリー作の巨大な魚のような形のオブジェや、画面右側のツインタワー、ヴォリューム感のある照明灯の列などが明るく近代的な印象を与える空間です。画面に水は映っていませんが、左側はマリーナです。プロムナードじたいが海面から1層分高いデッキになっていて、この下にはマリーナを眺められるレストラン等がおさまっています。
バルセロナは陽射しが強く、暑い土地ですが、ここは海風が吹いてとても涼しく、気持ちよく歩けるプロムナードです。

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2006.07.25

8-4 グアダルキビール河畔(スペイン・コルドバ)

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コルドバは、グアダルキビール川の北側に広がる街です。つまり画面に映る川の南側は、街の中心から見れば「川向こう」で、静かな街はずれといった風情が漂っています。逆に街の遠景を眺めるには川の南側が適しているわけで、この河畔のプロムナードから見るグアダルキビール川越しの「メスキータ」(画面左側奥に見える建物群)のスカイラインは、かなり感動的です。 プロムナードの空間としては何の変哲もない、とか、だだっ広い、とか、木陰が少なくて暑そう、とか、サイクリング・ロード(?)のえんじ色の舗装がどぎつい、と思われるかもしれません。でも私は、強い陽射しと青い空をめいっぱい感じられるこの場所がとても気に入りました。

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2006.07.23

8-3 松川遊歩道(静岡県伊東市)

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古くから温泉街として有名な、伊東の市街地を流れる松川沿いの小径です。道じたいの幅が狭いうえに川面との高低差がかなりあり、川沿いに並ぶ温泉旅館・ホテルの建物も高層なので、海沿いの平地なのにまるで谷あいの秘湯に来ているような、どこか緊張感のある空間になっています。 幹が行く手を塞ぐように道の真ん中に生えていたり、太い枝が道に覆い被さるように伸びていたりする桜並木、生い茂る生け垣、石畳の舗装、木製(風?)の手すり、灯籠風の街灯、木や石などの自然素材で造られたストリート・ファーニチュアなど、全体のデザインからは、伝統的な和のテイストが感じられます。夜、湯上がりに浴衣姿で下駄の音をカラコロと鳴らしながら、川面に映る街の灯を眺めつつそぞろ歩くのが似合うような、そんな風情が感じられる道です。

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2006.07.21

8-2 八幡堀散策路(滋賀県近江八幡市)

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続いては、我がニッポンの水の都のご紹介です。近江八幡は16世紀に築かれた琵琶湖近くの城下町です。この八幡堀は城の濠であると同時に、琵琶湖を上下する船が必ず迂回して通る運河の役割も果たしていました。廃城となった江戸時代にも街は地域の商業の中心として栄え、ここの両岸には多くの土蔵が建ち並んでいたそうです。その後水運が衰退し、水位の低下、生活排水の流入などにより、ドブ川のように荒れ果ててしまった時期もあったようですが、地元の保存運動によってこのような歴史的水辺景観が再生されました。街の裏側になってしまった空間が、観光客で賑わうオモテの空間へと再び甦ったわけです。画面からは見事なまでに、現代的、西洋的な要素が見つかりません(行き交う人々の格好と、遠くの電線以外・・・)。時代劇のロケも多いそうです。この水辺を歩いていると、近代以前の日本の街の風景が堪能できます。事故防止より歴史的景観の再生を大事にしているのか、水辺に柵がないのも好感が持てます。

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2006.07.19

8-1 パセオ・デル・リオ(米国・サンアントニオ)

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米国も西海岸を抜け出し、とうとうここまでやってきました。
サンアントニオはテキサス州に位置し、人口で全米トップ10に入る大都市です。日本ではあまり馴染みがないと思われますが、米国では観光地としても人気があり、その理由の一つが、この「パセオ・デル・リオ」(スペイン語で「川の散歩道」)の存在です。
街の中心部には、もともと川が蛇行して流れており、しばしば洪水の被害を被っていたのですが、中心部を避ける流路のバイパスを設けるとともに、水門で中心部の流れの水位を調整することにより、水害に悩まされることなく、かつ都市に潤いをもたらす、楽しい水辺空間の整備が可能になったのです(川を埋め立ててしまう、という計画案もあったそうですが・・・)。
柵のない手造り風の小径を歩くと、水面がとても近くに感じられます(水深は約1mに整備されているそうです)。観光客を乗せたリバー・ボートが川を行き交い、遊歩道に面してショッピング・モールや多くのレストラン、カフェが設けられ、一帯は昼も夜も賑わっています。サンアントニオの夏は暑いですが、生い茂る樹木と色とりどりのパラソル、そして涼しげな水の流れのおかげで、ここだけは別天地です。
こんなヒューマン・スケールな水辺空間があるなんて、ちょっとアメリカの大都市っぽくない感じがします。かと言って、この南国の水の都といった雰囲気はヨーロッパのどの都市にも似ていません。そんなオリジナリティあふれる風景が、この街の大きな魅力なのでしょう。

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2006.07.18

8「プロムナードの風景」

歩くのは、好きですか? 嫌いですか?
歩くことが単なる手段なら、その距離は短い方がいいかもしれません。でも、そこを歩くことじたいが楽しくなる、たとえば景色のよい水辺のプロムナードだったりすれば、むしろその道ができるだけ長く続いていてほしいとすら思ったりします。
そんな、遠回りしてでも歩きたくなるような、水辺の散歩道をご紹介します。

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2006.07.15

7-7 コメディ広場(フランス・モンペリエ)

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モンペリエは、フランス南西部の地中海近くに位置する、人口20万人ほどの学園都市です。特に観光地というわけでもないようなので、街には英語を話してくれる人が少なく、ちょっと面倒でした。コメディ広場はこの街の中心となる広場で、喜劇を上演していた劇場に面していることから名づけられたものです。
私はこの街に、スペイン・バルセロナから列車で国境を越えてやってきました。私にとっては初めて目にしたフランスの都市で、それまで滞在していたスペインとは街並みの姿が大きく違っていることに新鮮な驚きを覚えました。グレーの屋根とアイボリーの外壁を基調としたここの街並みには雨がよく似合っていて、取り澄ましたような上品さが感じられました。そして首都・パリから遠く離れた地方都市にも、このように壮麗な建築に囲まれた立派な広場があるということに、ちょっと感動しました。
ここは旧市街地の中心であるとともに、シュールなポスト・モダンの建築群が建ち並ぶ再開発地区「アンティゴーヌ」(いずれご紹介したいと思います)の入口という結節点にあたっています。画面左側のガラスのフェンスの下からは、真っ青に塗られたボディがショッキングな、2000年に開通したばかりのトラムが広場へと上ってきます。そんな背景もあってか、伝統的なデザインの建築群に対し、街灯はメタリックかつシンプルで、モダンなデザインになっていて、新旧の要素がさりげなく調和しているように感じられます。

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2006.07.13

7-6 シュロス・プラッツ(ドイツ・シュトゥットガルト)

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「シュロス・プラッツ」とは「宮殿広場」の意味で、中央駅から続く歩行者空間のメイン・ストリート、ケーニッヒス・シュトラーセに面し、互いに近接する新旧の宮殿の前に広がる、街の中心の広場です。
シュトゥットガルトは街なかに緑の空間があふれ、清々しい印象を与える都市ですが、ここの広場も石張りではなく芝生です。街の中心で地べたに寝転がれるというのは、ライフスタイルにゆとりが感じられる気がします。環境への関心が非常に高い都市なので、もしかしたらヒート・アイランド現象を和らげる効果も狙っているのでしょうか。広場に並んだイスやブルーのパラソル、大きなドームの四阿(?)もどこか涼しげです。

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2006.07.11

7-5 シニョーリア広場(イタリア・フィレンツェ)

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人口100万人以上の大都市の広場が続いたので、今回からは、それよりやや規模の小さな都市の広場を。
このシニョーリア広場は、フィレンツェの中心・ヴェッキオ宮殿と、隣接する美術や世界史の教科書でおなじみのウフィッツィ美術館の前にあたる広場です。
私はあまり高尚な趣味を持ち合わせていないので、旅先で入場料を払って美術館や博物館の中を見たりは、めったにしない人間です。そんな私がここを訪れ、見覚えのある有名な「ダヴィデ像」をはじめとする数々の彫刻が、屋外の広場というオープンでパブリックな空間に並べられているのを眼にして、こんな風に感動してしまいました。
「これって、こんな所にあったんだ!」
「すごい、さすが芸術の都! いつでもタダで見られるなんて!」
「でもメンテナンスはどうするんだろう?」
・・・もちろんそれらはレプリカで、本物はちゃんと中に置いてあるのだそうです。後で知って、感動した分ちょっとがっかりしました(笑)。でも、そんな風に芸術を身近に感じられるのは素晴らしいことですし、街なかに有名な芸術品のレプリカが置かれていてもちっとも不自然じゃないのは、フィレンツェならではなんじゃないかな、と思います。

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2006.07.09

7-4 ドゥオーモ広場(イタリア・ミラノ)

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人口ではローマに次いて2番目ながら、経済・産業においては中心的な存在としてイタリア国内に君臨する大都市・ミラノの、市街地のちょうど中央に位置する大きな広場です。常に大勢の人が集まり、行き交い、そして賑わっているのは、そんな大都市の中心として立派に機能している証拠でしょう。
ここで特筆すべきはやはり、正面に鎮座する巨大なドゥオーモ(大聖堂)の放つ圧倒的な存在感です。ゴシック建築の代表例とされるこの建物は、鬱陶しいまでの尖塔の林立が強烈な印象を与えます。なんか、触ったらチクチクして痛そうです(笑)。これほど面倒なデザインを描き、実際に造り上げたエネルギーには執念に近いものすら感じます。それにひきかえ最近のオフィス・ビルはなんて単純で造りやすそうな形をしてるんだろう、などと思ってしまいます。

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2006.07.07

7-3 ポポロ広場(イタリア・ローマ)

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ローマ市街の北の玄関口に位置する、楕円形の平面を持つ広場で、ここにも中央にはオベリスクがそびえ立っています。ここからは街の中心部に向けて3本の通りが放射状に伸びているので、都市構造的にはローマの拠点の一つと言えるかもしれません。3本の通りの入口には、「双子の教会」と呼ばれるほぼ左右対称をなす建物が建っています。この画像は、オベリスクの立つ広場中央付近から南側に向けて撮ったものです。
ところで、その3本の通りがすべて画面の中にきちんと収まっていることにお気づきでしょうか? これはハイビジョン・サイズ(縦:横=9:16)で撮影したもので、通常のサイズ(3:4)よりも実際の人間の視界に近い画像になるとされています。つまり、広場中央に立てばすべてが一目で見渡せるように計算して、この3本の通りは「アヒルの足」と呼ばれる、比較的狭い角度で拡がるよう設計されているのです。ローマの第一印象を大きく左右する場所をこのようにドラマティックに演出した昔の人の知恵と、このような大胆なアーバン・デザインを実現したパワーには感服させられます。
正直言って、この広場にはこの画像を撮りたいがためだけにやって来たようなものです・・・。

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2006.07.05

7-2 コンコルド広場(フランス・パリ)

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パリのほぼ中央に位置し、パリの都市軸を構成するシャンゼリゼ(2006年4月・2-1参照)の起点となっている広場です。オベリスクが凛と立ち、街灯やボラード(車止め)、石畳の舗装、噴水などのデザインもどこか洗練されています。
ところで広場というのは、都市という建物密度の高い空間に囲まれたエア・ポケットだからこそ価値があるわけで、たとえば見渡す限りの田園地帯の中によく整備された広場があってもあまり意味がありません。重要なのは広さではなく、周囲の空間との関係性です。その点でここは、面している建物の高さが低い割に面積が広すぎて、広場らしい、囲まれた感じには少し欠けます。
だからというわけではありませんが、画面右側に大きく見える観覧車の存在がこの空間をよく引き締めているように感じられます。これはミレニアムを記念して期間限定で置かれていたものらしいのですが、好評だったためかそのまま2002年1月まで設置されていたのだそうです。広場の風景にあまりにもよく馴染んでいて、この画面から観覧車が消えてしまったら、何か物足りない感じがしませんか?

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2006.07.03

7-1 グラン・プラス(ベルギー・ブリュッセル)

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前回(6-6参照)予告したとおり、「世界一美しい広場」の昼間の画像です。
広場が魅力的かどうかは、その周囲の環境に大きく左右されますが、このグラン・プラスを取り囲む「ギルド・ハウス」と呼ばれる建物のファサードは、どれも装飾がきめ細かく華やかです。そして、所々金箔が貼られているために、広場全体が黄金色に輝いて見えるのです。また、この広場では2年に1回、8月中旬に花祭りが開催され、広場全体に巨大な「花のカーペット」が敷きつめられることでも有名です。
ベルギーはヨーロッパの観光地としてはそれほどメジャーではないかもしれません。日本からの直行便も、今はなくなってしまいました。「ベルギーとベルギー人に対する外国人の印象は『退屈』」なんて悪口を聞いたこともあります。でもその「退屈」の中心、ブリュッセルは「小パリ」なんて言われるだけあって、美しく、楽しく、意外と魅力的な街でした。美味しい食べ物も豊富ですし、是非訪れてみてはいかがでしょうか。別にベルギー政府の回し者じゃありませんが・・・。

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2006.07.02

7「広場の風景」

ヨーロッパではどこの街にも必ず「広場」という公共空間があります。そこでは多くの人々が集まり、行き交い、語らい、憩い、市やイベントなど様々な活動が行われ、街のシンボルとしての役割も担っています。そんな広場の風景は、空間としての魅力に「賑わい」というソフトが加わりとても絵になっていて、どこかうらやましく感じられます。
ひるがえって考えてみるに、なぜ日本ではこのような都市空間が発達しなかったのでしょうか。日本の都市計画には「公園」「道路」という分類はあっても「広場」という分類はないそうですが、このような場所はこれからも必要とされないのでしょうか?
私は、日本の都市にもこのような楽しい公共空間があった方がよいと思います。そんな空間に変身しうる可能性のある場所を探すとすれば、それはどこの街にもたいていある「駅前広場」でしょうか。もっとも、そうなるためには車に占領されたスペースを人間に開放するとともに、広場を取り囲む建物をもっと魅力的にする必要があると思いますが・・・。
そんな空間づくりのお手本となるような広場の風景を、今回のシリーズは欧州からお届けします。

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2006.07.01

ごあいさつ

アーバン・ツアーズへようこそ! mknです。この度はアクセスありがとうございます。
「素敵な風景を見つける旅」というテーマで、このサイトを4月から試験的にはじめてみました。飽きっぽく根性のない私に、ウェブ・ログ形式のサイトが続けられるかどうか自信がなかったのですが、なんとか3ヶ月間続けることができました。記事はだいぶストックができ、スタイルもかたまって、ペースがつかめてきたので、これからは多くの方々にこのサイトをご覧になっていただこうと思います。
できるだけコンスタントに更新し、長く続けていくつもりですので、「お気に入り」に追加しておいて、時々遊びに来てください("urbantours"で検索もできるはずです)。そして、今度お会いする機会があったら、サイトについてのご意見・ご感想などもお聞かせください。
それでは、ボン・ヴォヤージュ(よい旅を)!

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