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2007年12月

2007.12.30

42-10 ダイムラー・シティ(ドイツ・ベルリン)

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西暦2000年前後、ベルリン・ポツダム広場に面した地区では「ソニー・センター」をはじめ、複数の再開発プロジェクトが同時に進行していましたが、その中で最大規模の開発がこの「ダイムラー・シティ」です。13の街区に分かれた地区全体のマスター・プランを建築家レンゾ・ピアノ氏が監修し、その下でこの「ダイムラー・シティ」を担当したリチャード・ロジャース氏他、世界中の著名な建築家が街区ごとに腕をふるっています。ちなみに言い忘れましたが、今回のシリーズの最初(42-1)に取り上げた「ポンピドゥー・センター」も、このレンゾ・ピアノ+リチャード・ロジャースのコンビによるものです。どこか相通じるものがあるでしょうか?

ところで、地区全体のデザイン・コントロールが行われている、という割には、なんかこの街区の建築デザインは自由奔放な感じで、あちこちがトゲトゲしくちょっと落ち着かないような気がします。大通りに対して妻側を見せているような不自然な斜めの形態が連続し、外壁の色やテクスチュア(質感)の全く異なる別々の建物を、何とか壁面の位置だけ揃えて、無理やり一つの庇の下におさめた、という感じの街並みです。こういうコラージュ感が21世紀の新しい都市の風景としてはふさわしい、ということなんでしょうか?

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2007.12.28

42-9 ラ・デファンス(フランス)

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広々とした歩行者空間となっている人工地盤に面して、巨大な建築が思い思いの形状で建っています。画面右側には地球儀のような球状の建物、正面に見える対になった2つのビルは、まるで両開きの扉のように配置されています。この、丸、三角、四角といった単純な幾何学形態が自由自在に用いられている感じが、理想的な未来を象徴しているように思えます。

※関連バックナンバー 9-6「ラ・デファンス」39-5「ラ・デファンスの高層住宅」

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2007.12.26

42-8 幕張新都心(千葉市)

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植栽、自動車、人間等を除けば、この風景のほとんどは直線的なデザインで構成されています。歩道の舗装パターンや、街路灯の形状さえも。

そして、色彩はと言えば、これまたほとんどがグレー系です。画面左側の階段の途中に立つ真っ赤な壁が一際眩しく見えます。

ところで、東京都心から遠く離れ、何もなかったこの広い土地に、よくこれだけたくさんのオフィス・ビル群が建ったものだ、と感心してしまいます。東京から遠い分、成田国際空港に近いという地の利が幸いしたのでしょうか。

※関連バックナンバー 9-1「幕張新都心」

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2007.12.24

42-7 サンポート高松(香川県)

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JR高松駅の駅前に広がる再開発地区の風景です。

全体的にグレー系の外観で統一された巨大な施設群で構成されていますが、巨大で単調な壁面が続くのではなく、全体的なまとまりを意識しつつも高さ、あるいは部分によってデザインが異なっており(「分節化」といいます)、より小さな建物が集まって街並みを形成しているように見えます。この全体として調和のとれたデザインのテイストと、きめ細やかな各部分の表情のバランスが、未来的な雰囲気を醸し出しているように思います。特に画面左右の天使の輪のような形状や、中央よりやや右側の塔状の部分の特徴的なてっぺんの形状などが印象的です。

※関連バックナンバー 28-7「サンポート高松」

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2007.12.23

42-6 小倉駅南口(北九州市)

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地上のバス・ロータリーとペデストリアン・デッキがいくつものエレベータやエスカレータで結ばれた、立体的なバリアフリーの駅前広場の、そのさらに上の高い所をモノレールが走り、JRの駅ビルの中に吸い込まれていくところが、何とも言えず未来チックな風景です。

余談ですが、この北九州高速鉄道のモノレールがJR小倉駅に乗り入れたのは、開業から13年も経過した1998年のことで、それまではJRの駅から400mほども離れた位置が起点とされていました。その間を利用客は歩かざるをえなかったわけですが、これは客足が遠のくことを懸念した地元商店街の反対があったためらしいです。小倉では結局、時間をかけながらもシームレスな乗り継ぎが実現したからよかったようなものの、このような理由で乗り換えが不便となっているケースはあちこちで見られるようです。目先の利益に捉われるあまりに街の衰退を招き、結局は自分たちの首を絞めるということに気付かないのかな・・・などと思ってしまいますが。

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2007.12.22

42-5 汐留シオサイト(東京都港区)

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前回(42-4)の臨海副都心から「ゆりかもめ」に乗り、東京湾に架かるレインボー・ブリッジを渡って東京の旧来からの都心方面に向かうと、日テレが本社を構えるここ汐留シオサイトに辿り着きます。「ゆりかもめ」は2大民放キー局を結ぶ大動脈、ということになります。

画像の場所は、「日テレプラザ」と呼ばれる場所で、テレビ局前の広場らしく、大画面のテレビが地上高くに設置されています。こういった映像系のしかけも、「未来っぽさ」を演出する一つの重要な要素と言えるでしょう。あとは、この風景に関して言えば、透過性の高い大屋根、周囲の風景を反射して映し出す正面奥のビルの翡翠色のガラス窓、空中を走る「ゆりかもめ」やペデストリアン・デッキ、サンクン・ガーデンという立体的な土地利用などがキーとなるのでしょうかね。

※関連バックナンバー 34-3「浜離宮恩賜庭園と汐留シオサイト」

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2007.12.21

42-4 臨海副都心(東京都)

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背景はもちろんFCGビル(フジテレビ本社)です。歴史の柵(しがらみ)から解き放たれた埋立地において一際輝きを放つメタリックな外観、規則正しく縦横に空を駆ける格子模様、宙に浮かぶ(ように見える)球体・・・「未来」と言われて誰もが思い浮かぶようなデザインを、建築界の巨匠、丹下健三センセイは実際に具現化してみせてしまいました。

そして、もう一つ「未来っぽい風景」を演出する要素として欠かせないのが、モノレールなど新交通システムの存在です(ここでは都心部と臨海副都心を結ぶ「ゆりかもめ」)。昔ながらの未来都市の風景(?)に欠かせないのが、空中に張り巡らされたルートに沿って飛ぶ乗り物の存在です。2007年現在、車はしばらく空を走る予定はなさそうですが、そのイメージに最も近いのが、道路上空高くに設けられた軌道上を走るこのような乗り物なのでしょう。しかも「ゆりかもめ」は無人運転ですしね。まあ、重力の存在というものは人間の叡智よりもはるかに大きいようで、まだ桁や柱といった構造物なしには走れていませんが・・・。

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2007.12.20

42-3 アンティゴーヌ(フランス・モンペリエ)

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南フランスの小都市、モンペリエの中心部に隣接した再開発地区「アンティゴーヌ」では、かなり広いエリアにわたってこのような風景が展開されています。

一見するとヨーロッパの伝統的な街並みを構成する建築様式を踏襲した建物デザインのようですが、よくよく見てみると円柱や窓の上のペディメント(三角形の「破風」)や頭頂部といったデザイン要素を、本来のルールに関係なく好きなようにコラージュしていて、どこかへんてこで、摩訶不思議な街並みです。歴史をパロディとして扱い小馬鹿にしているような、ある種のブラック・ユーモアのようなものを感じてしまいます。とはいえ、ガラスやステンレスを多用した幾何学模様のデザインばかりではなく、こうやって未来的なものを表現する方法もあるんだな、と感心させられました。こういうものがまさに「ポスト・モダン」と呼ばれるのにふさわしい事例なのでしょうね。

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2007.12.19

42-2 湘南台文化センター(神奈川県藤沢市)

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以前コマーシャル・フィルムにも出演された、著名な建築家の長谷川逸子氏によるこの施設の前庭には、地形、あるいは植物といった自然が、デジタルな形態で表現されているように思います。無機的な素材が生命を持って成長するとこんな風になるのかな、という感じで、ちょっと不気味ですし、触ると痛そうです(笑)。ある意味未来を感じる風景ではありますが、こういう未来には当分なってほしくないな、なんて思わされる風景です(笑)。

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2007.12.18

42-1 ポンピドゥー・センター(フランス・パリ)

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3度目の正直(※)で、やっとこの建築の外観について触れる機会に恵まれ、嬉しいです。

ガラス張りの壁面が縦・横・斜めに走るスリムな金属で構成されたフェンスで覆われ、裏側を真っ赤に塗られた巨大なチューブ状のエスカレータがファサードにアクセントを加えています。伝統的な街並みが保全されているパリの中心部にありながら、この建物には石造りの外壁がなく、まるで工場設備か、足場の組まれた建設現場のようにも見えます。「このビルはいつ完成するんですか?」との問い合わせが来るというのも頷ける話ですが、実際にはもう完成後30年も経過しています。あまりにも未来を先取りしすぎた風景の出現に、1970年代のパリジャン、パリジェンヌ達はさぞ衝撃を受けたことでしょう。このデザインの是非を巡っては相当な議論が巻き起こったらしいですが、今ではパリで最も集客力のある施設として君臨しているのだそうです。

なお、この建物の裏側の外観も、また違った意味で強烈ですので、改めてご紹介できればいいな、と考えております。

※関連バックナンバー
 15-7「ポンピドゥー・センター」20-3「ポンピドゥー・センター」

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2007.12.17

#42「未来っぽい風景」

20世紀に生まれ育った私にとって(というか、このサイトを見てくださっている方々もほとんどそうでしょうが)、「21世紀」という単語は明るい未来を象徴する響きを持っていました。そんな21世紀という時代もついに現実のものとなってしまいましたが・・・風景的にはそんなに劇的には変わってないですね。携帯電話とか、インターネットとか、そちらの方の技術は発達して、だいぶ便利になりましたが。

2007年最後のシリーズは、新年という最も身近な「未来」を迎えようとしている時期なので、未来っぽさを志向してデザインされた風景をお届けしていきたいと思います。前回のシリーズ(「有機的な風景」)とは正反対に、今回は直線的な幾何学図形で構成された風景を多く取り上げることになりそうです。20世紀において考えられた「未来」の風景なので、概念としては、ちょっと古臭いかもしれないですけどね。もし、21世紀の現在、また新しい「未来」を夢見るとしたら、それはどんな風景になるのでしょうか・・・?

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2007.12.14

41-7 ヴィヴォ・シティ(シンガポール)

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セントーサ島を望むシンガポールのウォーターフロントに今年オープンしたばかりの大型商業施設です。以前の記事の画像はここから撮影したものです。日本人建築家伊東豊雄氏による曲線を多く用いたデザインは、上層階に向かってセット・バックしていく様子が棚田のようです。屋上にはウォーター・ガーデンと呼ばれる浅いプールが広がっていて、子どもたちが水遊びを楽しめるようになっています。

このアングルから見える範囲では、屋上設備を囲っている白いネット状のカバーに、何か生物的なおどろおどろしさを感じます。まったく関係ないですが、背後に見える港のクレーン群がキリンの群れのように見えるのもユーモラスですね。

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2007.12.12

41-6 インディアン・アート&カルチャー博物館(米国・サンタフェ)

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小さな街ながら、日本でも抜群の知名度を誇るサンタフェは、米国では1、2を争う人気の観光都市として知られていますが、その理由の一つはこの街の独特な街並みにあります。

現在、サンタフェでは条例で、建物の新築・改築の際にはスペイン植民地時代の様式、もしくはプエブロ・インディアンの建物様式であるアドビ(日干しレンガ)風の外観とすることが定められており、画像のような、フリーハンドで描かれたさざ波のような曲線で縁取られた、ヒューマンなぬくもりを感じさせる建物が街じゅうに溢れています。私が訪れた時は程よく雪も積もっていたので、街全体がパウダー・シュガーを振りかけたお菓子の城でできているような、とても現実の都市のものとは思えないファンタスティックな風景が展開されていました。

関連バックナンバー 18-5「オールド・タウン」

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2007.12.10

41-5 聖バルバラ教会(オーストリア・ベルンバッハ)

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前回(41-4)に引き続き、フンダートヴァッサーの登場です。オーストリアの首都・ウィーンからは少し離れた小さな町にあります。日本でも高速道路を走っていると、違う市域に入った地点に、その事実を示すサインが立ち、街の名物などを象ったアイコンが付いていることがありますが、オーストリアの高速道路でも同様のサインがあり、ベルンバッハの場合は、この教会がアイコンになっていました。街のシンボルとして誇りに思われ、愛されている証拠なのでしょう。

しかしデザインとしてのセンスなどそっちのけで、思いつくまま自由に落書きしていったような楽しさが感じられる外観ですよね(笑)。金色に輝くタマネギのようなドームもよく目立っています。同行者が呟いた「こんな教会だったら通ってても楽しいだろうな・・・」という感想が妙に印象に残っています。

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2007.12.08

41-4 クンスト・ハウス(オーストリア・ウィーン)

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スペイン・バルセロナがガウディなら、ここオーストリア・ウィーンにはフンダートヴァッサー(Hundertwasser)がいます。1928年ウィーン生まれの芸術家・画家・建築家で、彼の手がけた作品は曲線を多用し色鮮やかで、まるで子供の描いた落書きをそのまま3次元に立ち上げたような印象を与えます。彼の名が付いた代表作「フンダートヴァッサーハウス」もウィーンにありますが、こちらは現在も人が住んでいる集合住宅なので内部の見学はできず、よい画像も撮れませんでした・・・。

今回ご紹介する「クンスト・ハウス」は、彼が改装を手がけた展示館で、もちろん中にも入れます。ランダムなモザイク状のカラーリングも印象的ですが、よくよく見ると(画像はクリックすると拡大します)正面の柱はそれぞれ違う積み木のようにデザインされ、外壁には不揃いのタイル達が自由気ままに張られています。歩道のボラード(車止め)までグニャリと曲がっているのは遊び心でしょうか。この人の造った建物の内部は、床すらも水平ではないので、実際に暮らすとなるとなかなか苦労が絶えなそうです。

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2007.12.06

41-3 四季の路(東京都八王子市)

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来日したガウディが、故郷のバルセロナを思わせるこの多摩ニュータウンの緩やかな丘の風景にインスピレーションを受け、唯一日本に遺した作品が、この「四季の路(Via Stagione)」です。

・・・スミマセン。ウソつきました。(笑)

って言うか、有機的な曲線のフォルム、砕いたモザイクタイル、鮮やかな色づかい・・・この作風はガウディ以外の何ものでもないのに、よくぞここまでネタ元の明らかなパクリをやったもんだ・・・と感心してしまいますよね(笑)。

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2007.12.04

41-2 グエル公園(スペイン・バルセロナ)

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前回(41-1)に引き続き、バルセロナのガウディの作品です。グエル公園の人工地盤上の広場は以前にも取り上げましたが、今回はその人工地盤(画像奥の、ギリシャ神殿のような太い柱に支えられている場所)のほぼ真下にあたる、公園の正面入口付近にある大階段の画像です。

画面の中の風景は、階段の踏面(ふみづら)のみが辛うじて水平な直線を確保していますが、その他の要素はすべて、生命を持っていて今にも動き出しそうな、力強い曲線で構成されています。そしてディテールに至るまできめ細かな装飾が施されていて、一つひとつ見ていても全く飽きることのない、すさまじいエナジーが費やされた芸術作品に仕上がっています。

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2007.12.02

41-1 カサ・ミラ(スペイン・バルセロナ)

411orgcsm_2今回のシリーズのテーマに最もふさわしいのは、ガウディの作品でしょう。というわけで、以前にも取り上げたカサ・ミラからスタートしたいと思います。

襞の付いたドレスのような、手描きのスケッチがそのまま3Dになったような、不規則に波打つ壁面を持った建物が、バルセロナの中心部の角地という、かなり目立つ位置に建っていて、周囲の風景の中で際立ったランドマークとなっています。

この建物、現在も集合住宅として使われていて、ちゃんと住んでいる方もいらっしゃるようです。そして、一部はミュージアムになっているので、ガウディ建築の内部の様子を体験することも可能です。バルセロナにお越しの際は、是非入ってみてください。

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2007.12.01

#41「有機的な風景」

現代の都市空間の風景は、建物にしろ、道路にしろ、その要素のほとんどが直線で構成されています。その方が造る上でも、使う上でも効率的だからです。

ですから、そんな直線だらけの風景の中に、まるでそれじたいが生命を持って今にも動き出しそうな、有機的な曲線で象られた建造物が存在すると、非常に強いインパクトを感じ、心を揺さぶられるようなものがある気がします。

今回のシリーズでは、そんな有機的な建造物が生み出す、個性的な都市の風景をお送りしていきます。まずは有名なあの人の作品から・・・

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