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2008年9月

2008.09.29

60-6 パティオス(千葉市)

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1990年代後半から開発された幕張新都心の中層住宅街で、街区ごとにそれぞれ異なる事業者・設計者が、共通のデザイン・コードに基づいて設計し、各街区が個性を競いつつも、建物高さや建物壁面の位置、外壁のデザイン、色彩等に統一感のある街並みが続いています。また、建物の1階部分には、通りに都市的な賑わいをもたらすような店舗等の非住宅施設が配置されています。

なかでも特に私が画期的だと思うのは、欧米の街並みのように、建物が街路に顔を向けて建てられている点です。日本の都市の住宅は、その前に高い建物があろうが(あるいは将来的に建つ可能性があろうが)とにかく南に建物を向けようとこだわるあまり、街路という半永久的に日照・通風・眺望が保障されたオープン・スペースの存在を忘れていて、建物によって街路景観を形成していこうという意識がほとんど感じられないですからね。

このエリアがコマーシャル・フィルムのロケ地として人気が高いのは、「都市の街並みとはこうあってほしい」という、日本人が潜在的に抱いている理想の風景がここに体現されているからではないか、と私は思っているのですが、どうでしょうか。

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2008.09.27

60-5 大学通り沿いのタウンハウス(東京都国立市)

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タウンハウスとは、戸建住宅を横につなげて一つの建物にしたような住戸形態で、各戸のアプローチは独立しており、専用庭が確保されます。別々に離して配置された戸建住宅より土地の有効利用が図れ、価格も安くなるはずなのですが、日本人の嗜好にはあまりマッチしなかったらしく、それほどどこでも見られるというものではありません。

そんなもの珍しさが、子供時代の私には逆に新鮮に映ったのでしょうか。画像のようにこぢんまりとした白壁にオレンジ色の瓦屋根の瀟洒な建物が、立派な並木道に沿って何棟も建ち並ぶ秩序立った風景は、国立という街の高級感や文化度のようなものを私に強く印象づけ、この街への憧れの感情を高めてくれたものでした。

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2008.09.25

60-4 サンディエゴ中心部の住宅街(米国カリフォルニア州)

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サンディエゴ中心部の住宅事情(と言うほどのことは書いていませんが・・・)についてはバックナンバーをご覧いただくとして、今回は中層住宅の画像です。

外壁の色調は温暖な地らしく明るく、柔らかく、前回(60-3)と違って、建物全体の形状に親しみやすい表情のようなものが感じられます。利便性の高い街の中心部で、こんな素敵な住宅に暮らせたら毎日楽しいでしょうね・・・。

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2008.09.21

60-3 アンティゴーヌ(フランス・モンペリエ)

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リカルド・ボフィル氏デザインの「未来的な」建築で埋め尽くされた再開発地区「アンティゴーヌ」の中の中層住宅です。

半円状の(画面には1/4分しか写っていませんが)弧を描く、ギリシャ風の列柱が並んだ西欧の伝統的な建築様式・・・と思いきや、よくよく見ると柱以外の部分は全面に渡ってガラス張りの開口部になっているというポスト・モダン建築で、何を考えているかよくわからない無表情な顔の人のような不気味さがあります。見ている分には面白かったのでここで取り上げていますが、毎日暮らし、朝晩目にする我が家の外観としては、あまり親しみが持てないような気がするのですが、どうでしょうか。

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2008.09.17

60-2 ネクサス・ワールド(福岡市)

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ネクサス・ワールドの概要については、バックナンバーを見ていただくとして・・・

カラフルに縁取られた壁面がうねうねと波打つ画面左側の棟、およそ集合住宅としては効率が悪そうで、内部の間取りもちょっと想像がつき難い、上部に「天使の輪」を頂いたような画面中央の細長い棟(「塔」?)、クラッシュ・アーモンドがぎっしり詰まったチョコレートの断面のような、石造りの壁面を持った右側の棟、・・・画面に写っているそれぞれ異なったテイストの建物は、信じ難いことにどうやらすべて同一の建築家によるデザインのようです。どれもムダというか、遊び心に溢れていますね。

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2008.09.13

60-1 IBAの集合住宅(ドイツ・ベルリン)

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IBAの一環として建てられた集合住宅で、アルド・ロッシ氏による設計です。正方形の窓等、ファサードが単純な形態で構成されていて、まるでおもちゃのブロックで作った家のようなポップさが感じられていいな、と思います。

ベルリンの中心部は、人口300万を超す大都市でありながら、高層ビルがそれほど多くなく、全体的に画像のような中層の建築で街並みが構成されていて、この集合住宅もそのスケール感に調和するように建てられています。

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2008.09.12

#60「都市型住宅の風景」

私は、長い間5階建ての集合住宅に暮らしてきたので、どうしても庭付き一戸建てに住みたい、という強いこだわりはありません。逆に眺めが自慢の超高層マンションの上層階に住むというのも、何だか気分が落ち着かない気がするし、外出するたびにエレヴェータを待たなければいけないのは面倒だな、などと考えてしまいます。

都市の中で一戸建てを求めようとするとコストがかかりますし、土地利用としては非効率的です。逆に高層住宅は長期間暮らす環境として人体にとってどうかと思いますし、地域に対しても日影や風の影響、圧迫感等を与えてしまいます。都市の住宅のスケールとしては、中層の集合住宅くらいが、最もちょうど良いのではないかな、なんて思っています。

そんなわけで、今回のシリーズでは、国内外の都市型住宅の風景をお送りしようと思います。

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2008.09.10

59-6 ディズニー・アンバサダー・ホテル前(千葉県浦安市)

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以前取り上げた通りの、違う地点の画像です。東京ディズニーリゾートの経営母体・オリエンタルランドの本社もこの通りに面しています。

本家米国のディズニーランドは、カリフォルニア、フロリダといずれも暖かい土地に立地しています。ですから、日本においてもディズニーの世界を体現する上で、パームツリーは欠かせないアイテムということになるのでしょう。たとえ年中温暖な気候というわけではなく、空が灰色に曇っていても、左側に見えるこの派手なホテルのデザインと、街路樹などの植栽との間では、ちゃんと調和のとれた世界が完結しています。

ところで、この非日常感あふれる空間の中を行き交う多くの人々の姿は、なぜか妙に日常感に溢れています。彼らはディズニーリゾートで働くアルバイトの人々なのでしょうか? 時間帯を問わずこれだけの人々が動いているということは、このテーマパークがいかに巨大な産業かということが言えると思います。

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2008.09.08

59-5 逗子マリーナ(神奈川県)

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「太陽の季節」に描かれたように、日本が全体的にまだ貧しかった時代から富裕層がヨット遊びを楽しむような文化が根付いていた、保養地としての長い伝統を持つ湘南という地域に位置し、かつては毎年ユーミンのコンサートが開かれていたことで有名な、日本のマリーナのはしりのようなリゾート施設です。南国のリゾート・ホテル風の建物(リゾート・マンション、コンドミニアム)にも、パームツリーの並木道や通り沿いの豊かな植栽にも、どことなくプライドというか、風格のようなものが漂っているように感じられます。時の重みがそれぞれの空間要素をしっとりと馴染ませているのでしょうか。

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2008.09.06

59-4 グエル公園(スペイン・バルセロナ)

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ガウディの設計による、パームツリーに囲まれた楽園のような空間です。背後に見える有機的な形状の、回廊の太い柱の表面まで、パームツリーの幹のようにゴツゴツとしていて、それらと合わさってパームツリーの森の中にいるような雰囲気を醸し出しています。

※関連バックナンバー 3-3「グエル公園」

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2008.09.04

59-3 コッパー・スクエア(米国・フェニックス)

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避寒地としても知られる、アリゾナの砂漠の中の大都市のダウンタウンの風景です。これまでにも当サイトでさんざん言ってきたとおり、ここは完全にビジネス機能に特化しているダウンタウンなので、写真のように週末には人も車もまったく通らないゴーストタウンとなってしまいますが、冬でも毎日強烈な太陽の光が降り注ぐので「寒々」しい感じはしません。

・・・そういえば、「フェニックス」(カナリーヤシ)っていう名前のパームツリーもありますね。

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2008.09.03

59-2 カブリリョ・ブールヴァード(米国・サンタバーバラ)

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サンタバーバラは、これまでにも何度か取り上げましたが(※)、街じゅうにパームツリーが植わり、その中にオレンジ色の屋根瓦と白壁というアンダルシア風に統一された建物群が埋まっている、とても美しい街です。画像はその中でも最も海に近い通りの風景です(かすかに海も映っていますね)。

ここのパームツリーはとても幹が細く、背が高い、ひょろ長い格好をしています。前回(59-1)取り上げたサンタモニカのオーシャン・アヴェニューよりも沿道の建物の高さが低い分、空が広く感じられ、よりリゾート地的な、リラックスした雰囲気が感じられます。

※関連バックナンバー 51-5「サンタバーバラ」49-5「サンタバーバラ郡庁舎」

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2008.09.02

59-1 オーシャン・アヴェニュー(米国・サンタモニカ)

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ロサンゼルス都市圏を代表する海沿いの街・サンタモニカの中でも、最も海に近い通りです。通りの左側はすぐ崖になっていて、その下はビーチです。通り沿いのホテルやアパート等の建物の色は眩いばかりの白で見事に統一されています。空は青く、冬でも東京の真夏くらい暑くなるほど陽射しが強く、そんな背景にパームツリーがよく映えています。南カリフォルニアらしいショットですね。

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2008.09.01

#59「パームツリーのある風景」

いくら地球温暖化が進行していると言っても、基本的に日本のほとんどの地域は、パームツリーの生育に適した気候風土ではないでしょう。にもかかわらず、最近のリゾート施設やウォーターフロントの開発では、南国イメージを植え付けるための必須アイテムとして、パームツリーが非常によく用いられています。何だか日本中が温暖な地に憧れ、「夢のカリフォルニア」になろうとしている感じすらします。かく言う私も無類の寒がりなので、パームツリーを見つけると条件反射的に嬉しくなってしまう性質なのですが・・・。

2008年の夏も終わろうとしています。素敵な夏休みの出来事を思い起こしつつ、過ぎ行く季節の余韻に浸れるような、パームツリーの風景をお送りしていこうと思います。お楽しみに。

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