#63「畔(ほとり)の風景」
これまで当サイトでは数多くウォーターフロントの風景をご紹介してきましたが、そのほとんどが海辺のものでした。
今回のシリーズでは視点を変えて、湖や池といった、淡水の水辺の風景をお送りしたいと思います。波の音が聞こえることもなく、潮の香りがすることもない「もう一つのウォーターフロント」には、動的な海辺の風景とは全く異なった、静的で、神秘性さえ感じるような美しさがあるのではないでしょうか。
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これまで当サイトでは数多くウォーターフロントの風景をご紹介してきましたが、そのほとんどが海辺のものでした。
今回のシリーズでは視点を変えて、湖や池といった、淡水の水辺の風景をお送りしたいと思います。波の音が聞こえることもなく、潮の香りがすることもない「もう一つのウォーターフロント」には、動的な海辺の風景とは全く異なった、静的で、神秘性さえ感じるような美しさがあるのではないでしょうか。
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「摩天楼発祥の地」として知られる米国第3の大都市・シカゴで3番目に高い、ダウンタウンの北の外れにあるビルの展望台から、街のさらに北側を見下ろしたショットです。
右半分は、58,106平方キロメートルもの面積を誇る、五大湖の一つであるミシガン湖です。この大きな湖は、遠くの方では水の色が深いブルーに見えて神秘的です。波が立たない広い水面が広がり、対岸が見えない風景というのは、明るい雰囲気のする大洋を目の前にした時とは全く違い、なんだか漠然とした不安感に苛まれます。空も曇っていて寒々しいですし・・・
およそ湖らしくない、海岸のような不自然な湖岸線を描いている辺りは、リンカーン・パークと呼ばれる広大な公園です。海がなく、夏が短いシカゴの人々にとってここは、湖水浴を楽しむ大事なビーチとなっているのでしょう。日本からシカゴのオヘア国際空港に着陸しようとする時には、窓の下に見えるこの湖岸線の形状が、妙に気になります。
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「とやのがた」と読みます。新潟市郊外に広がる、面積1.37平方キロメートルの潟です。画像の場所は3地区に分かれて立地している鳥屋野潟公園の、「女池地区」にあたります。
この画像は、水面をかなり遠巻きに撮っています。普通このような公園は水辺に近づけるように整備を行うことが多いと思うのですが、ここにはなぜかそのような場所がありませんでした。白鳥が飛来するというこの潟を人間から遠ざけ、動植物たちにとってのサンクチュアリ(聖域)として保全しようとしているようにも感じられました。
そして対岸には、巨大な宇宙船のような形をした建物が、まるで蜃気楼のように浮かんで見えます。これは2002FIFAワールドカップの会場として建設され、現在Jリーグ・アルビレックス新潟のホーム・スタジアムとして使用されている、東北電力ビッグスワンスタジアムです。サッカー・スタジアムというのは、広さもさることながら、ものすごい高さも必要なんだな、ということがよくわかります。
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かつては東アジアとヨーロッパや北米を結ぶ航空路上の寄港地として賑わったという、アラスカ・アンカレッジ空港に近接する湖で、遠くには小さくその管制塔が見えています。
そして、画面手前に小さな飛行機が浮いているのが見えますが、実はこの湖じたいも、世界最大の水上機(水上での離着陸が可能な飛行機)の発着拠点として機能しているらしいです。陸上と水上の空港が相互に隣接していることによる相乗効果というものが、何かしらあるのでしょうか・・・。
・・・この画像について特に何か語りたいことがあったわけでもないのに、それをわざわざ取り上げているのは・・・、単にアラスカに行ったことがあるというのを自慢したかっただけなのでしょう、きっと(笑)。
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今春まちびらきを果たしたばかりの新しい街です。先月開業した国内最大級のショッピング・モール(対岸の横長の建物)が話題となり大盛況なのですが、地域の治水を目的として新たに設けられた「大相模(おおさがみ)調整池」を中心とした一体的なまちづくりが行われた、画期的な新しい水辺の街であるという点の方がもっと注目されるべきではないのかなと思っています。池の周りにはまだ建物が少ないので、街と水辺とのスケール的な意味での一体感には欠けているような気がしますが。
この新しい調整池は、治水という消極的な目的のためだけでなく、街のシンボル空間となるべく積極的に設けられたものなので、さほど広くない水面とその周りには様々な「アトラクション」が仕掛けられています。たとえば、池の周りには遊歩道、芝生広場、桟橋、親水護岸、親水テラス、水上ステージが設けられ、様々な場所、角度からそれぞれ違った水辺の眺めを楽しめるようになっています。水面の風景も、噴水があったり、立ち入り禁止のビオトープがあったり、蓮が浮いていたりと変化に富んでいます。
この池の最大の目玉はカヌーやボートが楽しめることで、私が訪れた日曜日には、よく目立つ真っ赤な帆をはためかせたヨットのような乗り物が一艘だけ、水面をぐるぐると廻っていたのですが、・・・もしかしたらこれは、水辺の街の新しいライフスタイルをアピールするためのデモンストレーションとして、お金をもらってやっていることなのかな?などと勘ぐってしまいました。
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ナショナル・モール(※)上に位置するワシントン記念塔(次回取り上げる予定です)の上の展望台から見下ろした時(窓越しに撮ったので画像が全体的に曇っています)、最も眺めがよいな、と思ったのがこの方角の風景です。ちょっとした「水の都」といった雰囲気だとは思いませんか?
画面奥を右から左上へと流れているのはポトマック川で、その手前で水を湛えている広い池がタイダル・ベイスンです。この池はもともとポトマック川の一部でしたが、川の水位を調整するために河岸を埋め立てて造られたというもので、池の周りの埋め立てられた土地はポトマック公園と呼ばれているそうです。日本から贈られたという有名な桜の木はここに植えられています。
この池の周囲に目ぼしい建物はないので、唯一の建造物である画面中央の巨大な白亜の殿堂・ジェファーソン記念館に自然と焦点が向くようになっています。ある意味でこの池は、合衆国第3代大統領のブロンズ像が飾ってあるだけ(?)のこの大きな「東屋」(壁で囲まれていないので・・・)を引き立てるためにのみあるようなものなのかもしれません。
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2008年10月 61-1「ナショナル・モール」
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「リフレクティング・プール」というのは、固有名詞でなく、普通名詞のようです。古くはインドのタージマハールのように、建物の前に池を設けて水面にその姿を反射させることで建物をより魅力的に見せるというのは、世界各地で用いられている古典的な手法のようです。このワシントン記念塔(※)とリンカーン記念館の間にあるリフレクティング・プールは、ナショナル・モール(※)の西端に位置していますが、同様のものが東端のキャピトル・ヒル(連邦議会議事堂)の前にもあります。
ワシントン記念塔は、青い空の果てまで突き刺そうとする白い剣のようなシルエットが凛々しいオベリスクですが、左右対称に造られたこの池にその姿が映ると、さらに上下対称の風景となり、モニュメントとしての有難みが倍増するような気がします。また、記念塔から西に向かって細長く延びる池は塔の姿を映し出すだけでなく、水面が西日を反射させるので、夕暮れ時の塔を西側から見ると、ひときわ輝いて見えるという効果もあります。
余談ですが、私が白いオベリスクを背景にしたこの池の存在に興味を持つようになったのは、かつて大ヒット映画「フォレスト・ガンプ」の中で、思いがけず再会を果たしたフォレストとジェニーが、互いに駆け寄りこの池の中央で抱き合う、という感動的なシーンが強く印象に残っていたからです。ちなみに、この池の最大水深は76cmだそうです。意外に深かったんですね。
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2008年11月 63-6「タイダル・ベイスンとポトマック川」
2008年10月 61-1「ナショナル・モール」
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テレビの旅番組等である街を紹介する時、冒頭にまず、駅名を示した看板の架かった駅舎の映像から流すと、非常に「座り」がいいように思われます。駅前の風景とは、雑誌における表紙のような、街の顔であり、駅舎は街にとってのアイコンのようなものなのでしょう。ですから駅のデザインとは、単なる一建築物の問題でなく、街のイメージを大きく左右するものであり、そこに暮らす人々のこだわりも一際強いものが感じられるように思います。
今回のシリーズでは、街の人々から愛されてきたと思われる、国内外の素敵な駅舎の風景をお送りしていきます。
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言わずと知れた、日本を代表する駅の駅舎で、2003年春に、リニューアル・オープン直後の丸ビル(丸の内ビルディング)の上から撮ったものです。
画面の駅舎は、東京大空襲で破損した先代に代わり、規模を一回り縮小して1947年に修復されたものなのですが、2008年11月現在、3年後の完成を目指して「本来の姿に近い形態に復原する」増築工事を行っているらしいです。
・・・ですが、この駅舎じゃダメなんですかね? 赤レンガと白い石のボーダーの外壁と三角屋根の建物は、前庭のような駅前広場の風景と相俟って十分歴史と風格を感じさせるものだと思うのですが。何よりこの姿にはもう見慣れて愛着もあります。だいたい戦後60年経った21世紀の現在、以前の駅舎の姿を覚えていて、それに戻したいと本気で考えている人がどれ程いるのだろうかと考えると、あまり意味が無いような感じもします。
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イタリアからは、実に8ヶ月ぶりのエントリーとなります。
国内第2位の乗降客数を誇るこの駅舎のデザインには、第1位のローマ・テルミニ駅とともに、独裁者であるムッソリーニの意向が大きく反映しているらしいです(この2つの駅の見た目は対照的ですが)。そして、20世紀三大建築家の一人であるフランク・ロイド・ライトが「世界で最も美しい鉄道駅」と称したように、名建築として誉れ高い駅舎のようです。
ただ、私がミラノを訪れて、実際に見た時の感想は、・・・「美しい」というよりは「重苦しい」(良く言えば「重厚」)というものでした。当日の天気が悪かったこともあって、装飾が多く陰影ばかりがやたらと目立つ、グレー単色の石造りの建物は、曇り空をバックにするとモコモコした巨大な雨雲かのように見えてしまったことをよく覚えています。「ファシズム絡み」という先入観もあったために、余計に暗く感じられたのでしょうか。
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米国・ニューメキシコ州最大の都市の中心部に位置する駅で、シカゴとロサンゼルスを結ぶ長距離列車「サウスウェスト・チーフ」が停まる他、近郊列車も発着しているようです。ヨーロッパや日本とは異なり、鉄道が発明され発達した後の時代になってから都市が形成されているからだと思うのですが、米国ではどこの都市でも駅が街なかの便利な場所にあるのがいいですね。そのくせ街の中における鉄道の存在感というのは極めて薄いように思われますが(特に西部では)。
この駅舎は、大して発着する列車の本数が多いわけでもなさそうな割には立派で、またやたらと飾りの多いギザギザしたスカイラインが妙に気になってカメラにおさめたものです。この建築様式は「ミッション・リヴァイヴァル・スタイル」といって、19世紀後期から20世紀初頭にかけてカリフォルニアにおいて流行した、学校や駅等の建築によく見られるもの、らしいです。
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2006年12月 18-5「オールド・タウン」(A-2 米国西南部)
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日本の高級住宅街の代名詞のような田園調布の街は、この駅前広場を中心に、放射状、同心円状の街路パターンが広がっており、この駅舎はまさに街の物理的な重心に位置しています。今でこそ、この街は周囲を高密な市街地に取り囲まれてしまっていますが、ここが開発された大正時代には、東京の辺境(フロンティア)に位置する、その名のとおり「田園」だったはずで、その頃の日本の農場や牧場には、こんな屋根の形をした洋館が広い平原の中にぽつんと建っていたんだろうな、と思わされるような、田園ののどかさをイメージさせ、田園生活の魅力をアピールするかのようなデザインの駅舎です。
ところでこの建物は、ここを走る東急電鉄東横線が地下化されたことによって、駅舎としての機能は必要なくなり、一時的に解体されたのですが、2000年に復元され、現在は地下駅へと通じるゲートとして象徴的な役割を果たしています。東急電鉄の前身である目黒蒲田電鉄は、都心とこの街を結ぶことを目的に設立された鉄道です。つまり、この街は言わば、東急グループにとっては「発祥の地」であり、そのシンボルでもあるこの「神聖な」駅舎を、用済みになったからといってないがしろにするわけにはいかなかったのでしょう。
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とんがり屋根と丸窓を持ったこぢんまりとしたノスタルジックな洋館風のスタイルが愛らしく、おしゃれな学園都市の風景(※)にマッチした人気の高い駅舎、・・・でした。
この画像を撮影したのは2003年8月でしたが、その後この駅舎は、ここを走るJR中央線の連続立体交差事業により、なんとあっさり取り壊されてしまったのです! 多くの人に愛されてきたこの駅舎の保存について、事業主体である東京都も、JR東日本も理解を示さなかったようです。そりゃあ新しい駅舎に建て直してしまった方が安上がりなのかもしれませんが、地域が築いてきた歴史とか、文化に対する敬意のようなものが、あまりにも欠けているんじゃないでしょうか?
この旧駅舎はとりあえず、復元可能なように解体され、現在国立市によって保存されているとの事です。いつの日かまた、この駅舎のある風景が復活することを願っています。
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2006年4月 2-3「大学通り」(J-4.2 東京都下)
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たとえば、構内、あるいは外部の目立つ場所に「時計」が設置されていない駅などというものが想像できるでしょうか? 速達性、定時運行、頻繁な運転間隔・・・鉄道とはある意味、「時間」を売り物にしている商売と言えるでしょう。つまり、時計とは鉄道のシンボルなのです。
・・・という事実を最もわかりやすい形でストレートに表してしまったのが、パリ郊外のニュータウン(※)にあるこの駅です。通りの正面上空に設置された巨大な円形の針時計が駅入口の場所を示しています。その裏にあるもう一つの時計(よく見ると重なっているのがわかります)とに挟まれた所が駅のコンコースになっていて、そこからプラットフォームへと下っていくような構造になっています。
地域固有の歴史を持たないニュータウンの中心駅の顔である駅舎には、こんなジョークのような表現がのぞましい、ということなんでしょうか。確かに時計は鉄道のシンボルと言えるのかもしれませんが、伝統的な「駅らしさ」のようなものが感じられず、街の中の風景としてはあまりに奇抜で、落ち着かない気がします。一見さんにとっては面白いんですけどね。
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2007年10月 38-8「セルジー・ポントワース・ニュータウンの商店街」
(E-1 フランス)
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東京から(名古屋でもいいのですが)長野県南部の飯田市に向かうのに最も速くて便利な交通機関は、鉄道ではなく、高速バスでしょう。この地域に通じる唯一の鉄道であるJR飯田線は、「偉大なるローカル線」といった風情で、駅間距離が短い上に、急カーヴ、急勾配が多く、高速運転には向かない路線なのです。この街に遠方から鉄道でアクセスしようというのは、あまりにも時間がかかるので現実的ではありません。というわけで、「飯田市の玄関口」と紹介してしまうのはちょっと憚られる駅なのですが・・・
それはともかく、駅舎の屋根の鮮やかな紅い色、妻側の壁の白さ、全体的に丸みを帯びたデザインから、あなたは一体何を連想しますか? ・・・おそらく答えはみんな一緒でしょう。そう、「リンゴ」です。長野だから、リンゴ。実にわかりやすいですね(笑)。
・・・そう言えば、この街のシンボルは「リンゴ並木」(※)でした。当サイトでこの街を取り上げるのも、なんと5回目になります・・・。
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2007年4月 25-5「リンゴ並木」(J-2 北関東・甲信越)
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