76-11 仙石原のすすき草原(神奈川県箱根町)
かつてはカルデラ湖の底だったというなだらかに傾斜する山のふもと一面が、柔らかな毛布を掛けたように、微風に揺れて金色に輝くもわもわとした物体で覆われている風景です。
「もわもわ」の正体は、すすきです。すすきというと「昭和枯れすゝき」という歌謡曲があるように、寂しさ、侘しさの象徴、といったようなイメージがありますが、これだけの広い草原を隙間なく埋め尽くしていると、逆に壮観で、ゴージャスな神々しささえ感じられます。わざわざこのすすきを見るためだけにやって来た大勢の観光客は、モーゼの「十戒」のような、両側をすすきの海に挟まれたこの一本道を、ありがたそうに列を成して巡礼していきます。まぁ、終点には何もなく、ただの行き止まりなので、行って戻って来るしかないんですが(笑)。
すすきと言えば、米国東海岸の海沿いのリゾート地・アトランティックシティ(※)という街を訪れた時、美しく整備された街路の植栽帯に、わざわざすすきが植えられているのにびっくりした思い出があります。この街の海岸にはすすきがいっぱい生えているので、言わば街のシンボル的な存在なのかもしれませんが、あちらではすすきに対してあまりネガティヴなイメージはないのでしょうか? ちょっと不思議な感じがしました。
※関連バックナンバー 65-4「ミシガン・アヴェニュー」
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