76-5 上総中野駅(千葉県大多喜町)
東京という大都会の喧噪の中で過ごす日々にストレスを感じはじめていた私は、ある年の夏休みを迎えるにあたり、「とにかくどこか田舎に行きたい!」と思いつきました。あまりお金も無かったので、いちばん近い田舎に。候補に挙がったのは「半島」という、交通が不便なために他の地域とのつながりが隔絶されている土地で、東京からは海を隔てて対岸に位置する、近くて遠い巨大なフロンティア(辺境)、房総半島を目指したのでした。
房総半島には、外周部の海岸沿いに幹線(?)というべきJR内房線・外房線が通っていますが、海岸部から内陸に向かうローカル線も何本かあります。そして、外房(太平洋側)の大原駅を起点とする第三セクター・いすみ鉄道と、内房(東京湾側)の五井駅を起点とする私鉄・小湊鉄道が出逢う、半島のちょうど中央部に位置しているのがこの上総中野駅です。
いすみ鉄道の方は、「レールバス」と呼ばれる、その名の通りレールの上を走るバスのような簡素な車両(画面左側)が1両で草原の中をくねくねと走る列車で、もう一方の小湊鉄道はというと、大昔にどこかで使われていたものを持ってきた、エアコンも付いていないような古い車両(画面右側)で、この駅には一日に5往復しか列車が発着しません。そんなわけで東京駅からの直線距離にして50kmも離れていない駅とは思えないようなのどかさです。プラットフォームの高さは、バリアフリーなんていう時代の流れなどどこ吹く風といった昔ながらの低さで、雑草は生え放題。線路を跨ぐ陸橋など無く、画像のように踏切内を幼児がよちよち歩きしていても全く危険が感じられません。
東京に居て当サイトをご覧のみなさまも、最も手っ取り早く田舎の風情を味わいたかったら、こんな駅を訪れてみてはいかがでしょうか?
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