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2013年12月

2013.12.30

81-5 縄手通り商店街(長野県松本市)

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前回(81-4)取り上げた女鳥羽川の北側に沿って、緩やかにカーヴした線形を持ち、背の低い長屋状の古い建物が並ぶ、下町の路地といった趣きの小ぢんまりとした商店街です。

全体的に言えば縦・横に整然と区画され、ビルが建ち並び近代的な印象のある松本の市街地において、スケール感の異なる「異物」のように挿入されたその空間は、金沢の「ひがし茶屋街」、もしくは東京・新宿の「ゴールデン街」のように、歴史のある町における花街を思わせるような、非日常感を味わえる不思議な場所です。

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2013.12.29

81-4 女鳥羽川(長野県松本市)

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女鳥羽川(めとばがわ)は、松本市の中心部を流れる小さな川で、かつては松本城の外堀としても機能していたそうです。画面中央に見える石垣はその頃からの名残なのか、それともわざわざ復元したものなのかはわかりませんが…。その石垣の護岸の上は「縄手通り商店街」(次回取り上げる予定です)になっていて、その長屋のような小ぢんまりとした白壁の建物が印象的です。その奥の背景となっているオフィス街のビルの外壁の色彩も重厚で落ち着いていて、全体として歴史ある街のしっとりとした情緒を感じる川沿いの風景です。

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2013.12.28

81-3 公園通り(長野県松本市)

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以前、あるTVドラマで、ここ松本から東京に出てきた女の子が、「松本は、そんなに田舎でもないですよ。パルコもあるし。」と語る場面がありました。このセリフからもわかるように、画像奥に鎮座するライト・グレーの不思議な形をした建物「松本パルコ」は、松本市民にとっての誇りであり、この一帯は若者向けの店が集まる松本における流行の発信基地という位置づけなのかもしれません。本場、東京・渋谷のパルコの例にあやかってか、駅からそこへのメイン・ルートは、沿道に公園があるわけでもないのに「公園通り」と名づけられています(「パルコ」は、スペイン語で「公園」を意味)。

そんな地区のイメージにふさわしく、城下町の縦・横の街路パターンの規則性を破って斜めにくねくねと走るこの細街路は、車道も歩道と同様にお洒落なブロック舗装がなされています。歩道と車道の境界部に縁石はあるものの、段差はないので、歩行者専用道路のような感覚で広々と歩けそうな気がします。沿道の建物のデザインも、前回(81-2)取り上げた「本町通り」の「街づくり協定」と関連があるのか、一つ一つの建物がお洒落で個性的でありながら、全体としてはすっきりとした街並みが形成されています。

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2013.12.27

81-2 本町通り(長野県松本市)

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長野県の経済の中心で、国宝・松本城を中心とした城下町である松本市の、まさに城の正面から南へ伸びる大通りが、この本町通り(ほんまちどおり)です。

この通りの西側沿道の街並みを見て、私はどこか不思議な感覚を覚えました。ファサードのデザインがあるテーマで統一されているという訳でもないのにどことなく整然とした感じ。建物がどれも比較的最近建て直された物のように見え、高さや幅といったスケール感、凹凸なく揃った壁面の位置、縦長を基調とした窓の形、自然石を用いた外壁素材の質感…等に一定の秩序が感じられ、緩やかな統一感が見られるのです。さらに街角には、その立地を強調し、ランドマークとなることを意識したようなデザインの建物が建っています。電線類も見当たりません。

…そう思って少し調べてみたら、この通りの西側では土地区画整理事業が行われたのを契機として、10年ほど前に「街づくり協定」が定められ、「蔵をモチーフにした擬洋風建築等、和洋風が奇妙に入り混じった本町独自の景観形成」をコンセプトに、統一感と個性を活かすファサードのデザイン・コードが例示されるとともに、壁面後退、1階部分の高さ、壁材、看板に関する制限…等のルールが設けられていたようです。

美しさが自然と感じられる街並みには、その裏に地域の人々のこうした努力が隠されているのだなぁ…と改めて実感させられました。

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2013.12.25

81-1 片倉館(長野県諏訪市)

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まずは、「東洋のスイス」こと、長野県・諏訪地方から。

諏訪湖のほとりに、レンガ造りの洋館がライトアップされ、夜空に浮かび上がっています。松の木々に囲まれ、どこかエキゾティシズムを感じさせる和洋折衷なその敷地の雰囲気は、東京の一橋大学国立キャンパスを彷彿とさせます。

この「片倉館」は、「シルク・エンペラー」と称された片倉財閥により、地域住民に厚生と社交の場を提供するため昭和3年に竣工されたもので、この地域において豊富に湧出する天然温泉の大浴場を備えています。

建物の内部は、やけに深く、なぜか底に玉砂利が敷かれた広い浴槽があり、ステンドグラスや彫刻に囲まれていて、どこか古代ローマ時代の大浴場を思わせます(以前ヒットした「あの映画」でしか見たことはありませんが…)。松山・道後温泉本館の浴場にも似て、所々剥がれているタイルにも歴史が感じられます。

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2013.12.20

アーバン・ツアーズ 2013-2014・年末年始SP 山国(やまぐに)の風景

私のように関東平野の真ん中で日々暮らしていると忘れそうになりますが、日本は国土の約7割を山地が占める「山国」なのです。

そんな四方を山に囲まれた土地では、主要な国土軸から外れ、交通が不便で、経済発展から取り残されたことから昔ながらの文化や風景が残されていたり、また逆に地理的なハンディキャップを克服すべく、当時の先進文化を取り入れようとした先人たちの知恵と努力が感じられたりする事もあります。

今回のシリーズでは、日本列島の中央部に位置する内陸県の、長野・岐阜(旧国名で言えば、信濃、飛騨、美濃)の、山に囲まれた魅力的な街の風景を、12月25日(水)よりお届けしていきます。日本の原風景とも言える、地方都市の風景をお楽しみください。

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