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2015.08.13

86-12 シティのスカイライン(英国・ロンドン)

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「シティ」は、1世紀にローマ人が建設した城塞都市「ロンドニウム」を起源とするロンドン発祥の地という古い歴史を持ち、交易の中心として発展してきた地区である一方、現代においてもロンドンの経済の中心であるのみならず、ニューヨークのウォール街や東京の兜町等と並び世界の金融をリードする存在で、ロンドン証券取引所や保険会社である「ロイズ」の本社等が置かれています。

そして、その景観は、曲がりくねった狭い路地が張り巡らされ、昔ながらの教会等も残る下町風の風情と、とりわけ前衛的で奇抜な外観の高層ビル群が共存し、一言でいうとカオスで、大きさも高さも形もバラバラな建物がごちゃごちゃと並ぶ様子は、遠くから見るとまるで乱杭歯のようです。こんな古臭い景色の残る場所が21世紀のこの現代社会においても世界経済を支配しているなんて、ちょっとイメージできません。イタリア等、他のヨーロッパ諸国であれば保全の対象となることが多いこうした旧市街の都市景観が、旺盛なオフィス需要を賄うために近年再開発が容認され新しいビルが建つことで、次々と変容していきます。歴史的建造物群の保存や都市景観の問題に関心が深いチャールズ皇太子が、かつて著書やTVのドキュメンタリー番組の中でロンドンの景観の現状を嘆いたというのもわかるような気がします。

ところで、ロンドンでは新しい高層ビルができる度に、その建設計画が発表になった段階から市民によってすぐに「あだ名」がつけられていくのだそうです。それらについて一つひとつ解説していきましょう。

まず、画面右側の菱形模様で覆われた弾丸のようなビルですが、これはピクルスに使われる小さいサイズのキュウリである「ガーキン」と呼ばれています(正式名称は「30セント・メリー・アクス」)。2004年に竣工したこのビルも、またもやノーマン・フォスター氏の設計です。そして、2014年7月に完成した画面中央に聳える一際高くスリムな形状のビルは、「チーズ・グレーター(チーズを削るおろし金)」と呼ばれています(正式名称は「リーデン・ホール・ビル」)。こちらも世界的に有名な英国人建築家、リチャード・ロジャース氏によるものです。彼はロンドンにおいてロイズ本社やミレニアム・ドーム(現O2アリーナ)を手がけている他、フランス・パリのポンピドゥ・センターもレンゾ・ピアノ氏との協働による作品です。

最後に、画面左側の高層ビルです。私が初めてこれを目にした時の感想は、ただただ「!?」でした。巨大な直方体が強い地震でグニャグニャに揺れているような形状は、横(東西側)から見ればそれなりですが、正面(南側)から見ると正直不格好で、白いのっぺらぼうな化け物のような印象でした。私は最新版の旅行ガイド・ブックを持って行ったつもりだったのですが、このビルに関する情報は何もなく、名前もわからなければ開業しているのかどうかもわからない状況でした。黒い平面が白い枠で囲まれているファサードはスマートフォンのようにも見えたのですが、現地でこのビルは「ウォーキー・トーキー(携帯型無線通話機)」と呼ばれているそうで、正式名称を「20 フェンチャーチ・ストリート」という昨年4月に完成したばかりのビルなのだそうです。日本では東京国際フォーラムも手がけている南米出身のラファエル・ヴィニオリ氏による設計です。ちなみに、このビルの凹状に湾曲したガラス面が反射した光を集めて地上に停めてあった車の車体が溶けてしまうという事件があったそうで、南側のガラス面が黒っぽく見えるのはどうやらそうした被害(加害?)を防ぐためのフェンスが設置されているためのようです。

またしても長文失礼しました。

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