87-38 ロイヤル・クレセントからの眺め(英国・バース)
以前にも触れましたが、バースは英国内でロンドンに次いで観光客が多く訪れる人気の街らしいです。しかし、その理由が私にはよくわかりません。ローマ時代からの遺跡が残っているというのは凄いことですが、それもローマン・バス(87-33)だけですし、他に世界的に有名な観光資源があるわけでもありません。温泉の街とは言っても、日本の温泉街のように露天風呂と料理が自慢の老舗旅館が何軒も建ち並び、街なかには群馬県・草津の湯畑のような源泉や足湯が楽しめる場所があったり、土産物屋が軒を連ねている、といったような独特な風情もありません。そもそも源泉がありながら、近年になって現代的なスパが開業するまで入浴を楽しめる施設すらしばらくなかったらしいのです。また、確かに街は気品があってそれなりに美しいとは思いますが、わざわざ遠くから訪れるほどでもなく、英国やヨーロッパの他の街と比べて特別に違った魅力があるとも思えません。サーカス(87-35)やロイヤル・クレセントのような目玉となるような建築物はありますが、所詮ただ大きくて丸い(笑)集合住宅ですし…。英国の人たちは、いったい何を求めてこの街にやってくるのでしょうか…?
もしかしたら、その答えは、この画像のような風景にあるのかもしれない、と思いました。イングランドにしては珍しく起伏のあるバースの街の中でも比較的高台に位置するこのロイヤル・クレセントからは、谷底のような場所を流れるエイヴォン川の対岸にある緑の丘が望めます。それはまるで、古代の円形劇場から、青々とした芝生が敷き詰められた舞台と、背景となる緑を眺めているかのようです。観光客は、ロンドンのような大都会にはないこんな風景の中で、のんびりと過ごして癒されるためにこの街を訪れるのかな、と…。
ストラトフォード・アポン・エイヴォンから始まって、コッツウォルズ地方を経由してきた、計38回に渡る中部イングランドを巡る旅は、ここバースで終わりとし、次回からは南海岸地方をご紹介していこうと思います。
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