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2016年4月

2016.04.29

89-19 高尾599ミュージアム(東京都八王子市)

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前回(89-18)ご紹介した場所のほど近くに建つ、昔ながらの小ぢんまりとした和風家屋…と思いきや、その1階部分の開口部は現代的な全面ガラス張りで、高尾山麓の街並みとの調和に配慮した現代建築となっています。建物の前面には芝生の広場が広がり、ベンチが並ぶ傾斜のついたアプローチには小川も流れるようで、空間全体がシンプルな和のテイストでまとめられ、アートを感じさせてくれます。

この施設は2015年に八王子市が観光まちづくりの拠点として設けたもので、その名称は高尾山の標高(599m)にちなんでいます。私は内部には入らなかったのですが、メインとなる展示スペースは外観からは想像もできないほど広々としているようで、登山客らの避難場所としても想定されています。入場無料のこの施設にはカフェ、ミュージアム・ショップ、おむつ替え・授乳室等も備えられています。

高尾山は、東京の人にとっては昔から親しまれてきた行楽スポットでしたが、2007年から3年連続でミシュラン旅行ガイドの3つ星を獲得して以降、外国人観光客も増加する等、ますます脚光を浴びてきているようです。そんな時流に乗って、この施設のオープンと同じ2015年、高尾山へのメイン・アクセスを担う京王電鉄は高尾山口駅の駅舎をリニューアルし(設計は新国立競技場と同じ隈研吾氏)、駅前に温泉施設も開業させました。高尾山は今、最も「旬」の観光地と言えるのかもしれません。

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2016.04.28

89-18 高尾山麓の街並み(東京都八王子市)

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高尾山は、東京都心から約1時間と交通アクセスがよく、登山道やケーブル・カー等が整備されて気軽にハイキングが楽しめることから、年間約260万人という世界一多くの登山者で賑わう山です。そのゲートウェイとなる京王電鉄高尾山口駅とケーブル・カーの駅の間の、歩いてわずか数分程の通り沿いは、名物の「とろろそば」を提供する店等が並ぶ、ちょっとした「門前町」になっています。画像に映っている和風家屋もその一つで、一応東京都内にありながら、こんな昔ながらの鄙びた風情を感じることができる街並みが形成されています。

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2016.04.27

89-17 中央南北線沿道の風景(東京都立川市)

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固有名詞の地名が入らない、単なる座標軸のように無味乾燥な名称のこの通りは、前回(89-16)ご紹介した立川基地跡地の中央部を南北に真っ直ぐ貫く道路で、立派なケヤキ並木を備えた幅の広い中央分離帯が印象的です。画面右側に映っている立川市役所の新庁舎等、沿道の建物は比較的築年数の浅い物件が多いようなのですが、その割にこの道路の植栽にはそれなりの年月を経てきた風格のようなものが感じられます。

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2016.04.26

89-16 立川基地跡地の風景(東京都)

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JR中央線北側の、立川市から昭島市にかけての土地にはかつて、1922年に建設された陸軍の「立川飛行場」がありました。それが戦後「米軍立川基地」となり、その広大な敷地は1977年までに段階的に返還され、その中央部は有名な「国営昭和記念公園」に、東側は陸上自衛隊立川駐屯地の他、海上保安庁・警視庁・東京消防庁など各官公庁の施設が設けられた「立川広域防災基地」となり、1994年には一部がファーレ立川として先行開業するとともに近年に至るまで再開発が続けられています。国や都、市の各種施設が林立する風景はさながら、「ミニつくば」といった様相を呈しています。

このあたり一帯は、幅の広い道路が真っ直ぐに引かれ、それぞれの大きな敷地の真ん中にそれなりに高さのある巨大な建築物がぽつんと建ち、その周りを広々としたオープン・スペースが取り囲む、という都市景観が続いています。最近開発された「新都心」と呼ばれるような街はどこもこんな感じなので、これが現代の日本における理想都市の雛形とされているのでしょうが、私には、このだだっ広さがどこか寒々しく感じられてしまいます。木々の葉が落ち、芝の緑等、風景を構成する全ての色が淡くなる、画像のような真冬の季節などにはなおさら。

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2016.04.25

89-15 多磨霊園(東京都)

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海外の森林墓地を参考にして造られ、大正12年に開園した我が国最初の公園墓地・都市計画共葬墓地で、各界の著名人墓所も多いそうです。府中市と小金井市に跨るその敷地は、総面積128haと都立霊園の中で最大の規模を誇り、武蔵野の風景を代表するアカマツと雑木林が点在する中に、たくさんの桜並木があり、画像からも窺えるように紅葉の季節の風景も魅力的です。

広大な敷地は碁盤の目状に区画され、交差点にはロータリー状の広場やモニュメント等が設けられています。そこを基点に斜めに伸びる園路等も設けられていて、その様はまるでパリバルセロナ、あるいはワシントンDC等の都市計画を彷彿とさせます。さらに環状の園路まで加わっているあたりは、時代的に英国の社会改良家ハワードが提唱した「田園都市構想」の影響も受けているのではないかという気すらして、この緑豊かで開放的な環境が米国の都市郊外の高級住宅地の風景のようにも見えてきます。まぁ、墓地もある意味、亡くなった方々のための「住宅地」ではあるので、似てくるのは当然かもしれませんが。

それにしても、青山墓地浦安市民墓地公園等、妙にお墓を取り上げる機会の多いサイトだな、とは感じています。

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2016.04.24

89-14 よみうりV通りからの眺め(東京都稲城市)

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東京郊外、多摩川の南側に横たわる多摩丘陵の尾根上に立地する遊園地「よみうりランド」や読売ジャイアンツ室内練習場と、その麓に位置する京王電鉄京王よみうりランド駅とを結ぶルートとして2009年に開通したのがこの「よみうりV通り」です。株式会社よみうりランド創立60周年、および読売巨人軍創立75周年記念事業として新室内練習場とともに整備されたこの道路の歩道上には、米国・ハリウッドの「ウォーク・オブ・フェーム」のように当時巨人に在籍していた全選手・監督の手形のプレートが背番号順に並んで埋め込まれています(既に亡くなられた方や、野球賭博に関わって契約解除になった方もいらっしゃいますが…)。また、毎年巨人が試合で勝ち星をあげる度に沿道には幟が1本ずつ立っていき、それがどんどん増えていくような演出がなされています。

大きなカーヴを描く延長約750m、標高差約60mのこの坂道は自転車に乗る方々にとっては有名なコースらしく、また深夜になるとバイクや改造を施した車が轟音を上げて猛スピードで走り抜けていく道です。画像のアングルでは正面奥に多摩ニュータウン・向陽台地区の高層マンション群が見えていますが、高低差のある坂の上からの眺めは遮るものがなく、遠くまで平地が広がっているため見晴らしが利いて爽快で、たとえば学園ドラマの下校シーン等にぴったりなイメージです。また、地元ではちょっとした夜景の名所にもなっています。

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2016.04.23

89-13 光が丘パークタウン(東京都練馬区)

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光が丘パークタウンは、都内でも有数の面積を持つ都立光が丘公園と一体的に開発されたニュータウンで、約186haの面積の中に多くの公園が点在するとともに公団・公社の中高層住宅が建ち並び、約3万人の人々が暮らしています。戦前、旧日本陸軍の成増(なります)飛行場だった場所が、戦後連合軍に接収され、「グラントハイツ」(米国第18代大統領グラントの名に由来)と名付けられた米空軍の家族宿舎として使われ、1973年に全面返還されたという経緯があり、新たなまちづくりが行われ住宅への入居が開始されたのは1980年代のことです。

立派な緑地帯を備えた広々とした道路が真っ直ぐ伸び、沿道に高層住宅が整然と建ち並ぶ様は近代的な風景で、大陸的な雄大ささえ感じられ、周りを取り囲む練馬の市街地とは明らかに異質な空間です。地域内にはショッピング・センター等の商業・娯楽施設や各種公益施設が一通り揃っており、タウン外に出なくてもほとんどの用が足りそうな上に、タウンの中心に位置する「光が丘駅」が始発となっている都営地下鉄大江戸線に乗ってしまえば地上の景色を見ることなく都心部に直通できるので、歴史的背景もあってかタウン全体が「治外法権」の独立国家のような趣すらあります。また、先日ご紹介した「八潮パークタウン」(89-8)同様、この街にも80年代に造られたニュータウンらしい香りがそこかしこに漂っています。入居開始から30年以上経過したこのような団地の街というのは、全国的に見て高齢化が進んでいることが多いようですが、新宿まで直通20分強というアクセス利便性を誇るこの街は、いまだに若いファミリー層に人気があり、高齢化率は全国平均に比べ低め(あくまで「今のところ」で、今後は急激に上昇する予測です)とのことで、街全体からどこか若々しい活気が感じられるような気がします。

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2016.04.22

89-12 二子玉川ライズ(東京都世田谷区)

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高級住宅地として知られる世田谷区内にあり、首都圏屈指の人気鉄道沿線である東急田園都市線で渋谷から急行で2駅、約10分の距離に位置する二子玉川は、駅北側に1969年に開業した郊外型ショッピング・センターの草分け的存在である世田谷マダム御用達の「玉川高島屋SC」を中心に発展してきた商業地で、また自然豊かな多摩川沿いという立地条件にも恵まれています(駅のプラットフォームの先端は河川敷上空にまではみ出しています!)。そんな「都心さえ、あこがれる街。」に2011年、駅南側の大規模な再開発地区に華々しくオープンした、商業・娯楽・業務・住宅等の複合施設群が「二子玉川ライズ」です(「都心さえ…」は、ディヴェロッパーが付けたキャッチ・コピーです)。

画像は、ショップに囲まれた「中央広場」と呼ばれる場所あたりから駅の方角を撮ったものですが(画像正面奥の大屋根の架かった場所の後方に駅があります)、多摩川に沿った細長い開発敷地を強調するかのような軸性を感じる空間構成です。この街の建築外装とランドスケープのデザインは、世界的デザイナー・コンラン卿率いる「コンラン&パートナーズ」が監修したそうですが、この風景は所々に植えられた木々の緑の他はコンクリートとガラスとメタルで埋め尽くされた無彩色の空間で、ショッピング・モールらしい華やかさよりも、現代的で都会的なクールさを指向しているように感じられます(今にも雨が降り出してきそうな曇り空が、そんな印象を余計に高めていますかね)。二子玉川というハイ・ソサエティな地域にはこんな無機質なデザインがふさわしい、と解釈した結果なのでしょうか。

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2016.04.21

89-11 南千住汐入の街並み(東京都荒川区)

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かつてこの地域は、隅田川の舟運と鉄道貨物基地の陸運を接続する物流の要所であるとともに、2つの巨大な紡績工場を有する工業の街でした。そして、迷路のような細い路地に朽ちた板塀で囲われた木造家屋が並び、(原作漫画版の)「サザエさん」に出てくるようなセメント製の器にブリキ張りの板蓋をあてがった重そうなゴミ箱がそこかしこに目につくといった、昭和30年代の東京の下町らしい風景が最後まで色濃く残り、商店がうねうねの路地沿いに散っていて、どこかの島の漁村をうろうろしているような錯覚に陥る、迷路の街気分が味わえたとのことです。

そんな風景が、昭和の終わり頃から始まった大規模な再開発事業によって一掃され、一帯は画像のように開放感溢れる都内最大級の公園(汐入公園)に隣接し、小じゃれたショッピング・モールが立地する高層マンション群が林立する今風の小ぎれいな街にすっかり生まれ変わってしまいました。かつてのこの土地の記憶など、何もなかったことのように見事に消し去って…。清々しさの中に、どこか白々しい嘘臭さも漂う風景です。

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2016.04.20

89-10 汐入公園の「隅田川テラス」(東京都荒川区)

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東京を代表する大河川・隅田川の両岸には、昭和60年から都の「スーパー堤防等整備事業」の一環として、総延長50km弱に渡り、順次このような親水空間が整備されています(整備率は約9割とか!)。その総称が「隅田川テラス」です。

これは、かつて高潮対策で整備された、高さ3~4m程の直立のいわゆる「カミソリ堤防」によって人々を遠ざけてしまった水辺を、親水性に配慮した緩傾斜堤防に再整備し、治水上の「高水敷」にあたる部分に舗装や緑化を施してテラスのような空間としたもので、堤防の強化、耐震性能の向上にも貢献しているのだそうです。

隅田川の流れが大きく湾曲しているこの「汐入公園」付近もその一つで、まさに川に対して大きく張り出したバルコニーのようにも見えます。広々とした水辺に接する堤防がこうしたなだらかな緑の丘のようになっていると、空がとても広く感じられ、実に気持ちのいいものです。

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2016.04.19

89-9 目黒天空庭園(東京都)

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公園の向こうに建ち並ぶ高層住宅群を、なぜか若干上から眺めているような視線の違和感が気になる画像ですが、それはこの公園の特殊な立地に起因するものです。

まず、ここは高架を走る首都高速道路3号渋谷線と地下を走る中央環状線の交点に位置し、両者を結ぶジャンクションを整備するにあたり、高密な都市部において限られた用地面積でかなり高低差がある長い車路を確保するため、ループ形状が採用されることとなりました。と同時に、近隣地域への環境対策も求められ、車路は上下左右を完全に覆われることになりました(そんな巨大な楕円形のコンクリートの構造物は、地上から見るとまるでローマの「コロッセオ」のような威圧感です)。

この「目黒天空庭園」は、上から見るとドーナツのような形をしたそんな大橋ジャンクションの「屋上」に、目黒区が首都高速道路から占用使用許可を受け、都市公園法に基づく「立体都市公園」として整備し、2013年にオープンした区立公園で、延長距離は約400m、平均勾配約6%、高さは地上11m~35mとなっており、芝生の他にも様々な樹木や花が植えられています。入場無料ながら開園時間は午前7時~午後9時(遅くまで開いていていいですね。夜景も楽しめそうですし。)と定められており、隣接するタワー・マンションのエレベーターで昇って入場するという不思議な感覚の公園です。

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2016.04.18

89-8 八潮パークタウン(東京都品川区)

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東京都心にもほど近い臨海部の埋立地に立地し、周辺を大工場、埠頭、コンテナ・ターミナル、火力発電所、清掃工場、物流センター、新幹線の車両基地、競馬場…といった施設に加え、さらに高速道路や運河に囲まれた、「住宅地」というイメージの全くない、どちらかというと物騒な印象のある地域の中に浮かぶ島のような、人工的な緑に覆われて約70棟の中高層住宅群が並び建つ、面積約40ha、人口約1万2千人のニュータウンです。画面にも映っている「東京モノレール」(羽田空港の主要なアクセス手段の一つとなっています)の車窓から見るこの地区の夜景は、宇宙基地や未来都市を思わせるものがあります。

1980年代に造られたこのニュータウンは、全く同じ大きさの白くて四角い住棟がどこまでも果てしなく平行に並んでいるといった、それ以前の時代に造られた大規模団地とは異なり、住棟の並び方が縦だったり、横だったりして、それぞれの高さにも変化がつけられ、外壁の一部には明るい色のタイルも貼られています。地区全体で歩行者動線と車両動線の分離が図られ、ペデストリアン(歩行者)・デッキが多用されているあたりにも80年代の空気が感じられます。これが90年代に入るとバブル景気の影響からか、さらにファンシーにエスカレートしていき、テーマ・パークのような様相を呈してくるのですが…。

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2016.04.17

89-7 押上駅前ロータリー(東京都墨田区)

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前回(89-6)ご紹介した東京スカイツリー周辺一帯の再開発事業によって生まれた交通広場の画像ですが、これを取り上げた理由は、バス停(タクシー乗り場?)の上屋の形が変わっているな、と思ったからです。一部に透過性のある素材を用い、三角形を貼り合わせて造ったようなカーヴを描く屋根に加え、裾を絞ったような柱の形も面白く、ヨーロッパを思わせるアール・ヌーヴォー風の(?)デザインが洒落ています。

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2016.04.16

89-6 東京スカイツリー天望回廊(墨田区)

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2012年に開業した、2016年現在世界一高いタワーの、第2展望台の画像です。この展望スペースは、高さ445mの地点から450mの地点まで、塔の断面の円周に沿ってぐるりとスロープで歩いて昇っていくという仕掛けになっています。眺めの良いガラス張りの幅の狭い通路は空中の螺旋階段のようで、そこを歩いていると天国へと導かれているような高揚感が味わえます。

ただ、以前にも書きましたが、ここからの眺めにはあまり見るべきものはないなぁ、という印象です。展望台にとって重要なのは、高さよりも立地なんだということに気づかされました。

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2016.04.15

89-5 JR新宿駅新南改札(東京都)

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線路上空利用というウルトラCを使って拡大と発展を続ける新宿駅南口に、新しく開業したばかりの改札口で、その正面には発着する様々な電車を眺められる公園のような歩行者空間が整備されています。まだその場所の存在が駅利用者にあまり知られていないためか、行き交う人の姿はそれほど多くなく全体が広々と感じられ、いつどこへ行っても混雑している新宿駅前らしくない風景です。

画面左手に見える建物は南口開発の先鞭をつけた1996年開業の「タカシマヤタイムズスクエア」で、長年飽きられないデザインを目指したというその外観は、狙い通り開業後20年を経た今でも時代遅れな古臭さを感じさせないように思います。左側の本館から軽やかなブリッジで繋がった「アネックス」、そしてその隣に建つNTTドコモ代々木ビル(前回の記事の画像にも映っていた、エンパイア・ステート・ビルっぽい形のビル)へと続く、鮮やかさを抑えた明るいグレーの色調に揃った都市景観には、現代的かつ都会的な爽やかさが感じられます。

ちなみにこの空間の上部には、同じく今月開業したタクシー乗降場と高速バスターミナルから成る交通施設「バスタ新宿」があります。新宿駅周辺の19カ所に分散していたバス乗り場を集約した結果、100社以上の事業者のバスが1日1000便以上発着し、全国約300都市と結ばれる一大交通拠点が誕生したというのは本当に画期的なことだと思います。ヴァラエティに富んだ目的地の名が記された電光掲示板の発車案内を見ているだけでもワクワクし、都心にいながらにして大空港のターミナル・ビルに来ているような気分すら味わえます。

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2016.04.14

89-4 新宿御苑と新都心のスカイライン(東京都)

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新宿御苑は、江戸時代の武家屋敷跡地に明治39年に皇室の庭園として造られ、戦後一般に公開された広さ58.3ha、周囲3.5kmの庭園です。苑内は日本庭園とイギリス風景式庭園、フランス式整形庭園の組み合わせで構成され、東京を代表する桜の名所としても知られています。

その名のとおり新宿新都心に近接しているので、苑内からはこのようなスカイラインが望めます。開放感がある美しい庭園と、その奥に整列した超高層ビル群が対比するパノラマは見事で、セントラル・パークと摩天楼を擁するニューヨークの風景にも引けを取らないように思えます。そういえば、エンパイア・ステート・ビルっぽい形のビルも建ってますね(笑)。新宿駅の南東側に位置するここから見える高層ビルは、西新宿の淀橋浄水場跡地に建つ旧来からのビル群(東京都庁舎、京王プラザホテル、等)ではなく、西口駅前から南口にかけて建つ比較的新しいビルが多いです。おとなしく控えめな国民性が表れているのか、日本の都市の高層ビルは海外のそれと比べると(※)、手堅くまとまったデザインのものが多いように思いますが、その中で異彩を放っているのは、画面右側に建つ、上部に穴の開いた流線型のフォルムとその名のとおり繭(コクーン)の中に包まれたような外観の「モード学園コクーンタワー」です。

私は以前、新宿御苑の近くに通っていた時期があるのですが、苑内に足を踏み入れる機会はありませんでした。周りを囲む、どこまでも果てしなく続く高いフェンスと鬱蒼とした緑の壁の向こう側がどうなっているのかなど意識したこともなく、このような別天地が広がっていることなど、初めて訪れるまで知りもしませんでした。もしこの新宿御苑が限られたゲートからお金を払って(わずかな入園料ではありますが)入るような閉ざされた庭園ではなく、周囲に対してもっとオープンな設えになれば、薄暗い近隣地域の環境は劇的に改善され、東京という都市全体の魅力の向上にもつながるのに、と感じざるを得ません。

 

※関連バックナンバー

86-12 「シティのスカイライン」82-1 「中環の高層ビル群」
 67-3 「シカゴ川沿いの銅像」

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2016.04.13

89-3 おもはらの森(東京都渋谷区)

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前回(89-2)からご紹介している「東急プラザ表参道原宿」の屋上には、広さ約250坪の庭園が設けられています。それがこの「おもはらの森」です。「おもはら」とはもちろん「表参道・原宿」を意味しているのでしょう。

この屋上庭園には表参道の象徴であるケヤキや、カツラの木々が植えられ、隣接する並木道や明治神宮の環境とのつながりが感じられます。全体的に高低差のあるすり鉢状の「地形」が造り出され、腰かけることもできる階段は「ハチの巣」をイメージしたという不思議な造形で、空間が単調にならないように工夫されています。屋上庭園に面して「スターバックス」等もあるので、空と緑を感じながらコーヒーを味わうという都会的なくつろぎ方が楽しめる、半公共的なオアシスとなっています。

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2016.04.12

89-2 東急プラザ表参道原宿(東京都渋谷区)

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東京の流行の発信源の中心の、その中でもJR原宿駅にほど近く、主要な幹線道路である明治通りと交わる表参道のケヤキ並木(画像右側)の入口という超一等地の角に2012年にオープンしたファッション・ビルです(ちなみに、向かいには同じくファッション・ビルの老舗として全国的にも有名な「ラフォーレ原宿」があります)。

その外観は…およそ建物らしくない奇抜なもので、外壁の質感は100円ショップに並ぶプラスティック製品のようにも見え、上下に、そして前後にと凸凹した王冠のような形の壁面の隙間からは植木が顔を覗かせています。この緑の存在こそが、この商業施設が開業時に話題を集めた理由の一つなのですが、それについては次回ご説明する予定です。

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2016.04.11

89-1 東京駅丸の内北口(千代田区)

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ある都市について語る時、その中心から始めるというのは、とても自然なことのように思います。では、東京の中心はどこかと問われれば、その正解は決して一つではないとは思いますが、地理的な重心に位置し、何より首都圏(および日本全国)の鉄道交通の一大拠点となっている「東京駅」は、間違いなくその一つと言えるでしょう。そういえば、10年前、このサイトを開設して最初に取り上げたのは「京都駅」でした。

東京駅については以前当サイトで、10年以上前の外観を取り上げていますが、その後1914年の開業当初の姿に戻す復元工事が行われ、2012年に再開業を果たしています。今回ご紹介する画像は、事業の目玉といえる丸の内北口のドームのもので、当サイトとしては珍しく、建築物内部の、それも天井のアップの画像です。

一見、ヨーロッパの大聖堂のドームを思わせるような、全体的に白とクリーム色という淡い配色でまとめられた空間には上部から自然光が取り入れ、明るさに満ちています。そこに、日本的な茶色い枠組みがアクセントを加えています。八角形の天井のそれぞれの角には躍動感のある大鷲が飾り付けられるとともに、十二支の内八支の動物の彫刻も配置された、西洋的な美の中に東洋的な要素が入り混じった芸術作品で、皇居の正面に相対する首都の玄関口にふさわしい壮麗さです。これを見た時には、「昔の人は立派な物を造ったもんだ…」、という感想を抱きましたが、同時に現代においてそれをちゃんと復元させたのもまた凄いことだと思いました。

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2016.04.07

10周年&新シリーズ開始のお知らせ

2006年に開設した当サイトがこの4月で、というか、今日でちょうど10年を迎えることとなりました。

まぁ、開始から3年で定期的な投稿は終了し、その後は気まぐれなペースで更新してきたので、「10年間続けた!」というような感慨は特にありません。ただ、SNSが多様化する中でブログというサーヴィスを10年以上も無料で維持してくださっているココログさんには感謝しています(邪魔な広告が増えたな、とか、「ココログ出版」の終了は残念、などとは思っていますが)。それから、のべ9万人弱の方にアクセスしていただいたという事実にも…。

そして、この4月にスタートする新シリーズのテーマとして、「東京の風景」を選んでみました。10周年を機に、もう一度初心に帰って、私の生活の拠点である地域を見直してみようというわけで…。元々、観光客が訪れるような有名な場所ばかりでなく、一般にはあまり知られていない住宅街やオフィス街といった日常的なエリアの中からも美しい風景を見つけ出していこうというスタンスで始めたサイトでもありますし。

4年後にオリンピックの開催を控えた、世界一の人口とGDPを誇る都市圏の中心・東京はダイナミックに変化し続けていて、ほんのここ数年の間にも数多くの新しいスポットが誕生しています。それらも含め、当サイトでしばらく扱っていなかった東京都内の風景をご紹介していこうと思います。

シリーズは4月11日(月)スタート予定です。お楽しみに。

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