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2017.04.23

92-13 御所の湯(兵庫県・城崎温泉)

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神社(四所神社)の隣に建っていたので、これも神社を構成する建物の一部かと勘違いしてしまったほど、立派な唐破風(からはふ・曲線的な玄関部分の屋根のデザイン)を持ち、外周を縁側(?)に囲まれた日本の伝統的な宗教建築のようなこの建物は、2005年に移転新築された、城崎温泉に存在する7つの外湯(温泉街において、宿泊施設を伴わない公衆浴場)の内の一つです。通りに面した部分には門を備えた回廊を持ち、蓮の葉の浮いた池を渡ってアプローチするという、その名のとおり、京都御所を彷彿とさせる(まぁ、私は実際に見たことはないんですが…「寝殿造」っぽいなぁ、とは思いました。)格子窓の建築には格式が感じられ、そのせいか料金も他の外湯に比べて若干高めに設定されています。

ところで、城崎温泉は「7つの外湯を中心とした、外湯めぐりを主体とした温泉」であることが特徴なのだそうです。日本の温泉地は、かつて源泉開発の技術が進んでおらず湯量が自然湧出のものに限られていた時代には、「温泉は個人の占有物ではなく、共有財産である」という考え方もあり、浴場は共同のものとして整備され、旅館はその周辺に建てられ、宿泊客は入浴に際し旅館外の共同浴場に通っていました。しかし、技術が向上し、旅館ごとに独自の源泉を持つようになった大正時代以降は、このようなスタイルは全国的には少数派となってしまい、有名な温泉地へ行くと巨大な高層旅館ばかりが林立していて、宿泊のみならず入浴も、食事も、ショッピングも、娯楽も、一つの旅館から出ずに済ますことができるようになってしまっています。これでは、温泉地ではなく、単に旅館というハコの中に来ているだけで、どこの土地へ行っても大して変わらないじゃないか、と思ってしまいます。その点、「駅は玄関、道は廊下、宿は客室、土産物屋は売店、外湯は大浴場。温泉は一つの宿。」という考え方を持ち、人々が街を歩き、街を楽しむ姿が目に見えるこの城崎温泉のようなあり方の方が、温泉地として、街として健全なのではないか、などと感じています。

 

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