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2017年8月

2017.08.30

93-28 上海虹橋駅(中国)

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中国では、日本の新幹線のような高速鉄道のネットワークがわずかここ10年の間で急速に発達し、その総延長はいつの間にか世界一となっています。ここ上海虹橋駅は、市街西郊にその高速鉄道専用の駅として2010年に新設されたもので、1630線のプラットフォームを有しています。ちなみにこの駅は国内線と東京・羽田便等近距離国際線が発着する上海虹橋国際空港に隣接しており、さらに長距離バス・ターミナルも併設されていて、上海における長距離交通の拠点が1カ所にまとまった、利便性の高い鉄道駅です(地下鉄も、現在2路線乗り入れています)。

画像は出発階コンコースのものです。この駅はとにかく巨大で…これは中央付近から片側を撮ったショットなので、後ろにはこれとほぼ同じ広さの空間があると考えていただくと、いかに大きいかがおわかりいただけるかと思います。中国人は国威発揚のためにとにかくバカでかい建物を造りたがるのかなぁ、と若干鼻で笑っていたのですが、実際訪れてみると日本の10倍以上の人口を持つこの国は鉄道利用客の数も半端ではなく、それを捌くためにはこれだけの容量が必要なんだろうな、と理解することにしました。

この施設のスケール感は鉄道駅のものというより、むしろ空港を思わせます。そう、中国で高速鉄道に乗るということは、ほとんど飛行機を利用するのと同じ感覚(いくつもの煩わしい手続きが必要、という意味で)と考えるとよいと思います。第一に、基本的に全席指定となっているので、混雑が予想される列車に確実に乗りたければ、できるだけ早く座席を確保しておく必要があります。(予約サイトはあるのですが中国語のみで、しかも外国人にとっては事実上オンラインでのチケット購入は困難なようです。現地で直接駅へ行っても外国人は自動券売機では購入できず、有人窓口に並ぶ必要があります。クレジット・カードは使えず、必ずしも英語が通じるとは限らないようで、中国語でやりとりしないと…。)第二に、高速鉄道の駅は既存の在来線の駅とは異なり、都市の中心部から離れた場所に設けられていることが多いようです。第三に、駅構内に入るためには手荷物のX線検査を受け(これは市内の地下鉄に乗る時も一緒ですが)、パスポートを見せる必要があり、そのための行列に並ばないといけません。第四に、駅は出発階と到着階が明確に分かれていて、列車に乗る時は上からプラットフォームへ下り、列車を降りたらプラットフォームから階下へと下り、駅を出るという一方通行になっていて、完全に動線が分かれている模様です。第五に改札口は、空港の搭乗ゲートのように、各プラットフォームの真上のみに、それぞれ分散して配置され、通常発車時刻15分前までは中に入れず、画像のような巨大な待合スペースで待機するシステムになっていて、3~5分前には改札が締め切られてしまうようです。…他にも共通点はあるのかもしれませんが、とにかく自由席のある日本の鉄道のように、思い立ったら1分前でもすぐに乗り込めるような気軽さはありません。

 

さて、今回のシリーズはこの上海虹橋駅の記事で終了となりますが、近い内に、この駅から高速鉄道に乗って日帰りで行ける上海近郊の都市の風景もご紹介していきたいと考えています。お楽しみに。

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2017.08.29

93-27 上海老街(中国)

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豫園や老城隍廟を含むこの一帯は、明代に築かれた小さな卵型の城壁都市でした。上海に外国の租界が次々と生まれてからも、城壁内だけは中国人の居住区としてそのまま残されたため、現在も木造建築が軒を連ね、古い上海の風情を伝える旧市街となっています。

そんなエリアを東西に横切るこの方浜中路(上海老街)は、100軒近い土産物屋が並ぶ通りです。沿道の軒先や街灯には無数の赤いランタンが吊り下げられて華やかさが演出されている一方、下町的な庶民の生活感に溢れていて、背後に聳える近代的な高層アパート群との、スケールや時代感のギャップが凄いです。

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2017.08.28

93-26 旧校場路の風景(中国・上海)

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豫園商場の外周にあたる街路の景観で、反対側にはこれまで取り上げてきたような(93-2224)豫園商場の高層建築が建ち並んでいます。この風景は、同じ高さに並び、同じ大きさに揃えられた商店の看板が、まるでキャンディのパッケージのような、ポップでカラフルな色どりに輝いているのが可愛らしく感じられて、思わず撮ってしまったものです。

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2017.08.27

93-25 豫園商場内の通り(中国・上海)

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豫園商場一帯は、いわば迷宮です。道は複雑に折れ曲がり、地図上では道路して描かれている通りが、実は車など通れそうもないほどの細い路地で、しかも上空に建物が覆い被さっているトンネル状の通り抜け空間だったり、かと思えば突然小さな広場が現れて急に視界が開けたり…。そんな空間を、両側にびっしりと並ぶ店舗を冷やかしながらそぞろ歩きするのが、楽しいと言えば楽しいのかもしれません。

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2017.08.26

93-24 豫園商場(中国・上海)

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豫園の入口側から見て、九曲橋を渡り切った場所の風景です。前々回・前回(93-22,23)の画像から既に窺えますが、この豫園商場はとにかく混雑が凄まじいのです。土曜の夕方という、私が訪れたタイミングが最悪だったのかもしれませんが…。一帯は小籠包が名物の、食べ歩きとショッピングが楽しいエリアのようなのですが、狭い路地の両側から高い建物が迫り、時には上からも覆い被さってくるような、あまりの空間の高密さと混雑ぶりに恐れをなして、何も食べることなくそそくさと逃げ出してきてしまいました。

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2017.08.25

93-23 湖心亭と九曲橋(中国・上海)

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豫園の入口前に広がる緑波池の中心には「湖心亭」(画面左側)があります。1855年にオープンしたという老舗茶館が入り、建物自体は220年の歴史を持つらしいです。そして湖心亭には九曲橋という、その名のとおりギザギザに折れ曲がった橋を渡ってアクセスします。中国庭園などによく見られるこのような橋には魔除けの意味があるとか…。それはともかく、いくつもある橋の「角」へと進む度に、それぞれ異なったアングルの緑波池や豫園商場の風景が楽しめるようになっています。

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2017.08.24

93-22 豫園商場と緑波池(中国・上海)

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上海には、豫園(よえん)という観光名所があります。明代に築かれた伝統的中国式庭園で、様々な楼閣や池、石山などが配置され、約2haとただでさえそれほど広くない園内が、壁によってさながら屋根のない部屋のようにいくつかに区切られ、それぞれに違った景色を持つといった様相を示しています。で、豫園については、個人的に満足度が低かったのでご紹介は省略させていただくとして(笑)、これからしばらくはその周辺の風景を取り上げていきたいと思います。

ここは豫園の入口の前にある「緑波池」を中心としたような「前庭」のような空間で、周囲をジブリ映画「千と千尋の神隠し」にでも出てきそうな建築群が取り囲んでいます。この地方の伝統的な建築様式を再現したらしい建物は4~5階程度とそれほど高層でもないはずなのですが、尖った屋根の先や吊り下がったランタン、壁の模様などがとにかくうるさく、密度感が凄まじいです。これらが「豫園商場」と呼ばれる無数の土産物屋が入居する一大ショッピング街で、豫園に隣接する「老城隍廟」という道教の寺院の門前町にふさわしい、レトロなムードと賑わいを見せています。

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2017.08.23

93-21 新天地内部の風景(中国・上海)

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新天地の北の街区(北里)の中心部を南北に貫くメイン・ストリート的な空間で、通りに面した飲食店が並木の下にテラス席を設けています。東京・自由が丘でいうと、南口の九品仏川緑道を思わせるような、華やいだ空間です。

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2017.08.22

93-20 新天地の噴水広場(中国・上海)

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新天地の中心に位置する、噴水(見えにくいですが…)のある広場です。

広場を取り囲む「石庫門」建築は…確かにヨーロッパ風ではあるのですが、具体的にどこの国や地域の建築様式かと聞かれると、どこの物にも似ていないような気がしますし、「ヨーロッパ」と聞いて連想するようなエレガントさに欠け、どちらかというと重苦しくて厳めしく、威圧感さえ覚えるような印象が何とも不思議で、エキゾティックなオリジナリティが感じられます。

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2017.08.21

93-19 新天地の小広場(中国・上海)

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狭い路地が張り巡らされた新天地内には所々にこうした小さな広場的な空間があり、飲食店のテラス席が設けられています。南ヨーロッパの都市の旧市街の風景のようでもありますし、日本で言えば東京・自由が丘の路地や小広場の感じも思い起こさせます。

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2017.08.20

93-18 新天地の裏路地(中国・上海)

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新天地の外周部の通りから、建物と建物の間の隙間の路地を覗いたショットです。路地という、本来狭く裏びれた地味な空間ですが、各ショップの入口も面しているので、看板等が景観に程よく華を添えています。前々回(93-16)触れましたが、「石庫門」という建築様式の特徴である「グレーとオレンジのレンガの色づかい」がおどろおどろしく、ミステリアスな雰囲気を醸し出しています。

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2017.08.19

93-17 新天地外周部(中国・上海)

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街路樹と西洋風の街灯が建ち並ぶ通りに面した、新天地の外周部に建つこの建物は、2階部分に通りに面したバルコニーを持ち、黒いアイアン・レース風の模様の扉や柵等が、何だか米国・ニューオーリンズのフレンチ・クォーターの街並みみたいだな、と思ったのですが…よく考えたら、上海とニューオーリンズは、ほぼ同緯度でした(日本だと、鹿児島あたりに相当します)。上海の冬の気候は、そこまで温暖でもないようですが。

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2017.08.18

93-16 興業路から見た新天地(中国・上海)

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新天地を構成する建築群の「石庫門」という様式には、「中国江南様式と欧風様式の折衷」、「石の門枠と高い壁」、「黒塗りで両開きの門と銅の取っ手」、「主にグレーとオレンジのレンガを使用」、「彫刻やペディメントなど西洋風の装飾」といった特徴が挙げられるようですが、新天地を南北2つの街区に分かつ「興業路」に面した北側(画面右手)の建物を見ると、その特徴がよくわかるように思います。

石庫門が建ち並ぶような人口密集地域はかつて革命家たちの隠れ家ともなったようで、実はこの建物は1921年に中国共産党の第一次全国代表大会が開かれたという、記念すべき場所です。新天地という、西洋文明と資本主義経済にどっぷり浸かったような商業施設の角地に、目を光らせるかのようにこんな建物が博物館として保存されているのを見ると、「そういえば、中国は一党独裁の社会主義国家だった…。」と急に現実に引き戻されたような気になり、緊張してきます。

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2017.08.17

93-15 新天地(中国・上海)

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南京路の南に並行する「准海路」は旧フランス租界で、かつてフランス人やロシア人が住んでいた洋館や赤レンガの欧風アパートが建ち並ぶ、街路樹の美しい通りです。そんなエリアの中でも、ここ「新天地」は、2000年に香港のディヴェロッパーによって開発された(杭州にも同じ会社が手がけた「西湖天地」があります。いずれご紹介できれば…)商業施設で、1920年代に建てられた「石庫門」と呼ばれる欧風集合アパートをそのまま利用し、ブランド・ショップやレストラン、カフェ・バー、ライヴ・ハウスなどに改装した、昔ながらの佇まいと現代のセンスとが融合する、上海らしい人気の観光スポットとなっています。

「石庫門」は伝統的に街区内に閉ざされた中庭を持ち、路地が張り巡らされているようですが、ここ新天地も「興業路」という通りを挟んだ南北2つのブロックがそれぞれ丸ごと再開発されているので、車を気にせず散策したり、ショッピングや飲食を楽しんだりできる空間となっています。

「新天地」については、これからしばらくご紹介を続けていく予定です。

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2017.08.16

93-14 静安寺(中国・上海)

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南京路の西端部に位置し、近代的な高層ビルやショッピング・モール等に囲まれて建つ「静安寺」は、1800年近い歴史を誇る名刹だそうで、金色の瓦で葺かれた屋根等、華やかな外観が特徴です。日本の寺はどちらかというと「修業の場」を連想させるような、モノトーンのストイックな印象ですが、この寺はありがたいご利益が得られそうだと、庶民にいかにもわかりやすそうな、派手な見た目をしていますね。

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2017.08.15

93-13 人民公園と上海城市規画展示館(中国)

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租界時代以来、競馬場だったこの場所は、賭博が禁止された中華人民共和国建国以後、北側が「人民公園」、南側が「人民広場」として整備されました。最寄りの地下鉄「人民広場」駅で上海の地下鉄の1号線(上海駅と上海南駅を結ぶ)と2号線が東西南北に交わっているので、ここがまさに上海の「ヘソ」だと言っていいと思います。そして南京路という都市軸上の中央部に位置するこの公園は、ニューヨークにおけるセントラル・パーク、東京における日比谷公園のような存在なのではないでしょうか。ガイド・ブックには特に見どころとして紹介されていなかったので、脇を通り過ぎただけで済ませてしまいましたが。

そして奥に建つ、どこか東京ビッグサイトを思わせる膜状構造の大屋根が気になる巨大建築は「上海城市規画展示館(上海都市計画展示館)」です。ここでは上海の都市計画と発展に関する展示が行われているそうで…こんなサイトを主宰しているくらいの人間だったら絶対入っておくべき施設だったんですが…先を急いでしまっていて気づきませんでした。不覚です。

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2017.08.14

93-12 南京路歩行街を走る「観光車」(中国・上海)

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かつて上海には、イギリス系、フランス系、中国系の3社が経営する路面電車があったそうなのですが、上海のメイン・ストリート・南京路歩行街には、その路面電車を模したというこの観光用電動カートが頻繁に行き交っています。人の背丈とほとんど変わらないほどちっぽけで、何かに衝突したらひとたまりもなく壊れてしまいそうな程薄っぺらく見えるその外観が、古臭く垢抜けない街路景観にはよく似合っているように思います(決して悪い意味でもなく)。

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2017.08.13

93-11 南京路歩行街(中国・上海)

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南京路は、外灘を起点に西側へ、静安寺付近まで約5kmに渡って延びる通りで、1851年に開発が始まったという上海で最も古い繁華街です。そのうち、「南京東路」駅付近から人民広場までの約1.2kmが歩行街(歩行者天国)になっています。この通りに沿って走る地下鉄の2号線(東は浦東地区や浦東国際空港へ、西は虹橋国際空港や高速鉄道の上海虹橋駅に通じる)が「上海軌道交通」全体の中でも屈指のドル箱路線ということから、この通りが上海にとって最も重要な都市軸であることがわかるかと思います。

沿道の建物は古い西洋式建築が多く、昔ながらのデパートや、クラシック・ホテル、老舗のレストラン、土産物屋等が多いようです。また、通りは昼夜を問わず多くの人で賑わっていますが、どちらかというと地方からの観光客が多いようで、客引き等も目立ちます。上海市民には「准海中路」等、もっと現代的でファッショナブルな他のエリアの方が人気なのでしょうか。

東京やニューヨークに匹敵する人口を持つ世界的な大都市随一の繁華街にしてはちょっとスケールが小さく、経済的な発展ぶりに比べると古臭くて垢抜けないな、と感じたのにはそんな背景があるわけで、一昔前の中国っぽさが感じられるレトロなショッピング・ストリートです。

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2017.08.12

93-10 中山東一路と外灘の夜景(中国・上海)

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遊歩道から通り沿いに下りて、地上レヴェルで撮ったアングルです。外灘に沿ったこの中山東一路は比較的歩道が広く、人通りは遊歩道上より少なく、花壇等も設置されてゆったりとした雰囲気です。柔らかい灯りの中、建物の傍を歩くと、外壁のテクスチュア(素材感)等も感じられ、より優雅な散策が楽しめます。

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2017.08.11

93-9 遊歩道上から見た外灘の夜景・その2(中国・上海)

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地上レヴェルより一段高い位置にある遊歩道上から、外灘の街並みを見下ろすようなアングルで撮った夜景です。西洋風の建築群が構造や窓の形、細かい装飾等を際立たせるかのようにライト・アップされているのが印象的です。

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2017.08.10

93-8 遊歩道上から見た外灘の夜景・その1(中国・上海)

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上海の顔である外灘の街並みは古い石造りの建築群で、公益施設や金融機関として利用されているためか看板類も少なく、昼間はどちらかというとくすんだ地味な風景に見えます。それが夜になるとこのように華やかにライト・アップされるので、外灘の風景を楽しむなら断然夜がおすすめです。この中では画面中央の時計台を持つ建築が目を引き、その左隣の建築は宮殿のように見えますね。

一方、反対側にはまったく対照的な趣の浦東地区の夜景(93-4,5)が見えます。川を挟んで上海の過去と未来の姿を同時に楽しめる遊歩道上は、観光客で溢れかえっています。

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2017.08.09

93-7 遊歩道上から見た外灘の風景(中国・上海)

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これまで6回にわたり、黄浦江東側(浦東エリア)の風景を取り上げてきましたが、本日からはいよいよ川の西側の風景をご紹介していきます。撮影地点はこれまでと同じく、川に沿った堤防上に設けられたデッキ状の遊歩道の上ですが、レンズを川の対岸ではなく、反対側に向けています。

黄浦江の西岸一帯を指す「外灘(わいたん)」は、租界時代に建てられた美しい西洋建築群が今も残り、浦東地区が脚光を浴びるようになった現在でも、上海で最も有名な観光スポットの一つと言ってよいでしょう。19世紀末まで川沿いの小都市に過ぎなかった上海は、1842年、英国が強引に締結した南京条約によって開港させられて以降、欧米列強や日本による租界地が次々に生まれることとなりました。その当時の黄浦江は物流と旅客輸送の大動脈であり、その川に面して各国の企業が競うように立派な建物を建設し、その栄華を誇示しました。それらは1930年代に流行したネオ・バロックやアール・デコなどを折衷したユニークなデザインが特徴、なのだそうです。中華人民共和国建国後、上海市政府はそれらを接収し、内部を改装して公共機関として利用してきましたが、現在もその多くが市政府の施設や金融機関として使われているようです。

上海の都市としての発展の時期や経緯は、日本における横浜の位置づけとよく似ているなぁ…と思ったら、横浜市は上海市にとって最初に友好都市関係を提携した相手だったようです。外灘の風景は横浜の都心部に点在する近代洋風建築を、川に沿ってずらりと一列に並べたかに見えます。

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2017.08.08

93-6 外灘観光隧道(中国・上海)

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外灘観光隧道は、その名のとおり観光用に建設された、黄浦江の下を通って外灘と浦東とを結ぶトンネルで、無人運転のトロッコに乗って移動する仕組みになっています。画像は、観葉植物に囲まれスポットライトで照らされた外灘側の発着場で、トロッコはご覧のとおりメタリックに輝く丸みを帯びた近未来的なデザインです。トンネル内は上海の過去と未来を象徴するような両地区を結ぶタイム・トンネルをイメージさせるかのように、トロッコが進むにつれて次々と変化していく派手なイルミネーションで輝いています。テーマパークのアトラクションのようなものを期待しているとちょっとチープに感じられますが、黄浦江両岸を直接つなぐ実用的な交通手段としての側面もあるわけで、その付加価値と考えれば、ありなのかもしれません。運賃(料金)は2017年4月現在片道50元(日本円にして1,000円弱)、所要時間は5分程度です。ちなみに、中国は交通費が安く、ほぼ同じ区間を地下鉄で移動すれば、わずか数十円で済みます。

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2017.08.07

93-5 外灘の遊歩道から見た浦東の夜景(中国・上海)

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前回(93-4)の画像の画角をさらに広げて、上海で最も高い「上海中心」も入れたものです。

外灘から見た浦東の高層ビル群の、特に夜景は、ラスヴェガスマカオのように集客が必要なカジノの街でもないのに、とにかくおとぎの国の都のようにきらびやかです。日本の都市の夜景のようにネオン・サインがそれほど目立つわけでもないのに、光の色どりも豊かで華やかで、まるで中国全土から上海に観光にやってくる人民に自国の発展ぶりを見せつけるための巨大な舞台装置のようにすら感じられます。

ところで私は、「上海中心」のくねくねと歪んだようなフォルムがあまり好きになれません。コンピュータ技術が発達して、設計や施工の技術が進むと、このような建築が増えてくるのかもしれないですし、時代の流行というか、気分もあるのでしょうが、都市のスカイラインは規則性のある幾何学形態のビルが並んでいる方が美しいと感じてしまう私は、保守的なのでしょうか?

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2017.08.06

93-4 黄浦江と浦東の夜景(中国・上海)

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外灘地区にある黄浦江に沿った遊歩道の上から、対岸の浦東地区の夜景を撮った画像です。

浦東地区の高層ビル群の高さは、画面右端に建つ「上海環球金融中心」より、更に右側にある「上海中心」を頂点として、北(左側)に向かって段々下がっていくように計画されているようです。そしてその下がりきった位置にひと際高い「東方明珠塔」が突き出しています。球形を多用したけん玉のような、あるいはロケットを思わせるそのフォルムはかわいらしくて個性的で、上海のシンボルとして内外から愛されているように感じられます。それに比べて、東京のランドマークたる東京スカイツリーは何であんなつまらなく、不格好な形になってしまったんだろう…と私は常に残念に感じていて、あれを東京のアイコンだとは絶対に認めたくないと思っています。昨年(2016年)のリオデジャネイロ五輪閉会式のフラッグ・ハンドオーヴァー・セレモニーでは、なぜか実物以上に魅力的に表現されていたように感じられましたが…。

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2017.08.05

93-3 「上海中心」から見た夜景(中国)

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前々回(93-1)の記事で触れた「上海中心」の展望フロア「上海之嶺」(ネーミングの発想がプリンスホテルと同じ…)からの眺めです。上海のランドマークである「東方明珠塔」のある手前側が浦東地区で、黄浦江を挟んで対岸が、旧来からの上海の中心地です。特に川に面してライト・アップされたクラシカルな建築群が建ち並んでいるのが「外灘(わいたん)」地区で、上海の都市構造というか、浦東と外灘という2大観光エリアの位置関係がよくわかるショットになっていると思います。

ちなみに、近く(直下)の視界は開けていても、遠くの景色は大気汚染で霞んでいてよく見えないのが、上海の上空からの眺めのようです。

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2017.08.04

93-2 浦東の高層ビル群(中国・上海)

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なんでも、上海には30階建て以上の高層ビルの数が東京都の6倍もあるとの事で…それらのほとんどはここ浦東エリアにあるのでしょう。なので、この辺りを歩いていると、どこを向いてもこのように高いビルが並び立っているのが見えます。それぞれがそれなりに高く、それなりに個性を主張したデザインだと思うのですが、前回(93-1)ご紹介した、観光客向けの施設を有する上海の「トップ3」の高さとインパクトの前では、その他大勢といった扱いで存在感が霞んでしまっています…。

ところで、大阪の「あべのハルカス」をはじめとする日本の超高層ビルの高さは、世界トップ20はおろか、アジアトップ20の中にも一つも入っていないのだそうです。そもそも日本は地震国ですし、どんなに世界一の高さの物を建てたところでいつかは抜かれる運命にあるのですから、高さ競争に加わるのは無意味だし、先進国的な発想ではないと思うので、別に悔しくもないですが。

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2017.08.03

93-1 浦東の空(中国・上海)

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上海は、「黄浦江」という曲がりくねった川の西側から開けた街です。その川の東岸にあたるここ「浦東地区」は、改革開放政策以前は発展から取り残された農村地域だったそうですが、1990年代以降に急激な開発が進み、現在では高層ビルが林立する世界有数のオフィス街へと変貌を遂げ、中国の近未来の希望を象徴するようなエリアとなっています。

私にしては珍しいアングルのこの画像は、浦東地区に建つ「上海中心」(上海タワー)の展望フロア「上海之嶺」の入場券を買うべく行列に並んでいる時、ふと見上げた空でこのような「上海3大超高層ビルの競演」を目にし、思わず撮ってしまった、というものです。ちなみに、互いに近接するこの3つのビルにはそれぞれ観光客向けに展望フロアが設けられているという共通点があります(というか、2017年4月現在「上海中心」は、まだ展望フロアしか開業していないようです)。

まず、左のビルは高さ420.5mの「金茂大厦」(ジンマオタワー)です。上へ行くほど細く、階高が低くなっているように見せて遠近感を強調したそのフォルムは、中国でよく見られる伝統的な仏塔のようなデザインで、オリエンタルな印象です。

それとは対照的に、シャープで現代的なスタイルの中央のビルは、高さ492mの「上海環球金融中心」(上海ワールド・フィナンシャル・センター)です。日本の森ビルによって開発されたこのビルには、風によるビルへの加重を軽減するため、栓抜きのように上部に穴が開いています。当初この穴は中国庭園の壁にくり抜かれた門を象ったという円形のデザインだったはずですが、日の丸を連想させるという批判が起きてこのような形になったのだそうです。森ビルがこれまで東京で手掛けてきたプロジェクト(※)のように正式名称が「上海ヒルズ」になる予定だったのも、東京の二番煎じのような印象を持たれてしまったのか、却下となったようです。穴は円形だった方がユニークでかっこよかったし、地形の平坦な上海に「ヒルズ」なんて、なかなか洒落がきいてると思うのですが、反日ナショナリズムの方が優先されてしまったのでしょうか。

そして、右側に建つ、身をよじらせているような形のビルが、2016年に完成したばかりの、現在中国で1番、世界でもドバイの「ブルジュ・ハリファ」に次いで2番目という632mの高さを誇る「上海中心」です。近い内に、このビルの展望台から見た眺めについてはご紹介する予定です。

北京の大気汚染のニュース映像などを見ていて、中国には私がこよなく愛する「青空」なんか存在しないんじゃないかと、訪れる前からずっと気になっていたのですが、ここ上海では、それほど澄んではいないながらも空はそこそこ青かったですし、マカオへ行った時のように喉が痛くなることもなく、用意していったPM2.5対応のマスクも使う必要がありませんでした。まあ、季節や曜日(工場等が稼働しない分、空気がきれいかな、と考え週末に訪れたので…)にもよるのかもしれませんが。

 

※関連バックナンバー
13-1
 「アークヒルズ・カラヤン広場」13-2 「六本木ヒルズアリーナ」

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2017.08.01

アーバン・ツアーズ 2017夏の祭典SP 上海の風景

みなさま、こんにちは。開設12年目となる当サイトもついにこの度、今や日本を抜いて世界第2位の経済大国にのし上がった中華人民共和国本土への進出を果たすことができました!

今回取り上げるのは、中国最大、かつ経済的に最も発展している都市「上海」です。東京からは飛行機で約3時間と、実は日本国内である石垣島よりも近い距離にあり、同じく九州・長崎や沖縄・那覇からは東京よりも近く、大阪や神戸からは船の定期便も就航し、都市別の在留邦人数でもトップ・クラスにランクする等、日本人にとって最も身近な海外の街の一つと言える上海の風景を、まず第一弾としてこの夏ご紹介していきます。シリーズは8月3日(木)スタート予定です。

なお、中国本土では日本と異なる「簡体字」と呼ばれる漢字を採用しています。今回のシリーズでは現地の固有名詞等について、必要に応じ日本の漢字で表記したり、日本語に意訳したりといった対応を行う可能性がありますが、ご了承ください。

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