95-6 武蔵小杉のタワー・マンション群(川崎市)
以前の姿を知る者からすれば、武蔵小杉という街の近年の変貌ぶりには信じられないものがあります。元々JR南武線との乗り換え駅であった武蔵小杉は、渋谷と横浜を結び、中目黒、自由が丘、田園調布…といった華やかな商業地や高級住宅街を沿線に持つ東急東横線の中では地味な存在でした。
そんな駅に2000年、都内の地下鉄2路線と相互直通運転を行う東急目黒線が新たに乗り入れました。続いて2010年、近くを走っていたJR横須賀線にも駅が開設されることとなりました。同時に「湘南新宿ライン」が乗り入れ、東京、品川、新宿、池袋といった都内のターミナル駅や、関東地方の主要な都市のほとんど、さらに成田国際空港へも直通で行けるようになりました。2013年には、東急東横線が東京メトロ副都心線・西武池袋線・東武東上線との相互直通運転を開始しています。このような鉄道利便性向上の動きは今後も続き、数年以内には相模鉄道も乗り入れ、東海道新幹線新横浜駅や神奈川県央地域へのアクセスも改善する予定です。(余談ですが、これに加えて川崎市営地下鉄の乗り入れ計画も存在しました。中止にはなりましたが、もし実現していたらこの街はいったいどうなっていたでしょうか?)
この動きと並行して、2000年代後半から駅周辺に広がっていた広大な工場や企業の運動場の敷地が再開発されて複数の大手ディヴェロッパーによる10棟以上もの超高層マンション群が次々と建設されています。それにともないおしゃれな商業施設も続々とオープンしました。全国的な傾向とは逆に人口は急増、地価は上昇し、マスコミで取り上げられる機会も増え、各種アンケート調査による首都圏で住みたい街の上位にもランキングされるようになるなど、何かとイメージの悪い川崎市にある街とは思えないほどの、ドバイのようなバブル状態を謳歌しています。なんでも、駅のキャパシティが乗降客数の急激な増加に追いつかず、朝ラッシュ時には改札に入るための行列に並ぶ必要があるという事態も発生しているとか…。
今回掲載した画像は、子供のための遊び場が整備されたあるショッピング・モールの屋上庭園から撮影したものです。ベビー・カーを押したたくさんの若い母親たちで賑わう光景を見ていると、日本の「少子化」って本当か?と思ってしまいます。画面に映っている数の3倍以上ものタワー・マンション群が密集している武蔵小杉のスカイラインは、遠くから見るとさながら「都心」です。超高層建築の谷間にあたる地上レヴェルでこの街の風景を撮ろうとするとどうしても日影になってしまうので、このような日当たりのよいビュー・スポットができたのはよいことだと思います。
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