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2019年7月

2019.07.30

99-8 キャンベラ・センター(オーストラリア首都特別地域)

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キャンベラ市街の中央を東西に横たわるバーリー・グリフィン湖の南側の地区は、これまでご紹介してきたとおり、広大な緑の中に行政機関やミュージアム、各国の大使館等が点在する、極めて低密で牧歌的という特殊な「都市空間」でありますが、それに対してその北側の地区は商業地域もある「普通の街」という印象です。建物の高さ・密度に対して街路の幅もちょうどよく、人口40万人弱という規模の都市にふさわしいそれなりの賑わいもあり、シドニーのあまりの人の多さには辟易した私が勝手に抱いていた「オーストラリアらしいのどかな都市」というイメージに近い感じでした。

そんなキャンベラの商業地区内の数ブロックに跨って建つ大きなショッピング・モールがこの「キャンベラ・センター」です。大通りから施設の入口へのこのアプローチを見てもゆったりと建てられているのがわかりますが、逆にこの空間を建物の中から見ると、外には草原(実際には大通りの中央分離帯だったようです)が広がり、その先の真正面にキャンベラの重要なランドマークとなっているエインズリー山が聳えていて、都市の中心でありながら郊外にいるような開放感が味わえます。

 

これまで7~8回にわたってキャンベラを取り上げてきましたが…テキストを読めば私があまりこの街のことを好きになれなかったのがわかってしまいますね。曇り空だったのも印象が悪かった理由の一つかもしれません。次回以降はここから600km以上移動して、メルボルンの風景を取り上げていく予定です。そこでは目の覚めるような青空が待っているはず!

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2019.07.29

99-7 首都展示館のカフェからの眺め(オーストラリア・キャンベラ)

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「首都展示館」はここ数日取り上げてきたバーリー・グリフィン湖の畔に建つ博物館で、キャンベラの都市計画について視覚的にわかりやすく説明されています。中国で「上海城市規画展示館」にはうっかり行きそびれてしまった私ですが、ここはしっかりチェックしてきました。館内の展示によるとどうやら、東京をはじめとする世界中の大都市の過密問題を反省材料として、このキャンベラは「適切な」人口密度となるように計画されたそうで…私がさんざん「寂しい」と感じてきたこの街の密度感はどうやら計画者にとっては計算通りのものだったようです。うーん…。

そんな「首都展示館」にカフェが併設されていることを知り、ちょっと一休みしようとこのウッド・デッキのテラスに出てそこからバーリー・グリフィン湖を見た時、私はやっと初めてこの湖の風景を魅力的だと感じることができました。客の姿こそまばらでしたが、テーブルと椅子が並んで賑わいをイメージさせるテラス越しに湖を眺めることで、だだっ広い風景の寂しさが少し中和されたような気がしたのです。

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2019.07.28

99-6 バーリー・グリフィン湖 その2(オーストラリア・キャンベラ)

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前回(99-5)に引き続き、バーリー・グリフィン湖です。

この湖は東西に細長く、川を堰き止めて造られた名残をとどめています。対岸にあたる南側には、画面右端に見える国立図書館の他、連邦高等裁判所、国立美術館、クエスタコン(自然科学館)等、首都にふさわしく国の施設が多数立地しているのですが、広大な緑の中に点々と、そして高さを抑えて建てられているのでとても低密な印象です。この風景は一国の首都の中心というよりは、田舎町の外れの河原のように寂しく感じられます。それぞれの建物の外観も面白味がないですし…。

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2019.07.27

99-5 バーリー・グリフィン湖 その1(オーストラリア・キャンベラ)

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キャンベラの中心に横たわる、川を堰き止めて造られた人工湖で、キャンベラのシンボル的な空間です。湖の名はこの街の都市計画を策定した張本人である米国の建築家ウォルター・バーリー・グリフィンに由来しています。湖の中には噴水が設けられるなど、周囲は景観的に美しく整備され、地元の人々の憩いの場としてサイクリングやクルーズ等のレジャーが楽しめるようになっています。

…が、平日の昼間ということを考慮しても、一帯はあまりにも閑散としていて、曇り空の下では広大な緑一色の空間がとても寒々しく感じられてしまいました。

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2019.07.26

99-4 コモンウェルス・アヴェニュー沿いのホテル(オーストラリア・キャンベラ)

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キャンベラ市街の南側にある国会議事堂(99-2参照)を中心とした行政地区「キャピタル・ヒル」と、北側にある商業地区「シティ・ヒル」を直線的に結んでいる大通りがこの「コモンウェルス・アヴェニュー」で、キャンベラの重要な都市軸の一つとなっています。

コモンウェルス・アヴェニューは、樹木と芝生に囲まれた広大な公園のような緑一色の環境を車が猛スピードで行き交い、一方並木が整備された歩道は誰も歩いていないという光景で、周囲に特に見るべきものもないこの道をひたすら真っ直ぐ歩き続けるというのは、一種の苦行のように感じられました。

そんな中で見つけた沿道のこのホテルは、赤瓦の屋根に白壁のお屋敷のような小ぢんまりとした低層の建物で、何だかとても親しみやすく感じられて心が和みました。全世界にチェーン展開しているこのホテルはキャンベラ唯一の5つ星ホテルらしいので、お値段的にはあまり親しみやすくないようですが…。

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2019.07.25

99-3 フェデレーション・モール(オーストラリア・キャンベラ)

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前回(99-2)触れたとおり、オーストラリアの首都・キャンベラの都市計画は国会議事堂を中心とした放射状の街路網で構成され、その周辺は完全にシンメトリー(左右対称)な空間に造られています。この画像は国会議事堂の正面を背にして撮ったものです。ここから数百m坂を下った先に白いクラシカルな建物が見えていますが、これは192788年の間使われていた旧国会議事堂で、現在は「オーストラリア民主主義博物館」となっています。この間の幅の広い緑地帯が「フェデレーション・モール」で、米国ワシントンDCにおける「ナショナル・モール」のような、キャンベラのシンボル的な都市軸の一つとなっています。

この軸はさらに先へと続いていて、(距離感と高低差が把握しづらいかもしれませんが)建物の裏に横たわるバーリー・グリフィン湖を越えてまた坂を上り、赤茶色に舗装された歩行者空間「アンザック・パレード」につながっています。そしてその突き当りにはエキゾティックな外観の「オーストラリア戦争博物館」が配置され、その延長線上にエインズリー山の頂がぶつかる…という数kmに及ぶ壮大な空間が整備されています。

ナショナル・モールのような…とは言いましたが、ここにはその両側にスミソニアン博物館群のようなアトラクションがあるわけでもなく、ただひたすらだだっ広く、人影のない寂しい場所です。キャンベラの都市づくりは、広い国土を持て余した挙句、単に地図上で見映えのするように幾何学形態の街路網をお絵描きしてみただけのようにさえ思えてしまいます。

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2019.07.24

99-2 国会議事堂(オーストラリア・キャンベラ)

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オーストラリアという大国の行政の中心地の、さらにその中心にやってきました。キャンベラという都市は放射状と同心円状の街路網で構成され、この国会議事堂はまさにその中心に位置しているので、物理的な意味でも。一般的には国会議事堂の所在地がその国の首都とされていますから、この「施設」があるからこそキャンベラはオーストラリアの首都でいられるという訳です。そして原野に政策的に造られたこの街から首都機能を取ってしまったら、残るものは何もありません。

建国200周年にあたる1988年に落成したこの建築は、広い面積の割に高さはわずか2層と極めて平たくできていて、高さ81mの国旗掲揚塔がなければさらに平べったく見えてしまうことでしょう。正面の表情も平面的で、どこまでもシンメトリー(左右対称)にできている建物とその前庭の空間を真正面から撮ってしまうとあまりにも面白味がないので、あえて斜めからの画像を載せてみました。

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2019.07.22

99-1 ジョージ湖(オーストラリア・ニューサウスウェールズ州)

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キャンベラをご紹介する前に、そこへ向かう途中のバスの車窓から見た風景を取り上げたいと思います。

シドニーからキャンベラまでは、高速道路を時速110kmで飛ばしてもノン・ストップで3時間半かかる道のりです。そもそもキャンベラは、シドニーとメルボルンという2大都市によるオーストラリアの首都の座を巡る争いの妥協の産物として、その間に建設されたどこの州にも属さない「首都特別地域」にある都市ですが(米国におけるワシントンDCのような位置づけですね)、場所の選定にあたっては当初から「シドニーから100マイル(約160km)以上離れていること」という条件が課せられていたそうで、遠く感じるのも当然です。国内最大都市と首都を結ぶルートではありますが、日本の東海道メガロポリスのように大小の都市が連なり、市街地が切れ目なくつながっているというわけではなく、どこまでも山林と草原が続く退屈な沿道風景です。都会からのアクセスが不便な何もないド田舎にわざわざ新しく首都を造らなくても…と思いましたが、オーストラリアは広い国土を持て余して地図上の空白を○(都市の印)で埋めたかったのかもしれない、と理解することにしました。

前置きはともかく、その車窓風景の中で最も印象に残ったのが、もうすぐキャンベラに到着、という頃に現れたこの風景です。それは道路に沿ってひたすら真っ平らな草原がどこまでも広がり、その遥か先には小高い丘の上に風力発電の風車がいくつも立ち並んでいる…という大陸的なものでした。ところが、この「ひたすら真っ平らな草原」を帰国後に地図で確認してみると、そこが15km×8km程にわたって水色に塗られた「ジョージ湖」という湖だったという驚愕の事実がわかりました! どうやら1970年代頃までは最大で7mの水深を持つ(ずいぶん浅いですね)湖だったのが今ではすっかり水が干上がってしまった、ということのようです。

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2019.07.19

アーバン・ツアーズ 2019夏の祭典SP オーストラリアの風景(後編)

みなさま、こんにちは。

当サイトでは今年の春、「オーストラリアの風景(前編)」でシドニーの風景をお届けしてきましたが、今回はその続編として、連邦政府の首都となるべく新しく計画的に設計された都市・キャンベラと、シドニーに次ぐオーストラリア第2の大都市で、「エコノミスト」誌による「世界で最も暮らしやすい都市」調査ランキング第1位の常連となっているメルボルンの風景をお送りしていこうと思います。メルボルンはキャンベラの前に臨時首都だった時期もあるので、今回のシリーズは図らずもオーストラリア新旧の首都の競演となります。

シリーズは7月22日(月)スタートです。ご期待ください!

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