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2020年7月

2020.07.30

102-9 富士芝桜まつり(山梨県・富士本栖湖リゾート)

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「芝桜」と言えば、以前こんな画像を掲載させていただきましたが、毎年4月中旬~5月下旬に開催されるこの「富士芝桜まつり」では、池を中心とした会場に首都圏最大という約80万株の芝桜が咲き乱れ、何といってもその名のとおり背景に富士山が見える雄大な風景が売りのようです。私が訪れた時は残念ながら雲に隠れて、本来あるはずの方角にその姿はありませんでしたが。

(ちなみに、今回から4回にわたって、富士山を近くに望める絶景スポットをご紹介する予定ですが、私の行いが悪いせいかいずれも富士山が映っていません…。当サイトで唯一富士山を拝める画像はこちらです…。)

ところで、このイヴェントが開催されている「富士本栖湖(もとすこ)リゾート」という名の施設ですが、会場内すべてが芝桜で埋め尽くされていて、他のアトラクションがあるようには見えませんでした。つまり、「富士本栖湖リゾート」=「富士芝桜まつり」の会場、という訳で、その1カ月強の開催期間以外は稼働していないという不思議な施設のようです。ざっと調べた限りでは、かつてここは「本栖ハイランド」という名称の有料オフロード競技場で、4輪、2輪オフロードの走行をメインにキャンプ場、イヴェント会場として幅広く利用されていた…ようです。

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2020.07.29

102-8 甲州夢小路(山梨県甲府市)

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前回(102-7)に引き続き、甲府駅北口の風景をご紹介いたします(画面左側に見えているのが前回触れた「甲府市歴史公園」です)。今回お話しするのは、画像右側の「甲州夢小路」についてです。JR中央本線で移動していた時に車窓から見かけた、線路際のテーマパークを思わせる風景に惹かれたのがここを訪れたきっかけでした。

2013年にオープンしたこの「甲州夢小路」は、約3,200㎡の敷地内15棟の建物に、美術館やミュージアム、県産食材を使った飲食店、県産品を販売する店舗等約20のテナントが入居する、小ぢんまりとした商業施設で、地元民間事業者により運営管理されています。空間的には画像からも窺えるように、移築した古民家や、蔵造りや前回の記事で取り上げた擬洋風建築「藤村式建築」等が建ち並び、明治~昭和初期にかけての甲府城下町の街並みが再現されています。中でも、近隣にかつて存在し明治初期まで200年以上にわたり住民に時刻を知らせていた「時の鐘」(画像中央)が施設のシンボル的存在として復元されています。また敷地内には水路や石畳が配され、レトロな雰囲気の路地を歩く楽しさが味わえるようになっています。甲府の市街地にはあまり観光を楽しめる場所がなさそうなので、このような洒落たスポットが誕生したことはよかったのではないかと思います。

余談ですが、画像奥にわずかに顔を出しているガスタンクの迷彩柄や色づかいが今風でかっこよく、周囲の景観にも配慮されているなと思います。これはどうやら県内在住の美術家の方が手掛けられたもののようです。

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2020.07.28

102-7 甲府駅北口の風景(山梨県)

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山梨県の中心、甲府駅の北口では、かつて機関区であった東西に細長い線路沿いの土地が再開発され、平成1922年にかけて地方合同庁舎、消防署、自転車駐車場、NHK放送局、駅前広場、図書館、歴史公園(甲府城の門と石垣を当時の工法で復元)…等、様々な公共公益施設がオープンしました。画像はそんな駅北口周辺の風景です。

まず、手前に広がるオープン・スペースですが、これは駅前広場と一体的に整備された約5,000㎡の「よっちゃばれ広場」です。「よっちゃばれ」とは「寄っておいで」「集まれ」などを意味する甲州弁で、多くのイヴェントが開催されています。

その広場の一角に配置されている洋館風の建物は「甲府市藤村記念館」です。全国に「藤村記念館」と名づけられた施設は少なくとも3つあるようで、その内岐阜県中津川市の馬籠宿と、長野県小諸市にあるものは詩人・小説家である島崎藤村(とうそん)に関連するものですが、こちらは明治時代の山梨県令・藤村(ふじむら)紫朗の功績を讃えたものです。彼は県内において擬洋風建築(西洋建築に似せて建てられた建築物)の建設を推進し、その数は100件以上にのぼったと言われています。これらは「藤村式建築」と呼ばれていますが、個人名が付いた建築様式というものは他に例を見ないのだそうです。その代表作とされ、国の重要文化財にも指定されているこの建物は、明治時代初期に「旧睦沢(むつざわ)学校校舎」として建てられたもので、1966年に武田信玄を祀る甲府市内の武田神社境内に移築され歴史や民俗の教育資料館として利用されてきた後、甲府駅前の再開発に合わせてここへ再移築され、平成22年より市民や観光客の交流施設として一般公開されています。

そしてその奥に建つのが、山梨日日新聞、山梨放送等、県内のマスメディア関連企業から構成される山日YBSグループ各社が入居し、拠点としている「山梨文化会館」です。世界的建築家の丹下健三氏が設計し1966年に竣工したこの建築は、自身が代表作の1つとして挙げているほどの作品として国内外に知られています。外観は建ち並ぶ直径5m・計16本の円柱が印象的ですが、その内部はエレベーターや、螺旋階段、トイレ、空調設備といった、建築用語でいうところの「コア」として機能しています。構造的にはこの円柱と梁で地上8階・地下2階のビルを支えている点が最大の特徴で、フロアを仕切る壁などを配置する必要がないため、4階に「空中庭園」を設けるなど空間デザインの自由度が高く、円柱や梁などを追加することで増改築も容易となっています。実際1974年には5~8階部分の増築を行い、延床面積を3,000㎡ほど拡張しています。

情報量が多い記事になってしまいましたが、このように甲府駅北口は、中世・近世の城郭、明治期の洋館、戦後のモダニズム建築、平成に建てられた公益施設群、さらに次回取り上げる予定の商業施設「甲州夢小路」も含め、各時代の個性的な建物をコレクションして整然と展示した「屋外建築博物館」のような様相を呈しており、興味深いです。

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2020.07.26

102-6 雲場池の紅葉(長野県軽井沢町)

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軽井沢の市街地(「住宅街」というよりは「別荘街」ですが)内に位置する「雲場池」は、大正時代この周囲一帯を別荘地として開発した貿易商が、近隣の湧水を源とする小川を堰き止めて造った人造湖です。

池畔に約1kmの遊歩道が廻らされるなど周囲は「園地として整備され」、一帯は風致地区(ふうちちく・都市計画法において、都市内外の自然美を維持保存するために創設された制度)に指定されています。春は水面に映る新緑が、秋は紅葉が美しい、軽井沢の「観光名所」の一つとなっているようです…。

…と、このような表現でご紹介してしまうとちょっと大げさというか、ニュアンスが違うなと感じてしまいます。池とその周りは公園のように人工的に造り込まれているわけでもなく、木々と池以外は目立たない、自然を感じる風景です。多くの観光客が押し寄せるわけでも、そうした人々目当ての土産物屋が建ち並ぶわけでもありません。別荘で過ごす人々が日々の散策がてら立ち寄れるような範囲に、気軽に自然を感じることができる場所があるというさりげなさが、軽井沢らしくて魅力的だなと思います。

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2020.07.25

102-5 海野宿の町並み(長野県東御市)

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「海野宿(うんのじゅく)」は1625年に、中山道と北陸道を結ぶ北国(ほっこく)街道の宿駅として開設され、明治に入り宿場機能が失われてからは養蚕の村として発展しました。延長約650mの通りの両側には約100棟の家が連なり、伝統的な家並みが現在まで保存されていることから昭和61年に「日本の道百選」に、62年には「重要伝統的建造物群保存地区」に選定されています。建築的には「うだつ」や「海野格子」と呼ばれる長短2本ずつが交互に組み込まれた格子窓等が特徴的なようです。そして幅員約10mの通りのなぜか片側にだけ用水堰が流れ、並木等の植栽も整備されているのがいい感じです。

こんなに魅力的な町並みがあるのにそれほど有名でもなく、人気の観光地である軽井沢からも近いのにあまり賑わっていません。そのため歴史的な雰囲気を落ち着いて堪能することができます。かつてはJRの幹線だった「しなの鉄道」の駅から徒歩圏で、国道や高速道路からのアクセスもよいので、穴場と言えるのではないでしょうか。

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2020.07.24

102-4 「スズメヲウツノニタイホーヲモチダス」(長野県・美ヶ原高原美術館)

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タイトルのカタカナの羅列に戸惑われたかもしれませんが、彫刻作品の名前です。

まず、ここ「美ヶ原(うつくしがはら)高原美術館」ですが、長野県中央部の八ヶ岳中信高原国定公園内に、1981年、箱根彫刻の森美術館の姉妹館として開館しました。つまり、フジサンケイグループの美術館なので、フジテレビ等ではよくコマーシャル・フィルムが流れており、「アモーレの鐘」で有名です。標高約2,000mの山の斜面に広がる4万坪の草原の屋外展示場にはおよそ350の現代彫刻が常設展示されており、ユニークでスケールの大きい野外彫刻美術館となっています。

ここへ辿り着くまでには、急な坂道をどこまでも果てしなく延々と登らされる、という感覚を抱きます。そして、おそらく私が今までの人生で訪れた中で最も海抜が高い地点からの眺めは、ほとんど空を飛ぶ飛行機の窓から見た景色のようなもので、下界までの距離がほんとうに遠くに感じられます。

美術館の敷地内でも特に眺めのよい場所に展示されているのがこの作品で、澄み切った青い空をバックに鮮やかな朱色がよく映えています。崖の上に築かれた城や砦の跡に設置された大砲のようだな、と思っていたら、まさしくその印象通りのタイトルでした。これは、スイスを代表する彫刻家の一人であるベルンハルト・ルジンブールによる、1970年の大阪万博に出品されたものなのだそうです。

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2020.07.23

102-3 信濃大町駅(長野県)

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長野県松本市と新潟県糸魚川市を結ぶJR大糸線の駅で、東京・新宿への直通特急「あずさ」を含む全列車が停車し、普通列車のほとんどが当駅を始終着とするという、沿線の要衝となる駅です。そして、様々なのりものを乗り継いで飛騨山脈や立山連峰を貫き、黒部ダムなどいくつもの景勝地を通って富山市へと至る大規模山岳観光ルート「立山黒部アルペンルート」の起点ともなっています。

屋根瓦の赤茶色が重苦しかったり、屋根の形状が妙に複雑だったりして、この駅舎には仰々しい印象を受けたのですが、これは山岳都市をイメージして2010年に「山小屋風」に改装した結果なのだそうです。

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2020.07.21

102-2 富山県美術館・オノマトペの屋上(富山市)

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「富山県美術館」は以前当サイトで数回にわたってご紹介した「富岩運河環水公園」(園内の「親水広場」の記事へのアクセスがなぜか一時期とても多かったです)の隣接地に2017年8月に移転オープンした施設で、「オノマトペの屋上」と名づけられたこのような屋上庭園が整備されています。オノマトペとは「ひそひそ」「ぐるぐる」といった擬音語・擬態語のことで、それらにちなんだアートのような遊具が屋上全体に配置されています。

いくつものアートが並ぶ屋上庭園の風景にも、屋上から見た公園の眺め(園内の「天門橋」が画面左側に顔を覗かせていますね)にもそれほど感慨はなかったのですが、芝生越しに見た富山の中心市街地のビル群の眺めが気に入ったので、掲載してみました。

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2020.07.20

102-1 相倉合掌造り集落(富山県南砺市)

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「合掌造り」といえば岐阜県の白川郷が有名ですが、1995年に日本で6番目の世界遺産としてともに登録されたのが、この富山県「五箇山(ごかやま)」地域に位置する「相倉(あいのくら)合掌造り集落」です。こちらは現存する家屋が23戸と小規模ですがその分、観光地として整備され混雑する白川郷に比べ、より素朴な山村の原風景を楽しむことができると評価されているようです。

この相倉という地区は、周囲を1,000m超の山々と庄川の峡谷に囲まれ地理的に隔絶された環境にあり、歴史的には平家の落人が住み着いた地とされていたり、江戸時代には加賀藩の流刑地ともなっていたり、というまさに「陸の孤島」です。北陸新幹線の新高岡駅から出ているバスでここへ辿り着くには険しい谷の断崖絶壁にへばりつくような道を通って行かなければならず、よくもこんな奥地に移り住もうと思いついたな、と感心してしまいます。

しかし、集落の中に入ってしまえば、合掌造りの家屋には表も裏も塀や柵のような囲いは一切設けられておらず、田畑の中に民家が点在するオープンな雰囲気です。こんな外部に対して閉ざされた環境だからこそよそ者の侵入を警戒しなくて済んだからなのか、集落内には平和な桃源郷といった風景が広がっています。

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2020.07.17

アーバン・ツアーズ 2020夏のSP 「中部地方の風景」

みなさま、こんにちは。前回の投稿から3カ月以上経っていますが、お元気に過ごしていらっしゃったでしょうか。

この間…大変でしたね。というか、いまだに大変さはおさまっていませんし、この先また大変になりそうな兆しもあり、気の休まることがありません。世界に目を向ければ、日本以上に大変な事態になっているようですし。私がこれまでの人生で経験した中では9・11や3・11をも凌ぐ最も大きな社会的事件となりました。いいえ、なっています。緊急事態宣言発令中は「戦時中ってこんな感じなのかな」なんてちょっと大げさに想像していましたし、宣言解除後も他の地域への移動が制限され、首都圏に暮らしていることをこれほど不利だと感じたことはありませんでした。「新しい生活様式」なんて聞こえはいいですが、暑苦しくて息苦しいマスクの着用をはじめ、不自由ばかりでいいことなんて一つもありません。2019年までの、あの平和で自由だった世界はいつか戻ってくるのだろうか、海外旅行にはいったいいつになったらまた行けるのだろうか、それも以前のように手軽に行けるだろうか…などと日々思いを巡らせています。大した被害もなく生活できている私より大変な思いをされている方がたくさんいらっしゃるであろうことを考えれば、少しばかり楽しみを奪われたくらいでいちいち文句を言っていてはいけないとは思うのですが…とにかく少しでも早く地球上からこの災厄がなくなることを願わずにはいられません。

さて、こんな世の中ですが、当サイトはこの夏も新たなシリーズをお送りしようと思います。今回のテーマは日本の真ん中、「中部地方」です。

この「中部地方」、東は関東地方、西は近畿地方に接しているのですが、どちらの地方に属しているのか議論が分かれる県がいくつかあったりして、実はその範囲がはっきりしません。両側に位置する東京と大阪という二大都市圏からの影響が大きく、それに比べると域内最大都市である名古屋の存在感はどうしても薄くなってしまうため、「名古屋を中心とする地方」といった一体性も感じられません。東日本なのか、西日本なのかもあいまいです。また、同じ地方内でも日本海に面した北陸地方、太平洋に面した東海地方、そして「東山地方」や「中央高地」と呼ばれる内陸部では大きく特色が分かれます…。

そんなまとまりに欠ける中部地方ですが、ここではそれを「多様性」と捉えて、バラエティに富んだ風景をご紹介していこうと思います。シリーズは7月20日(月)スタートです。

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