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2020.08.10

102-18 ノリタケの森(名古屋市)

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歴史を感じる赤レンガ造の建物群、その手前にはクラシカルな噴水を中心としたフランス式庭園(池や植栽の幾何学的な配置や人工的整形が特徴)、一方画像奥の大木の後ろには妙に寸胴な煙突の姿が見え、さらにその先には芝生の広場が一般開放されています。名古屋駅からわずか徒歩15分という大都会の中心に、周囲に聳え立つ近代的な高層ビル群とは見事なコントラストを成す異空間が展開されています。

ここ「ノリタケの森」は、世界的陶磁器メーカーである「ノリタケカンパニーリミテド」が創立100周年の記念事業として2001年、近代陶業発祥の地である本社敷地内にオープンさせた複合施設で、オープン・スペースを含む総面積約22,000㎡の敷地内に、「ウェルカムセンター」、「クラフトセンター」、ミュージアム、ギャラリー、ショップ、レストラン、カフェ、といった施設があります。

「ウェルカムセンター」ではノリタケの歴史や技術などを紹介しており、「クラフトセンター」では工場見学や絵付け体験ができるようになっています。レストランではノリタケ製の食器を使用するなど、施設全体が企業の広報・宣伝活動を担うとともに、昔から製造業を中心に栄えてきた東海地方が得意とする「産業観光」の促進にも寄与しています。

これらの施設は新しい建築物を造らず、事務所、工場、倉庫等だった既存の建物を再利用したことが大きな特徴で、画像の赤レンガ建築群は明治末に建てられたという長い歴史のあるものです。また、画像奥にわずかに見えている煙突は実は6本並んでいるのですが、これは昭和8~15年にかけて造られた陶磁器焼成用トンネル窯煙突の跡で、かつては45mの高さがあった工場のシンボルを10m弱に切断したものです。これらの歴史的建造物は経済産業省の「近代化産業遺産群」、市の「認定地域建造物資産」に指定されています。

都心部における貴重な緑の空間として「市民緑地」の認定も受けている敷地内には、「噴水ひろば」や「煙突ひろば」、せせらぎといった豊かな自然を感じさせるゾーンを設けている他、ビオトープ(動植物の生息環境を都市内に復元した場所)を造ったり、地域に本来生育している植物種であるコナラなどを植えたりすることで生態系を回復させており、鳥や昆虫の種類は名古屋城周辺の緑地(次回取り上げる予定です)と同程度まで増加しているのだそうです。

このような産業観光の振興、歴史的資源の保全、地域環境への配慮といった様々な分野にわたる社会貢献の姿勢が評価され、「ノリタケの森」は都市景観や環境等に関する数多くの賞を受賞しています。

情報量の多い記事になってしまいました…。

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