旅行・地域

2018.08.19

96-13 首里城の夜景(沖縄県那覇市)

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前回・前々回(96-11,12)、琉球王国時代の城(グスク)の形態をイメージしたという「沖縄県立博物館・美術館」をご紹介しましたが、今回はその「引用元」である、本物のグスク・首里城を取り上げます。是非見比べてみてください。ここは以前にも日中訪れたことがあるのですが、今回は夜のライト・アップを見に来ました。小高い丘陵の尾根上に聳える「紅い城」が、光に照らされて夜空に浮かび上がる姿は、遠くから眺めると、スペイン・グラナダのアルハンブラ宮殿のようでした(夜景は実際に見たことはないのですが)。

所々にコケや草木が顔を出している石垣が長く曲がりくねった夜の城の外縁は、人気(ひとけ)のない真っ暗がりですが、そんな中、石垣に沿ってほぼ等間隔に地上に置かれた投光器が上空に向かって光の筋をつくり、雲の形がわかるほど微かに空を明るくしています。「風雲急を告げる」という言葉が似合う、何か歴史的な事件でも起きそうな緊張感すら漂わせる、夜の風景です。

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2018.08.18

96-12 沖縄県立博物館・美術館 近景(那覇市)

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前回(96-11)に引き続き、この建築をご紹介しています。今回は3つ前の記事(96-9)で触れた緑道に面した、「美術館屋外展示場」側から撮った画像です。ここはその名のとおり、芝生の広場に数体のアートが展示されています。

前回の遠景の画像では汚れが目立つ灰色の壁が重苦しかったのですが、近くに寄ってみるとそれがなぜか気にならず、澄んだ青空の下、白い壁に整然と並べて空けられた無数の四角い孔がフェード・イン/アウトしている様が軽やかに、清々しく感じられます。

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2018.08.17

96-11 沖縄県立博物館・美術館 遠景(那覇市)

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先日来ご紹介している「那覇新都心」内にある施設です。2008年度のグッドデザイン賞をはじめ様々な賞を受けているこの建築は琉球王国時代の城(グスク)の形態をイメージしているそうですが、その角錐台状に築かれたコンクリートの小山のヴォリュームが重苦しく、まさに城の石垣のような威圧感があります。そして、強い風雨に晒され続けている外壁の汚れっぷりに、私はなぜか沖縄っぽさを感じてしまいます。

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2018.08.16

96-10 黄金森公園(沖縄県那覇市)

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沖縄の方言では「くがねむい」と読むらしいこの公園は、那覇新都心内にある、私が好きな「足つぼタイル」が設置されている以外は(笑)特にどうということはない、感じのいい小さな公園です。

この公園は新都心の区域の南西端に位置しています。前回(96-9)お話しした、地区をT字状に貫く緑道の終点となっており、住宅が建て込んだ崖の下の旧来からの那覇の市街地(画像より右側)に臨む崖の上にあります。現在那覇新都心がある地域は、戦前はサトウキビ栽培が盛んなのどかな田園風景が広がっていたそうで、戦後米軍牧港住宅地区となったわけですが、米軍は眺めの良い丘の上に広々とした住宅を建てて、崖の下に住む占領民の居住区を見下ろしながら暮らしていたんだな…などと感じさせられる場所でした。

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2018.08.15

96-9 那覇新都心の緑道(沖縄県)

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那覇新都心には、画像のように地区内を貫くそれなりに広幅員な緑道があります。幹線道路を立体交差する橋の上には米国・セントルイスにあるような、シンボリックなアーチが架かっていますね。この緑道は前回(96-8)の記事で触れた、新都心の玄関口にあたる沖縄都市モノレールおもろまち駅を起点(?)として、地区の中央部に位置する「新都心公園」に向かって真っすぐ延び、そこから左右に分かれ、地区内にT字状の緑と歩行者空間の軸を形成しています。

しかし、札幌で言えば大通公園のような、せっかくのこの壮大な都市空間も、この街では上手く活かされていないように見受けられます。この緑道について調べてみようとしたのですが、そもそも名前や愛称等もついていないようですし、ご覧のとおり誰も歩いておらず、人影すらほとんど見当たりません。この空間に面して建つ大規模な商業施設は立体駐車場のような裏側を向けていて、どちらかというとロードサイド型商業施設が建ち並ぶ両側4車線の幹線道路の方が、この街の「顔」となっている印象です。

そもそも車社会で、何か月にもわたって酷暑が続く沖縄には、鉄道(モノレール)で移動して、強烈な陽射しの下、汗だくになりながら駅から歩く…といったライフ・スタイルは根付かなかったのかもしれません。本土の人間が本土と同じ発想で押し付けた都市計画が失敗してしまったかのように感じられます。こんな状況も、まだ新しいこの街が成熟していけば、沖縄という土地に馴染んでいくのでしょうか?

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2018.08.14

96-8 Tギャラリア沖縄 By DFS(那覇市)

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九州・宮崎から海を渡って、沖縄までやってきました。

沖縄都市モノレール(通称「ゆいレール」)に乗って、那覇空港から19分、那覇市の中枢に位置する「県庁 前」駅から7分の距離にある、「おもろまち」駅とペデストリアン・デッキで直結している商業施設の内部の画像です。駅とこの施設は1987年に全面返還された「米軍牧港住宅地区」の跡地を造成し、2000年頃から商業・業務機能の集積が始まっている、総面積214haの「那覇新都心」内に立地しています。

このように、駅を中心に新しく街を開発する際、その駅前にショッピング・モールを1つ誘致する、というのは一般的かと思います。 が、しかし、そこで地元民は商品を購入することができないなどというケースは、まずありえないでしょう。その「ありえない」商業施設がこの「Tギャラリア沖縄 By DFS」です。種明かしをすると、ここは2002年の「沖縄振興特別措置法」の改正によって設けられた沖縄県限定の「特定免税店制度」に基づく「免税店」なのです。ここで商品を購入できるのは那覇空港発の国際線または日本本土行きの航空券を持っている人のみ(沖縄県民でも可)となっており、出発2~3時間前までに購入の手続きを済ませ、品物は空港の制限区域内にあるカウンターで受け取る…という仕組みになっています。つまり普通は国際空港のターミナルの中にあるような免税店が市中に店舗というか出張所を構えている、というわけです。沖縄を日本国外かのように扱って、優遇しているのか差別しているのか、ちょっと微妙な制度のように感じますが…。

ちなみにこの施設は「レンタカー・デポ」も兼ねており、建物のエントランス・ホールには、これまた大空港のように各レンタカー会社がずらりと一列に並んでカウンターを構えています。駅前の一等地が免税店とレンタカーの拠点だなんて、那覇新都心という街はどこまで外向きというか、県民を無視して観光客に媚びたシステムになっているんだろう…と思わされます。ホテルも多く、本土からの移住者が選ぶ街として人気があるらしいという話も頷けます。

そしてこれからやっと画像の説明に入るわけですが(笑)、「ルイ・ヴィトン」をはじめとする数々の高級ブランドを傘下におさめる外資系企業「LVMHグループ」によって運営されているというこの施設の内部は、さすがにラグジュアリーな空間で、欧米の大空港や高級デパートの中を歩いている時のように、高い香水や化粧品の甘い匂いが漂ってきて、ゴージャスな気分になります。

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2018.08.12

96-7 宮崎地方裁判所日南支部(宮崎県)

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宮崎地方裁判所の、県内に3つある支部の1つは、日南市内のここ飫肥(おび)地区の城下町の中に置かれています。

建築作品として取り立ててどうということもない、ごく普通の公共建築だとは思いますが、裁判所という施設の性質と、古い城下町の雰囲気にふさわしい真面目さや堅実さのようなものが、外観の色彩や形態から感じられます。正面玄関付近の縦格子に使われているのは、もしかしたら地元産の木材である飫肥杉なのでしょうか…?

そして何といってもお堅い空間の雰囲気を和らげているのが、玄関前で出迎えてくれている、樹形が美しくてかわいらしい、南国を代表する植物・ヤシ(?)の大木です。

 

宮崎の風景のご紹介は今回で終わり、さらに700kmほど南下して、次回からシリーズの舞台は沖縄に移ります。

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2018.08.11

96-6 飫肥城下町・後町通り(宮崎県日南市)

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前回(96-5)ご紹介した「大手門通り」と直交する通りで、この沿道は純粋に住宅街というかお屋敷町になっていて、石垣や庭から顔を出している植栽等に、落ち着いた佇まいが感じられます。

飫肥(おび)という街は観光客向けの土産物屋や飲食店も少なく、観光地として訪れるにはちょっと物足りないように思います。そのかわり、こんな街に住んで、家の近所を散策したりしていれば、毎日を心穏やかに過ごせそうです。もちろん、私が現在の生活を捨てて1,000km以上も離れたこの土地に移住しようとまでは思いませんが、自分が住んでいる街がこのようにしっとりと落ち着いた景観だったら、故郷として、街により愛着と誇りが持てそうな気がします。

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2018.08.10

96-5 飫肥城下町・大手門通り(宮崎県日南市)

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宮崎県南部に位置する日南市内の一地区である飫肥(おび)は、飫肥城を中心とした伊東氏飫肥藩5万1千石の旧城下町で、江戸時代の街並みが残り、市街地の19.8haが重要伝統的建造物群保存地区として選定されています。現在は約6,400人が暮らすという、静かな街です。

この「大手門通り」は、その名のとおり、城の正面玄関から真っ直ぐに延びる、いわば城下町におけるメイン・ストリートです。とはいえ、沿道が商業地区になっているわけでもないので華やかさや賑やかさとは無縁で、あまりの地味さに城へ向かおうした私などは通り過ぎて曲がり損ねてしまったほどです。そのかわり、敷地の広いお屋敷の石垣や生垣は立派で風格があり、城下町らしい重厚さは感じられます。

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2018.08.08

96-4 「道の駅フェニックス」から見た日南海岸(宮崎県宮崎市)

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「日南海岸」とは、そのような名前の特定の場所が存在するわけではなく、約100kmに渡る宮崎県南部(「日」向国の「南」)の海岸線の総称として、1950年以降、県内の観光業関係者によって用いられ始めた名前で(「湘南」とか、「コスタ・デル・ソル」みたいな感じですかね)、一帯は国定公園に指定されています。

画像の場所「道の駅フェニックス」は、宮崎が新婚旅行ブームに沸いた昭和40年代、県内再大手のバス事業者である宮崎交通によって建設され観光名所の一つとなった「フェニックスドライブイン」を前身とする施設です。ここは日南海岸を代表する景勝地として知られており、大海原に面した崖の上から、遠くに幾重にも重なる海沿いの山並みのシルエットがグラデーションのように霞んで見えています。先日(96-2)ご紹介した青島から始まる「鬼の洗濯板」がここまで続いているのもわかります。ここを通る道路は「日南フェニックスロード」の愛称で「日本の道100選」にも選ばれている絶景ドライブ・コースです。

そしてこの風景を特徴づけているフェニックスの木々ですが、これらは自生しているものではなく、宮崎交通の初代社長を務め、「宮崎観光の父」と呼ばれた故・岩切章太郎氏の「フェニックスを額縁にして太平洋を眺めたら、きっと素晴らしいだろう」という発案によって昭和10年代から植樹が開始されたというものです。植樹運動は日南海岸から県内各地へと広がっていき、フェニックスは昭和41年には宮崎県の「県の木」にも制定されました。

長い年月をかけて作り上げてきた景観によって演出された南国ムードが多くの観光客を惹きつけるとともに、地元の人々にとっての心の拠り所ともなっていった…という、壮大なロマンあふれるストーリーです。

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