旅行・地域

2020.11.26

103-16 豊島美術館(香川県)

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前回(103-15)ご紹介した唐櫃地区の港から、徒歩なら15分程坂を登った先の瀬戸内海を望む小高い丘の上にあるのが、近隣の直島犬島でも同様に現代美術に関わる様々な活動を展開しているベネッセグループが運営するこの「豊島美術館」です。

敷地内には水滴をイメージしたようなドーム状の建物が2つあり、その小さい方が画像に映っている「カフェ&ショップ」です。もう一つの大きい方が「アートスペース」となっていて、こちらへは遊歩道を辿って瀬戸内海の眺めを堪能してから観賞するような順路が指定されています。

「美術館」を名乗ってはいますが、建物の中に絵画や彫刻がいくつも展示されている…という一般的な施設ではなく、膜のようなコンクリートで覆われた柱一つない「シェル構造」の建築そのものが、「母型」と名づけられたアート作品となっています。そのたった一つの作品を鑑賞するために、わざわざ交通不便な離島まで来て1,500円の入場料を払う価値を感じなかったらどうしよう…などとケチな心配をしていたのですが、広さ約40×60m、最高高さ4.3mの内部空間に包まれるととても居心地がよく、「泉」から発生する水の流れる動きを追ってみたり、天井の開口部から外の風や音、光を感じたりして過ごしていると「いつまでもここにいたい」とさえ思える程の満足感を得られました。

 

この記事を以って「香川・瀬戸内の風景」シリーズは最終回といたします。ご覧いただき、ありがとうございました。

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2020.11.24

103-15 唐櫃の風景(香川県・豊島)

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「香川・瀬戸内シリーズ」の最後に、小豆島の西約4kmの位置にある「豊島(てしま)」をご紹介しようと思います。行政区域としては小豆島の概ね北西半分を占める「土庄町」に属している、面積14.5㎢、人口約800人という小さな島です。

湧水が豊富で棚田が広がる稲作が盛んな島で、近代に入ってからは酪農が栄え「ミルクの島」、戦後まもなく先進的な福祉施設ができて「福祉の島」と呼ばれていたそうです。1970年代から始まった産業廃棄物の不法投棄が全国的にも最大規模の産廃問題となったことから「ゴミの島」と呼ばれるようになってしまいましたが、現在では環境の再生を目指した取り組みが続き、2010年には「瀬戸内国際芸術祭」の会場に選定され「豊島美術館」(次回取り上げる予定です)もオープンし、数多くの芸術作品が点在する「アートの島」となっています。

画像は島北東岸の唐櫃(からと)地区のもので、小豆島に近い港に面した場所の風景です。文化財的な価値がどうとか、そういうことはよくわかりませんが、この地区には昔ながらの日本家屋が並んでいて、この景色はきっと何十年も前から変わっていないんだろうなぁ、と思わせてくれるような昔懐かしい雰囲気です。

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2020.11.20

103-14 二十四の瞳映画村と播磨灘(香川県・小豆島)

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前回(103-13)と同じ、「二十四の瞳映画村」の、外海(と言っても「瀬戸内海」ですが)にあたる播磨灘側の風景をご紹介いたします。

日の丸が掲げられている所に、明治時代から実際に学校として使われここへ移築された小さな木造校舎のセットがあるのですが、教室の中からでも広がりのある海原がすぐ目の前に見えるという、プライヴェート・ビーチのようなロケーションで、こんな景色のよい学校に毎日通えたら楽しいだろうな、と思ってしまいます。

今回で小豆島は離れ、次回は違う島をご紹介いたします。

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2020.11.18

103-13 二十四の瞳映画村と内海湾(香川県・小豆島)

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小豆島と言えば、映画、TVドラマ、アニメ等でこれまでに何度も映像化された昭和27年発表の小説「二十四の瞳」の原作者・壺井栄氏の出身地として有名ですが、その1987年版映画の撮影のために建てられた野外セット14棟を改築し、映画と文学のテーマパークとしてオープンしたのがこの「二十四の瞳映画村」です。両側を播磨灘(はりまなだ)と内海湾(うつのみわん)に挟まれた約1万㎡の敷地に大正・昭和初期の村が再現され、現在も多数の映画・ドラマ・CMの撮影が行われているそうです。

ノスタルジーを感じさせる小ぢんまりと造られた田舎の村の風景は愛らしく、とても親しみの持てるものとなっています。都市景観について語っているこのサイトではテーマパークの内部のような閉鎖的で人工的な空間はなるべく取り上げないようにしているのですが、この「映画村」の中の風景は、その外部の内海湾沿いの集落とも違和感なく連続している印象です。私が蛇蝎の如く忌み嫌っている電柱や電線が映り込んでいることさえ、味があるように感じられてしまいます。

ところで地図、あるいは数日前に投稿した記事(103-10)の画像を見ていただければわかるのですが、この施設は内海湾に蓋をするように細長く伸びた半島の先端近くに立地していて、島の主要部から陸路でアクセスしようとすると非常に遠回りとなり、バスの本数も極めて限られています。そこで、少し前に取り上げた(103-9)「小豆島オリーブ公園」近くの海岸に設けられた桟橋との間に12人乗りの渡し舟を発着させ、湾内を直線距離で結んでいるのですが、こちらは客が来れば随時運航で所要時間もわずか10分と便利な上に、水面を間近に感じられる小さな船で海上を進むという、日常ではなかなか味わえない体験ができるので、利用をおすすめします。

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2020.11.16

103-12 マルキン醤油小豆島工場(香川県)

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前回(103-11)の記事で、小豆島の中でも「醤の里」と呼ばれるこのエリアに大手から中小まで20軒以上の醤油蔵や佃煮工場が集積…とご紹介しましたが、大通りの両側に広大な面積の工場を持つこの「マルキン醤油」は国内大手メーカー6社の一角を占めるという大企業だそうで(スミマセン、存じませんでした…)、おそらく「醤の里」では最大規模の事業所かと思われます。

バスを降りてこの場所に近づいていくと、徐々に香ばしい、下手をすると吐き気さえ催しそうになるほど強烈な、「醤油っぽい何か」の香りが漂ってきます。切妻屋根が連なる建物群は屋根瓦や板塀が醤油の菌の影響か真っ黒に染まっている上に、ツタのような植物で覆われていて、時の流れを感じます。通りの両側に建つ施設を結ぶ何らかの配管が上空を跨いでいたりもして、「近代以前のコンビナート」(そんな物があるのかどうか知りませんが)といった感じの、人間味あふれる工場の風景です。

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2020.11.13

103-11 醤の里 馬木散策路の風景(香川県・小豆島)

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私は関東地方出身で、醤油の産地と言えばキッコーマンがある千葉県野田市か、ヤマサとヒゲタがある千葉県銚子市くらいしか知らなかったのですが、全国的には「五大産地」というものがあるようです。その一つがここ小豆島で、島内でも小豆島町草壁~坂手地区にかけてのごく狭い範囲(前回の記事の画像の、左側の市街地)に大手から中小まで20軒以上の醤油蔵や佃煮工場が集積し、そのうち醤油蔵など約90軒が登録有形文化財建造物に、12軒が近代化産業遺産建造物に指定されているのだそうです。

そんな「醤(ひしお)の里」と呼ばれる風情あるこの地区の散策が楽しめるようにと「馬木散策路」が設定されているのですが、指定されたルートに特別な舗装が整備されているわけでも、わかりやすい案内板が立っているわけでも、観光客の姿を見かけるわけでもありません。のどかな田園風景と民家に混じって所々に現れるこの昔ながらの小さな工場(?)のような味のある風景を、道に迷いながら自分なりに見つけださなければいけない、という「観光地」です。

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2020.11.11

103-10 寒霞渓第一展望所からの眺め(香川県・小豆島)

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寒霞渓(かんかけい)は、日本初の国立公園である「瀬戸内海国立公園」の代表的な景勝地として指定された「日本三大渓谷美」の一つであり、その山頂はこのように瀬戸内海から四国の山並みまで見渡せる絶景スポットとなっています。

小豆島は複雑な海岸線を有していますが、ここでは細長く伸びた半島が播磨灘(はりまなだ)と内海湾(うつのみわん)を隔てていて、その湾の周りに小豆島町の草壁から坂手にかけての市街地が広がり、それを緑の山々が囲んでいるという眺めが、写真の中にきれいにおさまっているように感じられます。空も海も青く、夏らしい絶景です。

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2020.11.09

103-9 道の駅 小豆島オリーブ公園(香川県)

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明治時代に日本で初めてオリーブの栽培に成功したオリーブ園に隣接した、瀬戸内海を見下ろす小高い丘の上にある公園で、道の駅を併設しており、オリーブの歴史・文化を紹介する施設群が建てられています。

一応「公園」という名はついていますが、どこまでが園内でどこからが隣のオリーブ畑なのか等、その区域がわかりづらく、造園的な完成度もあまり高くないように感じられました。平成4年に小豆島の姉妹島であるギリシャ・ミロス島から贈られたという「ギリシャ風車」が公園のシンボルとなっていて、島を象徴する風景のように扱われているようですが、ハリボテ感が強い上に、周囲の家々や電線類等、雑然とした要素が写り込まないようフォトジェニックに撮るのはなかなか苦労します。

ところで、ここは映画「魔女の宅急便」のロケ地となったそうで、「魔法のほうき」を無料で貸し出すというサーヴィスを行っており、この風車をバックにほうきに跨って写真撮影に勤しむ観光客の姿が数多く見受けられます。「魔女…」に実写版があったなんて、私はちっとも知らなかったのですが…。

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2020.11.06

103-8 エンジェルロード(香川県・小豆島)

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1日1~2回の干潮時にのみ「砂の道」が現れ、少し沖にある島と陸続きになるという、自然や宇宙の神秘を感じられる、小豆島屈指の景勝地です。最大干潮時の前後3時間は道となるのですが、その現れ始めや消えかけの時間帯の方が儚げな風情を楽しめるようです。道が真っ直ぐではなく逆S字型にカーヴしているのも、よりフォトジェニックに感じられます。

ところで、「エンジェルロード」とかいうネーミングや、「大切な人と手をつないで渡ると願いがかなう、と言われている」とかいうエピソード…、なんかイラッときます。

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2020.11.04

103-7 土庄港観光センター前の風景(香川県・小豆島)

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前回(103-6)と同じく土庄港の一角の風景で、「土庄港観光センター」の前で撮った画像です。手前の休憩スペースの上にはパーゴラ(藤棚)が設けられていますが、奥に置かれたテーブルと椅子の方は小豆島を象徴する植物であるオリーブの木陰に覆われています。

このオリーブという木、ちょうど人間の視線と同じくらいの高さに明るい色の細かい葉が密に生えていて、視界に淡いグリーンの靄がかかったように見えます。ごつごつして曲がりくねった細い幹も含め明らかに日本の植物とは見た目が異なっていて、原産地であるギリシャやイタリア、スペインといった強烈な陽射しが照りつける荒涼とした南欧のような土地にこそ似合いそうな、異国情緒を感じさせるルックスです。気候が温暖で年間を通じて日照時間が長い小豆島の風景の中ではまだそれほど違和感はないのかもしれませんが。ちなみにオリーブは小豆島が日本における栽培の発祥の地であり、香川県の県木にも定められているようです。

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