J-99 その他

2020.03.28

101-10 001系電車(西武鉄道)

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今回は、ここ数日取り上げてきた埼玉県狭山市、入間市、飯能(はんのう)市や、次回取り上げる予定の秩父(ちちぶ)地方へのお出かけの際に是非乗っていただきたい、西武鉄道の特急車両をご紹介したいと思います。この001系電車は「Laview(ラビュー)」という愛称で、「今までに見たことのない新しい車両」を実現すべく、世界的建築家・妹島和世(せじまかずよ)氏(建築家ユニット「SANAA」の運営者でもあります)の監修のもと開発され、2019年3月に運行を開始したばかりです。

この車両の斬新な点は、大きく3つあると私は思います。

1つ目は、シルバー・メタリックの塗装を施したアルミニウム合金製の車体外装で、「都市や自然の中でやわらかく風景に溶け込むデザイン」を実現するため、写り込み具合にも工夫し、特色のある素材感を追求したそうです(実物よりも、完成予想イメージ図のインパクトの方が大きかったのですが)。2つ目は、大胆なカーヴを描く先頭部の曲面デザインで(グロテスクな感じがしてあまり好きではないので、今回映していませんが)、国内初となる曲線半径1500mmの大きな三次元の曲面ガラスを採用しています。

そして最後は何と言っても大きな側面の窓で、縦1350mm×横1580mmというサイズです。天窓のように上に長く窓を伸ばした鉄道車両は時々見かけるのですが、どうして窓は下に伸ばさないんだろう、と私は常々疑問に感じていました。車体の強度が落ちるとか、あまり足元を見られたくない、といった理由は思い浮かんだのですが…それがこの車両の登場によって、私の不満は一気に解消されました。明るい白い壁に、身体を包み込むソファーのようなあたたかみのある黄色いシートが並ぶ車内はまるでリヴィング・ルームで(私は実際こんな家に住んだことはないのですが…)、足元近くまである大きな窓から流れていく沿線風景を大パノラマで楽しむことができました。

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2020.01.20

100-36 815系電車(JR九州)

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前回(100-35)の記事で述べたとおり、JR九州は特急車両や観光用の車両ばかりではなく、通勤用の電車のデザインにも工夫を凝らしており、この815系電車も水戸岡鋭治氏が手掛けています。

天井と壁面はメタリックな質感の銀色、床面はブルーグレーと、全体的にクールな印象の内装なのですがドアだけは明るく鮮やかな黄色に塗装されており、このコントラストが都会的で洗練された雰囲気を醸し出しています。この色づかいと天井の高さはヨーロッパの、中でもとりわけ体格の大きなゲルマン系民族の国々(英国、ドイツ、オランダ、北欧…)に走っていそうな鉄道車両を思わせます。

また、シートは背もたれと座面が一人分ずつ独立した形状になっており、窓がない部分の座席にヘッドレストがついているのも特徴的で、この車両もグッドデザイン賞などの賞を受賞しています。

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2020.01.19

100-35 新幹線800系電車(JR九州)

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シリーズの最後に「番外編」として、九州を走るJRの鉄道車両を2つご紹介していきたいと思います。

JR九州は、外装・内装ともに個性的でデザイン面を重視した車両を数多く走らせており、それは特急用にとどまらず、普通列車用まで含めた新車両から、国鉄より継承した車両の観光列車へのリニューアルにまで及んでいます。これらはいずれも1988年以降同社の車両デザインに参加し、デザイン顧問に就任した水戸岡鋭治氏が手掛けたもので、特に1992年にデビューした787系電車「つばめ」はブルーリボン賞、グッドデザイン商品(現・グッドデザイン賞)といった国内外の賞を受賞しています。

JR九州が2004年に開通させた九州新幹線に導入した、この記念すべき同社初の新幹線車両「800系」も水戸岡氏のデザインによるものです。まず座席の配列ですが、本州を走るフル規格の(「山形」「秋田」以外の)新幹線の普通車はほとんどが横に3+2となっていますが、この車両は普通車でも2+2とグリーン車並みのゆとりがあります。デザインは「和」を基本コンセプトとしていて、基部が木製となっている座席は布地が西陣織で高級感があり、一見してこれまでの新幹線車両と違う落ち着いた個性が感じられます。また、客室とデッキの仕切りにはクスノキが用いられ(新しい車両には金箔張りのものもあり、額縁に木彫りや蒔絵などを展示されていたりもします)、日よけが木製のブラインドとなっているなど、木のぬくもりが随所に活かされています。他にも、洗面所には八代のイグサの縄のれんがかかっているなど、地域性もアピールされています。

九州新幹線は2011年の全線開業後、山陽新幹線との相互乗り入れを行っていますが、800系は九州内での折り返し列車にしか運用されていません。本当は九州に来ないと乗れないこの車両の、このシートで移動したかったのですが、残念ながら私が乗った列車はこれではなく、駅で隣のプラットフォームに停車していた車内に一瞬入って写真を撮ることしかできませんでした。

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2017.04.19

92-10 「丹後の海」(京都丹後鉄道)

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まず、この車両を運行している「京都丹後鉄道」についてですが、舞鶴や天橋立、兵庫県の豊岡市などへのアクセスを担ってきた第三セクターの鉄道会社「北近畿タンゴ鉄道」から、ツアーバス大手として知られたウィラーグループが2015年に上下分離方式(インフラの管理と、運営を行う組織とを分離し、会計を独立させる)により事業を継承したことで話題になりました。

次にこの「丹後の海」ですが、北近畿タンゴ鉄道時代「タンゴ・ディスカバリー」と呼ばれていた車両をリニュアルしたもので、1990年代以降、JR九州において次々と個性的な内外装の車両を手がけてこられ(世間的に最も有名なのは、贅を尽くしたクルーズ・トレイン「ななつ星in九州」でしょうか?)、現在では利用者減に悩む全国の地方私鉄から救世主として引っ張りだことなっている、水戸岡鋭治氏の設計・デザインという点が大きなポイントです。

丸みを帯びた深いブルーの外観を持つこの車両の内装は、天井や床等にふんだんに木材が使われ、座席に張られたモケットは1両の中でも複数の色や柄があり、木製の肘掛けも付けられているという贅沢なものです。中でも私が最も気に入ったのは、暖簾とパーテーションによって仕切られた(鉄道の車内に暖簾が懸かっている、という点自体、既に遊び心満点ですが)、運転室のすぐ後の大きな展望窓を持ったこの共有スペースです。わずか2両の編成で運行している狭い車内に、こんなゆったりとしたラウンジのような席が設けられているのが魅力的で、旅がより楽しくなります。

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