J-17 九州北部

2019.12.14

100-7 湯の坪街道(大分県由布市)

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この街路景観の前に、地域全体についてのご説明から始めたいと思います。

由布院は、由布岳の麓にある金鱗湖(きんりんこ)の周辺に広がる温泉地です。湯量が豊富で広い範囲に湯が湧くため、各宿泊施設は一カ所に集積する必要が少なかったことから、賑やかな街並みから外れた周辺の川端や林の間、丘の上などに点在しています。一軒一軒の敷地が比較的広い高級旅館が多く、街の造りはゆったりとしている上、開発規制により高層の巨大旅館やホテルもないため、静かで田園的な雰囲気を持っているのが特徴です。

元々は鄙びた温泉地で、昭和の温泉街に多く見られたような団体観光客向けの大型ホテルやネオンサインきらめく歓楽街がなかったのですが、昭和40年代から町ぐるみで毎年夏に映画祭や音楽祭を開催するなど、ドイツの滞在型保養都市バーデン・バーデンをモデルとし、歓楽色を排して女性が訪れたくなるような環境整備を続けてきた結果が、現在の評価につながっているようです。

この「湯の坪街道」は、前回(100-6)ご紹介した由布院駅から、次回取り上げる予定の金鱗湖に続く由布院温泉の「メイン・ストリート」で、沿道には洒落た雑貨屋やレストランが建ち、周辺には各種の美術館が点在しています。

あえてこれまで述べてきたような由布院のイメージに沿った、緑豊かで、静かで落ち着いた街路景観に見えるように撮った画像を載せてみましたが、実際には東京・原宿の竹下通り等と変わらないような、けばけばしく派手な看板を並べたチャラチャラしたファストフード店や土産物屋等も少なからずあり、街の雰囲気を台無しにしていたりもします。

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2019.12.13

100-6 由布院駅(大分県由布市)

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前回ご紹介した別府の隣町・由布院からお送りします。

この駅舎は、地元大分県出身の世界的建築家・磯崎新氏の設計により平成2年に竣工しました。中央部の高さ12mの吹き抜けのあるコンコースがシンボリックです。

全体の構成はシンメトリー(左右対称)で、各部の屋根のカーヴは全て同じ半径と、極めてシンプルな形態です。板張りの外壁の色彩は黒で統一され、そのクールでストイックな佇まいからは「引き算の美」のようなものが感じられます。言うまでもなくこの駅は由布院温泉の玄関口となっていますが、この温泉地の雰囲気によくマッチしているように思います。

その由布院温泉については、次回以降詳しく触れたいと思います。

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2019.12.11

100-5 海地獄(大分県別府市)

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大分市に続いては、県内第2の都市で、温泉地として全国的に名高い、別府市からお送りいたします。

源泉数、湧出量とも日本一の規模を誇るという別府温泉には、含有物によって青、赤、白など様々な泉色を呈する温泉や、間欠泉などの特色のある源泉が点在し、これらの中には温泉の熱を利用して飼育・育成した動植物を展示する施設を併設したものもあります。このような入浴ではなく、観覧を主な目的とした温泉は「地獄」と呼ばれ、これらを周遊する「地獄めぐり」は別府観光の目玉の一つとなっています。

「地獄」が観光施設として商業化されるようになったのは、明治43年にここ「海地獄」が施設を整えて入場料を徴収するようになったのが始まりとのことです。源泉が硫酸鉄によって一見涼し気なコバルト・ブルーの色をしていることからこのように名づけられた「海地獄」は、他の3つの「地獄」とともに国の名勝に指定され、別府の「地獄」の中で最も広大だそうです。

とはいえ、主役である珍しい色の源泉自体はそれほど大きなものではなく、むしろ私が心を惹かれたのはそれを取り囲む木々や花に囲まれたどこか南国ムード漂う広大な日本庭園で、中でも特に「地獄」に隣接した池に浮かぶ、この美しい円を描く立派な蓮の葉です。このオオオニバスは温泉水によって栽培されているそうで、なんとお盆のシーズンには大きく育った葉の上に子どもを乗せるというイヴェントまで開催されているようです。

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2019.12.09

100-4 大分駅上野の森口(大分市)

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前回までの記事(100-13)では、商業施設や公共機関が集中する大分駅の北側の地区をご紹介してきましたが、今回は駅南側の風景です。こちらは駅周辺の連続立体交差事業が行われる以前は、鉄道線路によって北側の中心市街地とは完全に分断され、「裏駅」「駅裏」などと呼ばれていたようです。それが平成8~28年度にかけて東西1.1km、南北0.8kmに及ぶ約50haの区域で土地区画整理事業が施行され、駅前広場や複合文化施設「J:COMホルトホール大分」等の整備と併せて、駅周辺街区の有効高度利用と周辺部の都市型住宅地の整備が行われました。

そうした事業の一環として創出されたのが画像の広々とした芝生の空間です。これは駅前を起点とする総延長444m・幅員100mのシンボルロード「大分いこいの道」で、両側を街路に挟まれた中央部分がイヴェントも開催できる広場となっており、駅前には大分の新しい顔となるような、現代的で明るく爽やかな風景が広がっています。なお、広場全体には仮設住宅が93戸建設可能で、ホルトホール大分前広場はヘリコプターの緊急時離着陸場として使用できるなど、大規模災害への対応も想定されているようです。

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2019.12.08

100-3 ガレリア竹町(大分市)

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江戸時代から一貫して大分最大の繁華街だったという県内最古の商店街で、その延長は349mに及びます。

画像は、前回(100-2)ご紹介した「中央通り」と交わる、アーケード街のエントランスにあたる場所ですが、ここと終点からの各1ブロック分だけはその幅員が24mに広げられています。一方で高さは18mあり、この断面積は日本最大なのだそうです。「ドーム広場」と呼ばれるこの壮大ダイナミックな空間は、大分の旧市街地の8割が被害にあったという戦災からの復興計画によって設けられたもので、アーケード街の入口のイヴェント広場として機能しています。空間全体がバルーンで華やかに飾り付けられているのは、この画像が同じく前回の記事で触れた「大分七夕まつり」の翌朝早くに撮ったものだからです。

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2019.12.07

100-2 大分銀行赤レンガ館と中央通り(大分市)

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中央通りは、前回(100-1)ご紹介した大分駅府内中央口から延びて市街地の中央を南北に貫く広幅員の道路で、1900年には九州初の路面電車が走り「電車通り」と呼ばれていたそうです。通り沿いには大型商業施設や金融機関の本支店が建ち並んでいます。そして、毎年8月に行われる「大分七夕まつり」の際は市民総おどり大会の、12月にはイルミネーション・イヴェントの会場となるなど、大分市のメイン・ストリートとして機能しています。

その沿道で一際目立つランドマークとなっているのが、市中心部に残る唯一の洋館である「大分銀行赤レンガ館」です。これは1913年に旧第二十三国立銀行本店として建てられたもので、国の登録有形文化財に登録されています。第二次世界大戦末期には空襲で壁のみを残して焼失したものの、戦後修復され、1966年に移転するまで大分銀行本店として使用され続けました。その後は貸しホールなどに使われたり、再び銀行業務に用いられたり、空き店舗となったり…していたようですが、2018年3月にリニューアル・オープンし、現在は県産品を販売する地域商社や地場のコーヒー専門店が入居しているそうです。

最近似たような建物を盛岡でも見たなぁ…と思っていたら、案の定こちらも東京駅などで知られる「辰野片岡建築事務所」による設計でした。考えてみれば用途も、そして名称までもそっくりです。

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2019.12.06

100-1 大分駅府内中央口/JRおおいたシティ(大分市)

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今回のシリーズは大分県大分市からスタートさせて、九州を西へと横断していく予定です。県庁所在地かつ50万人近い人口を擁する県内最大の都市ですが、大分市を観光で訪れる人は少ないようで、私が入手した九州のガイド・ブックには一切情報がありませんでした。そんな街から九州を語り始めるところはこのサイトらしいな、と思います…。

 

画像は大分市の表玄関にあたる、JR大分駅の「府内中央口」の風景です。この駅では2012年に高架化が完了し、追って駅前広場の改装が行われ、新駅ビル「JRおおいたシティ」が開業しました。この駅ビルは商業施設や立体駐車場等からなる地上8階・地下1階の低層部と、画面より左側に建ちホテルや天然温泉施設が入居する地上21階のタワーとから構成されています。

駅ビル低層部の屋上には「シティ屋上広場」が開設されています。今回の記事で特に語りたいのはこの屋上庭園についてで、4,500㎡の面積に約1,000の木々や花々が植えられ、多彩なイヴェントが開催されているそうです。園内には展望台、土産物店、飲食店、野菜づくり体験ができるクライン・ガルテン(ドイツ語で「小さな庭」を意味する市民農園)、遊具等が設けられている他、延長約180mのミニトレインが走り回るなど、子供から大人まで楽しめる様々なアトラクションを備えた遊び心あふれる空間となっています。さらに変わったところでは、1965年から旧駅舎の屋上にあった「鉄道神社」も移設されています。

屋上の右側に顔を覗かせているのは、内部に上り下りがすれ違わない二重螺旋構造の階段を持つ伝統的な「栄螺堂(さざえ堂)」の建築様式で建てられたという「夢かなうぶんぶん堂」です。この堂や、画面左側の城門をモチーフにしたという駅ビルの入口等の外観、そしてネーミングまでもがポスト・モダン的な楽しさに溢れている駅前の風景です。

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2008.12.11

65-6 天神地下街(福岡市)

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もともとが、ほの暗い雰囲気が魅力の地下街ですが、この季節、ブルーのイルミネーションが天井じゅうに張り巡らされると、まるで夜空に架かった銀河のように、頭上には見事な明暗のコントラストが描き出されます。

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2008.09.17

60-2 ネクサス・ワールド(福岡市)

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ネクサス・ワールドの概要については、バックナンバーを見ていただくとして・・・

 

カラフルに縁取られた壁面がうねうねと波打つ画面左側の棟、およそ集合住宅としては効率が悪そうで、内部の間取りもちょっと想像がつき難い、上部に「天使の輪」を頂いたような画面中央の細長い棟(「塔」?)、クラッシュ・アーモンドがぎっしり詰まったチョコレートの断面のような、石造りの壁面を持った右側の棟、・・・画面に写っているそれぞれ異なったテイストの建物は、信じ難いことにどうやらすべて同一の建築家によるデザインのようです。どれもムダというか、遊び心に溢れていますね。

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2008.08.24

58-4 ネクサス・ワールドの駐車場(福岡市)

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国際的に著名な建築家・磯崎新氏のコーディネートによって、国内外から6名の建築家が集められ、棟ごとにそれぞれの個性が発揮された建築が建ち並ぶ「デザイナーズ団地」の中の風景です。

 

という説明はともかく、今回取り上げるのはその中のある駐車場で、ご覧のとおり等間隔にパーム・ツリーが植えられ、単なる駐車場にとどまらず緑豊かなオープン・スペースとなっています。植わっている樹種がパーム・ツリーというだけで、まるで南国の高級リゾート・ホテルの駐車場のように見えてきて、住宅本体の印象をよりよいものにしているように感じられます。

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