J-19 瀬戸内海

2013.08.30

80-20 犬島アートプロジェクト「精錬所」(岡山市)

8020foyiap

今回のシリーズで取り上げてきた(80-1417)近隣の直島同様、ベネッセコーポレーションによる現代アート活動の一環として、自然エネルギーを活用した建物(画像中央のガラス屋根の下)を設け、現代アーティストによる作品として活用しているユニークな美術館が、島の海沿いの銅の精錬所跡に立地しています。展示作品はトリック・アートのようで面白いな、と思う反面、精錬所とはあまりテーマに関連がなさそうで、わざわざここに作る必然性が私には感じられなかったのですが…。

太古から変わらぬ瀬戸内の海と島々の自然と、近代の精錬所の遺構、そしてガラスを用いた現代建築の造形という全く異なる要素が共存する不思議な風景です。それにしてもこんな静かで美しい島に銅の精錬所なんていう物騒な施設を誘致してしまった明治時代の人の発想には驚かされます。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2013.08.29

80-19 犬島の近代化産業遺産(岡山市)

8019foymih

100年前の明治末期に稼働し、その後は廃墟となってしまった銅の精錬所の跡の風景です。構造物が朽ち果て、海岸から陸に向かって空間全体が階段状にセットバックしている様子が古代遺跡のようで、在りし日はどのような風景だったのか想像もつかないところがミステリアスで、歴史ロマンをそそられます。銅の精錬過程で発生する鉱滓からなる「カラミ煉瓦」という独特の黒っぽい煉瓦の色合いに、渋く落ち着いた温もりが感じられます。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2013.08.28

80-18 犬島の海岸(岡山市)

8018foybij 

「犬島」は、面積約0.6km²、人口約100人という小さな島です。岡山市の政令指定都市化にともない、「東区」というアーバンな響きのする住所が与えられたにもかかわらず、市中心部からこの島へのアクセスは非常に悪く、時刻表を調べようにもウェブサイトもないような個人事業主の方(?)が運営する小さな連絡船が1日に数往復、ちっぽけな「船溜まり」のような本土側の「宝伝港」と島を結ぶのみです。その「宝伝港」へのアクセスはさらに悪く、最寄りの鉄道駅からタクシーを使うと3,000円以上もかかってしまうような僻地にある港へ行けるバスの本数は船よりも少なく、接続は最悪という有様で…。

そんな島に何を求めてわざわざ訪れるのかというと、この島にはかつて銅の精錬所があり(画像奥にその一部である煙突が見えています)、近年では近隣の直島同様、ベネッセコーポレーションによりその遺構を活かしたアート・プロジェクトが展開されており、少なからず観光客の訪れる島となっているのです。(※これについては、次回以降詳しく取り上げる予定です。)

画像は、本土からの連絡船が着く犬島の港と「精錬所」の間に位置する、海岸に面した広場のような場所で、カフェを備えた「精錬所」のチケット・センターがあり、島のエントランス・ホールのような役割を担う空間と言えるでしょう。護岸に並べられ、敷き詰められた岩はもともとある自然の風景には見えず、明らかにアート・プロジェクトに合わせた景観整備が行われたのではないかという様子がありありと窺えますが、この白っぽい岩、短く刈りそろえられた芝生、そして遠くに見える古い煉瓦造りの煙突…といった荒々しく、物寂しい雰囲気がどこか日本離れしていて、英国やアイルランド等の海岸沿いの風景のように見えるのが(私は行った事がないので、あくまでイメージですが)、なんだか不思議な感じでした。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2013.08.26

80-17 I♡湯(香川県直島町)

8017foyily

当サイトの記事のタイトルの中に文字以外の記号が入るのは非常に珍しいことで、文字化けしないかどうかちょっと心配なのですが、「あいらぶゆー」と読みます。

直島の「本村」という集落では、古民家等の建物を、現代の芸術家が丸ごとアート作品として改装してしまう「家プロジェクト」という活動が行われ、集落内にはどこか不思議な作品が7つも点在しています。このプロジェクトと直接の関係はないものの、似たようなテイストを彷彿とさせるこの「アート建築」は、そこから少し離れた「宮浦」という集落にあります。建物の全景を撮るのにも苦労するような狭い路地が張り巡らされた集落の中に、正面にパームツリーが2本立ち、様々な絵柄をごちゃごちゃとパッチワークにしたようなカラフルな建物が建っています。

そして内部は…最近流行りの「スーパー銭湯」のように広々として、様々な設備が整っている…ということはなく、浴場と脱衣場の他に余計なスペースのない昔ながらの小さな銭湯ですが、それでも脱衣場には様々な物がディスプレイされ、白を基調としたデザインの浴場もトロピカルなムードが溢れるポップな空間にデザインされています。フェイス・タオルなどのオリジナル・グッズもその辺の町の銭湯とは思えないほど充実しています。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2013.08.25

80-16 ベネッセハウスの桟橋(香川県直島町)

8016foypbh

海に面したリゾート施設「ベネッセハウス」にはフェリー+バスという公共の交通手段だけではなく、クルーザー等で海から直接アクセスする事も可能らしく、この桟橋はそんな富裕層(?)のための、リゾート専用の施設です。とはいえ、この桟橋が使われる機会はやはりそうは多くないようで、案内表示の様なものはほとんど見当たらず、遠くに霞む高松の街(おそらく)以外人工的な要素の見えない、静かな瀬戸内の風景の中にぽつんと佇む、どちらかというと寂しさを感じるような桟橋です。

ところで、この桟橋、「美しい」というべきなのでしょうか?

利用する人がほとんどいないために、最低限の機能のみを備えたローコストな工作物という認識で良いのか?

それとも、周辺に点在する屋外アート作品とともに「アート・リゾート」の一部を構成すべく、シンプルな美を追求した、海に浮かぶ一種のオブジェとして鑑賞すべきなのか?

…別にわざわざ難しく考える必要もないと思うのですが(笑)、美術館内外のアートに嫌というほど触れてきたばかりの身としては、その「作品」を無意識に眺めるだけでなく、その意図するところをいろいろ哲学的に考えなければいけないような気にさせられて、ついつい深読みしたくなってしまうのです(苦笑)。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2013.08.24

80-15 「南瓜」(香川県直島町)

8015foyppk

数多のアートに溢れた直島の中でもシンボルと言えるこの作品は、この一帯のリゾートの中核施設である「ベネッセハウス」から程近い波が静かに打ち寄せる砂浜の桟橋の先に、こんな感じでぽつんと佇み、島を訪れる観光客の恰好の記念撮影スポットとなっています。題材が「かぼちゃ」という、丸みを帯びていて、ちょっと野暮ったい格好なのが、逆に万人に親しまれ、愛される秘密なのでしょうか。

この「南瓜」は草間彌生さんという有名な芸術家の作品らしいです。私はここを訪れるまで彼女の事については何も存じあげていなかったのですが、世間的な知名度としては、もしかしたら、草間彌生>直島、なんでしょうか。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2013.08.23

80-14 直島の海岸(香川県)

8014foybns

直島は、岡山市から南へ約20km、本土側のフェリーの玄関口となる玉野市からは約3kmの距離に位置する瀬戸内海に浮かぶ島です。何といってもこの島で特筆すべきなのは、岡山市に本拠を置くベネッセコーポレーションが、島全体で現代美術に関わる様々な活動を展開している点でしょう。

瀬戸内海国立公園に指定されている島の南側は、画像のような風光明媚な海岸となっていますが、まずこのエリアには、施設全体が地下に埋められ、作品と建築・展示空間が不可分一体となった芸術作品と言える、世界的に有名な建築家・安藤忠雄氏(※)設計の「地中美術館」が立地しています。

さらに、同じく安藤氏設計による「ホテルを備えた美術館」として、海外でも知名度の高いリゾート施設「ベネッセハウス」が建ち、その周辺の林間、浜辺といった屋外空間には数々の芸術作品が展示されるなど、エリア一帯が自然・建築・アートが共生する「アート・リゾート」となっています。ちなみに画面右端に見えている地面に突き刺さった船尾のような物体もアート作品の一つです。

この海岸の風景は、私が生まれ育った関東地方とは空の色、海の色、土の色、植生が微妙に異なっているので、まるで海外、たとえば地中海やカリブ海のリゾートにでもやってきたような気分になります。そして自然がそのまま残され、安藤氏によるコンクリート打ちっ放しの建築群はストイックで洗練され、屋外にアート作品が散在する一帯の風景には知的でアーティスティックな雰囲気が漂っているなど、リゾート地にしては観光俗化されず、商業主義に侵されていない感じがするのが、新鮮です。

 

※関連バックナンバー
 56-1「東京メトロ副都心線渋谷駅」52-3「淡路夢舞台」
 49-4「淡路夢舞台」28-6「天保山ハーバービレッジ」

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2013.08.21

80-13 仙酔島の遊歩道(広島県福山市)

8013foyssj

仙酔島は対岸の鞆(とも)から市営渡船に乗って5分でアクセス可能な外周約5kmの無人島で、島内にはホテルや国民宿舎・キャンプ施設等がある、行楽の島です。

島の海岸沿いには画像のように遊歩道が整備されているのですが、注目していただきたいのはその海面からの高さで、これほどまでに海面すれすれを歩いて、海を身近に感じられるのは、波の静かな瀬戸内海ならではの体験でしょう。似たような遊歩道は、関東地方で言えば、たとえば江ノ島の南側等にもありますが、外海に直接面していて、強い波が打ち付ける海岸では、こんな高さではとても造れないでしょうから。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2008.12.03

65-2 尾道港のライト・アップ(広島県)

652litonm

幅わずか数十mほどの尾道水道を挟んで、ちょうどJR尾道駅の駅前広場の対岸に立つ、日立造船向島西工場跡の6本のクレーンが、キャンドルのように赤・青・黄・緑・白のライトで照らされています。使われなくなった無骨な工場設備がこうしてアートのように扱われるなど、造られた当時はきっと誰も想像しなかったことでしょう。

ちなみに、2004年度のグッド・デザイン賞を受賞したというこのライト・アップは、この画像を撮った数日後、跡地再利用のために終了したのですが、現在も近くの別の場所で、また似たようなライト・アップが行われているらしいです。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2008.05.22

52-3 淡路夢舞台(兵庫県淡路市)

523wtrayb

緩やかで幅の広いカスケードを、サラサラと心地よい音をたてて水が流れていくこの場所は「貝の浜」と呼ばれており、その名の通り浅い水の底には、かつて女優・武田久美子さんが身に着けていらしたような(笑)100万枚もの(!)大きな貝殻が、一面に敷きつめられています。
水の清らかさと、貝殻や石の白さに、神聖な気持ちさえ抱いてしまうような風景です。

 

※関連バックナンバー 49-4「淡路夢舞台」

| | コメント (0) | トラックバック (0)