J-17 大阪

2021.02.27

104-20 舞洲シーサイドプロムナード(大阪市)

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ここ「舞洲(まいしま)」は、大阪市の西端に位置する此花区の地先水面に廃棄物処理・埋め立て場として造成された面積約220haの人工島で、当サイトでかなり昔に取り上げた天保山ハーバービレッジユニバーサル・スタジオ・ジャパンよりもさらに西にあります。

島の東側は物流・環境ゾーンと位置づけられ、多くの民間企業の物流拠点が誘致されている他、オーストリア・ウイーン生まれの芸術家・画家・建築家であるフンダートヴァッサーがデザインした2つの奇抜な建物、清掃工場と下水汚泥処理施設が立地しています。一方、西側はスポーツ・レクリエーションゾーンという位置づけで、1997年の第52回国民体育大会に向けて野球場や体育館等多くのスポーツ施設が建設され、招致が失敗に終わった2008年の大阪オリンピック構想ではメイン会場とされていました。現在、プロ野球パ・リーグのオリックス・バファローズ、Jリーグのセレッソ大阪、Bリーグのエヴェッサ大阪といったプロ・スポーツ・チームがここを活動拠点としています。公園や緑地が整備されている他、宿泊施設、キャンプ場、バーベキュー・ガーデン等もあります。

画像はそんな島の南岸の風景で、海辺に沿って長さ600mのボードウォークが設けられています。正面に見えるのは「夢舞大橋」で、これを渡った対岸は2025年開催予定の「大阪・関西万博」の会場となり、昨今話題のIR(カジノを含む統合型リゾート)の誘致も検討されている「夢洲(ゆめしま)」です。画面右手奥には「大阪ワールドトレードセンタービルディング」として建設され、2010年大阪府に譲渡され「大阪府咲洲庁舎」となった地上55階、高さ256.0mという国内第4位の超高層ビルが小さく見えています。

本来はウォーターフロントのなかなか気持ちのいいロケーションのはずで、夜景スポットの「穴場」としても知られているようなのですが、人気(ひとけ)がない上に財政難もあってかご覧のとおりボードウォークや舗装のメンテナンスが十分でなく(そういえば同じ大阪府内の「りんくうタウン」駅前のペデストリアン・デッキも酷かったですねぇ…)、少し荒れた印象を受けます。まあ、定住人口のいないこの島全体がだだっ広い土地を持て余している感じで、車があればともかく、歩き回るにはあまり快適なスケールではない、典型的な「埋立地」といった感じなのですが。

 

さて、今回のシリーズですが、かなり長丁場になりそうなので、ここまでを前半として一旦お休みしたいと思います。後半は4月に再開予定です。それまでどうぞ、みなさまお元気で。

 

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2021.02.25

104-19 あべのキューズタウン(大阪市)

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前回(104-18)展望台「ハルカス300」を取り上げた「あべのハルカス」は近鉄南大阪線のターミナルである「大阪阿部野橋駅」直結の施設ですが、JR大阪環状線・関西本線・阪和線とOsaka Metro御堂筋線・谷町線の「天王寺駅」、さらに阪堺電気軌道上町線「天王寺駅前駅」(画面手前に見えています)にも隣接しており、付近は4駅7路線が集まる大阪の南の一大交通結節点を形成しています。そして交通至便なこの「天王寺・阿倍野」エリアは梅田、心斎橋・難波に次ぐ大阪第三の繁華街でもあり、一帯は百貨店や映画館などが立地する近畿地方でも有数の商業集積地となっています。

そんな街に2011年にオープンしたのが、今回ご紹介する「あべのキューズタウン」です。これは大阪市が40年以上かけて進めてきた、総面積約28haという西日本最大規模(そして約2,000億円にのぼるという損失も巨大…)の「阿部野橋再開発事業」における目玉商業施設で、東急不動産が運営し東急ハンズ、「SHIBUYA109ABENO」、イトーヨーカドー他約250の専門店が入居する「あべのキューズモール」と、再開発前から当地に存在した商店街の店舗を中心に約70店が入居し、立ち飲み屋などの居酒屋街があって商店街時代の雰囲気を感じることができるという「ViaあべのWalk」から構成されています。

私がこの街に来たのは「あべのハルカス」目当てで、たまたま目にしたこの施設を遠くからカメラにおさめただけだったのですが、自然環境が感じられるオープン・モールとし、低層におさえた施設構成となっているようで、大通りに向けて小さな箱を少し雑に並べたような外観がかわいらしく感じられました。あとは、関西で東急グループやヨーカドーといった関東資本の小売業の見慣れた看板を目にすると、私はちょっと嬉しくなってしまいます。

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2021.02.23

104-18 ハルカス300(大阪市・あべのハルカス)

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2014年に開業した、現在日本で最も高い(300m)超高層複合商業ビル「あべのハルカス」の展望台「ハルカス300」の様子です。

展望台は5860階の3層にわたって設けられ、全面ガラス張りです。58階には「天空庭園」があり、60階までの吹き抜け構造になっています。風は遮られていますが屋根はなく、外気を肌で体感できる屋外広場です。そして、60階の屋内回廊「天上回廊」は、画像からわかるとおりこの吹き抜け空間をぐるりと取り囲むように配置されています。両側がガラス張りの回廊は自分が空中を散歩しているような感覚が味わえるとともに、吹き抜けの反対側を見ても人が空中を歩いているように感じ、ちょっと不思議です。

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2021.02.21

104-17 「JO-TERRACE OSAKA」と大阪ビジネスパーク(大阪市)

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ついに大阪市内までやってきました。画像は大阪の中心に位置し、大阪城の天守閣を中核に据えた都市公園・大阪城公園内で撮ったものです。

園内の北東部にあたる、JR大阪城公園駅からスポーツやコンサートの会場として有名な大阪城ホールにかけてのこのエリアは、以前は寂しい空間で、周辺には食事ができるような店も少なかったそうです。そこで、来園者の利便性を高め、公園の魅力を創出し、新たな賑わいを創ることを目指して市が事業者を募集し、広告代理店の電通をはじめとする大手企業で構成される「大阪城公園パークマネジメント株式会社」が2017年に開業させた商業施設が、画像手前の「JO-TERRACE OSAKA(ジョー・テラス・オオサカ)」です。7棟に分かれた1~2階建ての建物に、飲食店を中心に物販店、インフォメーション施設など22のテナントが入居しています。施設の整備に至る経緯は最近当サイトでご紹介した熊本市の「桜の馬場 城彩苑 桜の小路」、そして名古屋市の「金シャチ横丁」とそっくりなのですが、建築的には「江戸時代の城下町風」といった直接的なわかりやすい表現とせず、「和」を意識しつつもより現代的な外観となっています。

そして、背後に建ち並ぶ高層ビル群は「大阪ビジネスパーク」(OBP)のものです。ここは寝屋川と第二寝屋川、JR大阪環状線に挟まれた26haの三角形の土地です。戦前は東洋一の規模を誇ったという軍事工場「大阪砲兵工廠」の一部で、空襲を受け長らく更地となっていましたが1970年代から再開発計画が始動し、1986年にまち開きを果たしました。現在は数多くの大手企業がオフィスを構える他、ホテルやホールも立地し、昼間人口は約100,000人にのぼるという一大ビジネス拠点となっています。ビル群はそれぞれ高さも形も、向きもまちまちで統一感はないのですが、その多様性が逆に自然発生的な都市であるかのような活力を感じさせてくれます。

その中で最も私の印象に残ったビルは、地区西端(画面では左端)の、水辺に突き出した岬のような象徴的な場所に建つ、1990年開業の「クリスタルタワー」です。シンプルさを極限まで追求したかのような直方体の外観は、特に短辺方向から見るとスリムなそのプロポーションが際立ちます。そして全面がガラス張りのカーテン・ウォールになっているのですが、そこに映し出される空や雲の姿が実際以上に美しく感じられ、「クリスタル」の名にふさわしくキラキラと輝いて見えます。建築的な評価も高いようで、国内の優秀な建築作品に与えられる「BCS賞」や「大阪まちなみ賞大阪市長賞」、「グッドデザイン賞」などを獲得しています。

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2021.02.19

104-16 「ラピート」の車内(南海電気鉄道)

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前回(104-15)から取り上げている南海電鉄の関西国際空港アクセス特急「ラピート」専用車両「50000系」の、内部の画像です。

外から見ると窓が楕円形なのがこの車両の特徴の一つですが、楕円は窓だけでなく、車内外の各所に共通のデザイン・エレメントとして使用されています。まず天井は高くドーム状になっているので、車内全体の断面が縦長の楕円形に感じられます。半楕円形のアーチが連続する空間はヨーロッパの大聖堂の側廊の内部のような、古典的な建築が持つ荘厳さが感じられます(この駅の天井にも似ていると感じました)。座席の上には旅客機のように蓋を開閉する収納が設置され、空の旅が陸上にも続いているかのような演出なのですが、よくよく見るとその取っ手も楕円形です。さらに客室とデッキを仕切る扉とその窓も楕円形です。

そして前回の画像で見た方がわかりやすいかもしれませんが、車内の照明は私が好きな電球色の蛍光灯が、光の円柱をイメージしたアクリル製の器具に入って吊り下げられており、車内に高級感をもたらしています。

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2021.02.17

104-15 「ラピート」の外観(南海電気鉄道)

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今回は和歌山県と大阪府を結んでいる南海電鉄の列車を取り上げたいと思います。

「速い」という意味のドイツ語から命名された「ラピート」は、1994年に開港した関西国際空港へのアクセス特急として難波駅~関西空港駅間で運行を開始した列車ですが、その専用車両であるこの50000系電車の登場は衝撃的でした。先頭正面には「センターピラー」という運転士の視界を遮って邪魔になりそうな「飾り角」が付き、前照灯等の灯火類はライオンのたてがみのような部分に埋め込まれるなど、「鉄人28号」などとも呼ばれているらしいその外観は漫画を実写化したようなこれまで見たこともない現実離れしたもので、現代的な軽快さを全く感じさせないところが逆に斬新でした。

この車両は「レトロ・フューチャー」(過去のSF作品などで描かれた未来像)をコンセプトとして、ハイテクなイメージを抑え鉄道車両本来の重量感を重視し、戦前の大陸横断鉄道(こんな車両にもちょっと通じる部分がありますね)や「弾丸列車」のような力強さを追求した結果、このようなデザインになったそうです。21世紀の感覚からすれば重苦しい、深みのある濃紺の外部塗色は海上空港の「空と海のきらめき感」を表現したとのことです。また、側面のデザインのポイントとなっている楕円窓は航空機のイメージから生まれたもので、ほぼ全ての窓を楕円形で統一した車両は日本初だそうです。これだけクセが強い車両ですから、鉄道ファンが選ぶ「ブルーリボン賞」を南海電鉄として初めて受賞したというのも頷けます。

残念ながら国際空港のアクセス特急という列車の特性上、COVID-19の感染拡大によって利用者が大幅減となったため、昨年4月以降朝夕を除いて多くの便が運休となり、現在のところ乗車チャンスや目にする機会も減ってしまっているようですが…。

次回は、この50000系電車の内部をご紹介します。

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2017.04.10

92-3 梅田阪急ビル南北コンコース(大阪市)

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関西では圧倒的なブランド・イメージを誇っている阪急電鉄は、創立時から鉄道を中心とした都市開発、流通事業を一体的に進め、高級住宅地、遊園地、野球場、高等教育機関等を沿線に誘致し鉄道事業との相乗効果を上げるという、日本の私鉄経営のモデルを築き上げ、大阪・梅田に世界初のターミナル・デパートである阪急百貨店を開業させました。その駅と百貨店を結んでいたかつてのコンコースは、高い天井にステンドグラス、壁画やシャンデリアを備えたヨーロッパの大聖堂の回廊や宮殿を思わせるような荘厳な空間で、首都圏在住の私は初めて見た時圧倒され、関西経済の底力を感じたものですが、それっきり二度と目にする機会もないまま建替えによって解体されてしまっていたのでした。

今回ご紹介する画像は、その建替えによって近年新しく生まれた2層吹き抜けのコンコースです。旧コンコースが持っていたゴージャスさのエッセンスは受け継ぎながらも、巨大な天井の照明や何列にも並ぶダウンライトがより明るく、きらびやかな空間を生み出しています。そしてただ新しさに走るのではなく、所々に格子状やアール・ヌーボー風の形の窓を取り入れるなど、レトロでオリエンタルなテイストが伝統の重みのようなものも感じさせてくれています。

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2017.04.09

92-2 JR大阪駅(大阪市)

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ヨーロッパの大都市の昔ながらのターミナル駅には、「トレイン・シェッド」と呼ばれる、複数のプラットフォームと線路を覆う大屋根がよく見られます(残念ながら当サイトのバックナンバーではなかなかよい事例がご紹介できないのですが)。発着する列車や行き交う乗客たちの喧騒がこだまする大屋根の下のその壮大な空間は旅情をそそるもので、日本にはどうしてそういった大屋根を持った駅がないのだろう、と常々物足りなく感じていたのですが、それがついに大阪駅において実現したと知りました。それも欧米の真似事の伝統的なドーム屋根ではなく、自然光が差し込む直線的な片流れの屋根という21世紀らしいスタイルで。これは是非見に行かねば、と足を運んだわけです。

JR大阪駅は線路が東西に貫き、その両側南北に駅ビルが建つ、という構造になっています。線路の上に橋上駅舎が跨り、その上に画面左側の「時空(とき)の広場」があり、南北の駅ビルを繋いでいます。背後には棟数で東京・新宿をも凌ぐと言われる梅田・中之島の高層ビル群のスカイラインが望め、このレヴェルでも十分線路の遥か上空にいる気分が味わえるのですが、そのさらに上部に、最も高い地点では約50mに達するという大屋根が掛けられたのです。

それに伴って、各プラットフォームに掛かっていた上屋は端部を残して撤去される…はずだったのですが、横から雨が吹き込むことが判明し、改めて透明なガラス製の屋根が設置されたのだそうです。…っていうか、こんだけ屋根が高けりゃ、そりゃあ雨だって入ってくるだろ。気づけよ。せっかくのトレイン・シェッドが台無しじゃん…と思いましたが(苦笑)。

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2017.04.08

92-1 うめきた広場の夜景(大阪市)

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西日本最大の駅であるJR大阪駅の北口には、かつて「梅田貨物駅」を中心とする約24haの「梅田北ヤード」が広がっていました。そんな「大阪最後の一等地」の内、東側約7haが「グランフロント大阪」として先行開発され、4棟の高層ビルにショッピング・モール、レストラン・カフェ、オフィス、ホテル、コンベンション・センター、劇場、分譲住宅といった都市機能が複合的に導入されました。2013年に開業したこの再開発地区の入口部分に設けられたのが面積約1haのこの「うめきた広場」です。

この広場は駅前によくありがちなバスとタクシーで埋め尽くされた交通広場ではなく、純粋に歩行者のための広場で、広場内にある地上2階建ての商業・多目的ホール「うめきたSHIP」の建築も含め、滝も流れる広い空間全体が現代アートのようなランドスケープとなっています。正面に見える2011年オープンの駅ビル「大阪ステーションシティ」の、ダイナミックな吹き抜けを持つ「ノースゲートビルディング」が、フランス・パリ郊外の新都心「ラ・デファンス」の新凱旋門(グランド・アルシュ)のようにも見えます。そのアーチの内側の空間を縦に、横に、そして斜めに、ブリッジや階段、エスカレータ、エレベータが3Dに行き交っている様に近未来が感じられます。

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2009.01.20

68-2 なんばパークス(大阪市)

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段丘状の屋上庭園が設けられているのが特徴的な、旧大阪球場跡地を再開発して造られた大型商業施設です。

今回ご紹介する大峡谷の底のような風景の、両側の曲がりくねった壁面は、よく見ると横縞状にアース・カラー系で何色にも塗り分けられていて、断層地形をイメージさせます。ここに立った時私は、globe(エイベックス)の6thシングルIs this love1996年)のプロモーション・ヴィデオに出てくるアリゾナ州の大地を思い出しました。(どのくらいの方がわかってくださるでしょうか?)

ここを設計したのは、2008年2月頃を中心に当サイトでこれまでさんざん取り上げてきたジョン・ジャーディ氏です。そう聞けば、同じく彼が携わった東京・六本木ヒルズで似たようなデザインが見られる理由がよくわかるのではないかと思います。

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