J-16 滋賀・京都

2021.01.18

104-6 精華大通り沿いの風景(京都府)

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前回(104-5)に引き続き、けいはんな学研都市、精華・西木津地区の風景です。

精華大通り沿いには数多くの大手企業の研究施設が立地しています。そのほとんどが関西を発祥とする企業で、それが関西財界一丸となってこの学研都市を発展させようという姿勢の表れなのか、それとも「ご近所づきあい」で仕方なく進出しているのか、その辺の事情はよくわかりませんが…。それはともかく、これらの施設は通り沿いの広い敷地に、道路や両隣から十分な距離をとって、野外美術館の彫刻のようにお行儀よく陳列されているように見えます。

画像のこの施設は、比較的最近建てられたある大手金融機関の事務センターです。集客を必要としない建物の形態は単純な立方体で外観には何の飾り気もなく、無機質でそっけない印象がこの人工的な街の風景を象徴しているように思えます。

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2021.01.16

104-5 けいはんなプラザと精華大通り(京都府)

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京都市内から南下して、「関西文化学術研究都市」、「精華・西木津地区」の「精華大通り」沿いの風景を取り上げようと思います。順を追って解説していきましょう。

「けいはんな学研都市」という愛称で、あるいは単に「学研都市」と呼ばれる「関西文化学術研究都市」は、京都・大阪・奈良の3府県境周辺の丘陵地帯において、1987年に公布・施行された「関西文化学術研究都市建設促進法」に基づき、創造的な学術・研究の振興を行い新産業・新文化などの発信の拠点・中心となることを目的として建設・整備が進められている新都市で、東の筑波研究学園都市とともに国家的プロジェクトに位置づけられています。総面積は約15,000haで、その中に12の「文化学術研究地区」(約3,600ha)がクラスター(残念な形で広く知られるようになった用語ですが、ブドウなどの「房」を意味しています)型に分散配置され、現在150を超える研究施設、大学施設、文化施設などが立地して約1万人の就業人口(研究者、職員等)を有するとともに、住宅地としても開発され複合的な都市づくりを目指しています。

その学研都市において中心地区と位置づけられているのが、精華町と木津川市にまたがる総面積506ha、計画人口25,000人の「精華・西木津地区」で、総合公園の「けいはんな記念公園(京都府立関西文化学術研究都市記念公園)」や「国立国会図書館関西館」といった開発の目玉になるような施設が立地しています。画像に映っているのも1993年に竣工・オープンした学研都市の中核的施設として、文化・学術・研究や新産業の交流・発展の場を提供している「けいはんなプラザ」で、オフィス・ラボスペース、貸しホール・会議室、ホテルといった機能を有し、巨大な日時計を中心とした広場はイヴェントの開催に利用されているようです。

「都市景観100選」にも選定されている精華・西木津地区を東西に貫くメイン・ストリートが、約1.5kmにわたってメタセコイア並木が続く幅員50mのこの「精華大通り」で、片側2車線の車道に加え、画像のように歩道がゆったりと確保され、水景施設も造られています(水は流れておらず、雑草が生え放題ですが…)。新しく開発された緑豊かで低密な都市の、車ばかりが通り過ぎて人の姿がほとんど見えない、だだっ広くひたすら真っ直ぐに伸びる道を何百mも歩き続けて、精神的に辛かったことが私はあるのですが、同じような条件のこの通りを端から端まで歩いてもそれほど苦痛ではなかったのは、訪れた季節が秋で、木々が所々色づいていて目を楽しませてくれたからでしょうか。

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2021.01.06

104-2 びわ湖テラス ノーステラス(滋賀県大津市)

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前回(104-1)ご紹介した「びわ湖テラス」が好調を受けてその規模を2倍に拡張し、2018年に誕生した新エリアがこの「ノーステラス」です。前回の「グランドテラス」からは琵琶湖を真正面に望めましたが、こちらは建物の脇から湖の北側の眺めが楽しめ、天気がいい日には遠く北アルプスや中央アルプスまで見えることもあるそうです。私が訪れた時は「グランド…」に比べてこちらはやや人が少なく、より静かでプライヴェートな感覚を楽しめました。そして「インフィニティラウンジ」とのサインが出ていますが、ハイ・シーズンにはここにパラソルのついた限定20席、45分間完全予約制のソファー席が設けられ、食事とドリンクとセットという料金体系になっているようです。

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2021.01.04

104-1 びわ湖テラス グランドテラス(滋賀県大津市)

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関西圏の風景を、まずは滋賀県からご紹介してきます。

日本一広い琵琶湖を遥か眼下に望む絶景スポットに柵はなく、足元にインフィニティ・プールのような水盤が張られてそれがそのまま湖面とつながっているかのように感じられ、さらに湖と空の境目もわからないくらい溶け合って、どこまでも透き通った「青」が広がるこの世のものとは思えない神秘的な光景です。

ここ「びわ湖テラス」は、標高1,108mの打見山頂に設けられたリゾート施設で、「グランドテラス」はそのシンボル的な空間です。全体にウッド・デッキが敷きつめられる中、ゆっくりと散策したり、ソファーやチェアでくつろいだり、カフェで食事をしたり、何より思い思いのポーズをとって写真撮影を楽しんだりできるようになっています。元々ここは「びわ湖バレイ」という、京阪神地区から最も近く関西では老舗的存在の有名なスキー場で、ジップ・ライン、アスレチック、ドッグ・ランといったシーズン以外も楽しめるアクティビティも充実していたのですが、2016年にこの施設がオープンすると「フォトジェニックな写真が撮れる」とインスタグラム等で話題となり、来場者数が大幅に増え、現在も人気を博しています。眺望抜群という恵まれた条件の立地に、SNS映えする今風の空間を設えるという、時流を捉えた企画力の勝利といったところでしょうか。

ちなみに、この山頂には日本最速の全面ガラス張りロープウェイでアクセスするのですが、リゾート施設そのものも以前ご紹介した静岡県の「富士見テラス」と同じロープウェイ・メーカーの関連会社によって運営されているようです(名前も似ていますね)。

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2017.04.18

92-9 伊根湾(京都府)

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京都府伊根町は、京都から鉄道で2時間、さらにバスに乗り継いで1時間という、陸路の交通がたいへん不便な土地です。そのかわり、この小さな町の視線は海に向いています。この町の基幹産業は漁業で、京都府下で水揚げされる水産物の4分の1をこの町が占めているのだそうです。そしてここ伊根湾は、海に面した船の収納庫の上に住居を備えた「舟屋」が建ち並ぶ景観が有名で、数々の映画やTVドラマのロケ地ともなりました。

画像は「伊根湾めぐり遊覧船」から撮ったものです。ほんとうは舟屋群の風景を見るのを楽しみにはるばるここまでやって来たのですが、むしろそれよりも印象に残ったのが湾の水面に浮かんだ円や四角の幾何学形態です。伊根湾はブリ等の養殖が盛んで、これらはその生け簀らしいのですが、静かで平和な湾の風景の中で、そのメタリックな構造物は海中都市への入口かと思ってしまうほどミステリアスで、ミスマッチな感じがします。

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2017.04.17

92-8 天橋立ビューランドからの眺め(京都府宮津市)

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天橋立(あまのはしだて)は、宮津湾と内海の阿蘇海を隔てる、幅約20170m・全長約3.6kmの砂嘴(さし)でできた砂浜上に、大小約8000本の松が茂っている特別名勝(画面左手)で、宮城県の「松島」、広島県の「宮島」とともに日本三景とされています。

天橋立を眺められる場所は周囲にいくつかあるようですが、その中で最もメジャーなのが「斜め一文字」と呼ばれる北側の笠松公園からのもので、その次がおそらく「飛龍観」(龍が天に上る姿に見えることから名づけられた)と呼ばれるこの文殊山頂からの眺めなのでしょう。この地域のゲートウェイである京都丹後鉄道の天橋立駅からだと、海の対岸にある笠松公園へは阿蘇海を観光船で渡ったり、海岸線に沿ってバスで大回りしたりして行く必要がありますが、こちらはモノレール・リフトのりばまでわずか徒歩5分というアクセスのよさですので、時間がない方にもおすすめです。ここから眺める宮津湾は雄大かつ穏やかなもので、松が生い茂る砂嘴という特殊な地形がなくてもそれなりに美しい風景だと思います。

 

ところでここは「天橋立ビューランド」という1970年開業の遊園地内にあります。古代から知られた名勝に「遊園地」という現代の施設を建設したというミスマッチ感覚が不思議ですが、入園料を払わされるところが公的な景観を商業利用しているように感じられ、ちょっといただけません。この画像は「飛龍観回廊」と呼ばれる園内の施設から撮ったものですが、龍をイメージしたというその歩道は、元々はローラー・コースターだったものを改造したためか、そのルートは無駄に(?)空中を上下左右にくねっています。

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2017.04.16

92-7 舞鶴赤れんがパーク(京都府)

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さて、いよいよ本日からようやくシリーズの本題である「北近畿」に入ります。

日本海に面する港湾都市・舞鶴市の、ここ東地区は明治以降軍港として発展した街で、戦後は大陸からの引き揚げの拠点となりました。

そんなこの街には、明治から大正にかけて旧日本海軍により軍需品や水雷の倉庫として建設された赤煉瓦造の建物が12棟残っています。これらの内の8棟が平成20年に国の重要文化財に指定され、平成24年には「舞鶴赤れんがパーク」としてオープンし、一部が博物館やイヴェント・ホールとして活用され、その他は現在も倉庫として利用されているようです。

首都圏では横浜にも「赤レンガ倉庫」「赤レンガパーク」があり、立地にも恵まれていることから観光施設として活況を呈し華やかな雰囲気ですが、この舞鶴の施設は人気(ひとけ)も少なく、現役の防衛施設だということが念頭にあると、下手に歩いていたら軍人とかスパイとか謎の組織に(?)拉致監禁されたりしないだろうか…などという妙な緊張感さえ味わえるような、本物の迫力を感じられる赤煉瓦造の倉庫群です。

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2009.03.07

71-6 夢京橋キャッスルロード(滋賀県彦根市)

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ここは観光名所である彦根城に隣接し、かつては市の商業・行政の中心として栄えていた地区だそうです。城下町が建設された当時の6mの幅員しかなかった通りを18mに拡幅するにあたり、沿道にあった町屋64軒全ての建て替えが必要となり、このような城下町らしい街並みが再生されました。

私の中では、昔ながらの日本的な街並みというのは保存されるべき過去のものでしかないという先入観があったのですが、ここでは両側2車線に停車帯、高木が列植された植栽帯、ゆったりとした歩道を備え、広々とした近代的な街路の両側に伝統的な和風の街並みが再現されていて、「和」と「モダン」という、都市の風景としてなかなか両立し得ないと思っていた要素が見事に調和しています。停まっている真っ赤な外車が街並みの中でよく映えていますね。外国の街並みをコピーするだけでなく、こうした日本的な文化を生かした新しい街並みを創造していこうとする試みは、是非見習ってほしいものだと思います。

また、ここで特筆すべきことは、かつては商業を営む家が3割しかなかったという程にまで衰退していた商店街が、積極的なテナント誘致を行った結果、商店の割合が8割にまで回復したという活性化の取り組みです。そんな低迷していた時代があったということが信じられないくらい、観光客にとって食べ歩きや土産物のショッピングが楽しめる魅力的な商店街としてすっかり生まれ変わっていました。

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2008.11.27

64-7 坂本駅(滋賀県大津市)

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2両編成のワンマン列車がのんびりと走る京阪電鉄石山坂本(いしやまさかもと)線の終点で、古くより信仰の対象とされた比叡山の玄関口となる駅です。

・・・の割には、とても現代的で、都会的なデザインの駅舎です。改札口へと続く前庭のようなアプローチは非常に奥行きがあります。改札口付近には両端を上に反らせたような大屋根が、プラットフォームにはガラスの三角屋根が架かっています。駅舎の前に彫刻が置かれていることもあって、まるで有名建築家が設計した現代美術館のエントランスのような雰囲気を持つ駅舎で、「第1回近畿の駅百選」にも選定されています。

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2007.08.03

33-2 八幡堀(滋賀県近江八幡市)

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前回のパセオ・デル・リオに続き、八幡堀も今回で取り上げるのは3回目ですので(※)、詳しい説明はバックナンバーをご覧ください。

ここを行き交う船は・・・四隅に提灯をぶら下げて、ガラスのはめ込まれた木枠の格子・・・粗末な掘っ立て小屋がそのまま水に浮かんで流されている感じが、風情があっていいですね(決してけなしているわけではありません)。

 

※関連バックナンバー 8-2「八幡堀散策路」30-6「八幡堀」

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