E-1 (ロンドン)

2015.08.30

86-29 リージェンツ運河(英国・ロンドン)

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こちらは、リトル・ヴェニスから北東へ延びる運河の景観です。ナロー・ボートというものは、サイズはほぼ決まっているようですが、その色どりは本当に様々で、色づかいも鮮やかなのがこの画像からは窺えるかと思います。

この一帯には、ロンドンの主要なターミナル駅から徒歩圏内とは思えないほどの、静かで落ち着いた雰囲気の邸宅街が広がっていて、もし私がロンドンで住居を探すとしたらここがいいかな、なんて思いました。まぁ、私がこの先の人生、ロンドンに移り住む可能性などほぼゼロなので、考えるだけ無駄な作業でしたが(笑)、いずれにせよこのリトル・ヴェニス周辺が、私がロンドンの中でいちばん気にいった地区であることは確かです。

1か月間に渡ってお送りしてきたシリーズも、今回で終了です。そう遠くない内に、ロンドン以外の英国の風景もご紹介できたら、と思っています。乞うご期待!

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2015.08.29

86-28 グランド・ユニオン運河 その2(英国・ロンドン)

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リトル・ヴェニス周辺は「観光名所」という程の場所ではありませんが、画面右側の透明なビニール・シートで覆われた小屋のように、所々には運河の景観が楽しめる水辺のカフェなども設けられています。そして、画面左側を見てわかるとおり、この運河は水面近くに遊歩道が設けられています。というよりは、ナロー・ボートが停泊しているので、そこに乗り込むための埠頭のような空間なのでしょう。細長いナロー・ボートがコンクリートの護岸に沿って一列に並んでいる姿は、ちょっと列車が停まっている駅のプラットフォームのようにも見えます。中には、この幅の狭いナロー・ボートの屋根の上で肉を焼いてバーベキューを楽しんでいる人々の姿もあり、市民にとっての憩いの場所になっているようです。

ところで、これまで何度か出てきた「ナロー・ボート」ですが、これはイングランドやウェールズに見られる船で、内陸水運が盛んだった18世紀から20世紀初頭には貨物輸送の手段として活躍したようですが、現在は住居・余暇用として造られているそうです。最も重要なのはその幅です。「ナロー」というだけあって、英国の狭い運河網を航行できるよう、現代のものはほとんど6フィート10インチ(約2m)という規格で造られているため、このように妙に細長い形になっているという訳です。

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2015.08.28

86-27 グランド・ユニオン運河 その1(英国・ロンドン)

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前回(86-26)ご紹介したリトル・ヴェニスから西へ延びる運河です。

いちばん手前には渋く、深い色あいのレンガ造りの建物(確か運河を管理する何らかの施設だったように思います)、その周りは(あまり鮮やかな色ではありませんが)花で飾られ、その先の運河にはナロー・ボート(次回詳しくご説明する予定です)が浮かび、生い茂った並木が水面にその姿を映し、遠くには教会か何かの尖塔の先端が顔を出しています。英国らしいというか、ヨーロッパらしさを感じる、絵画のような風景です。

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2015.08.27

86-26 リトル・ヴェニス(英国・ロンドン)

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今回のシリーズもそろそろ終盤を迎えたところで、最後に知る人ぞ知る(?)ロンドンの風景をお届けしていきたいと思います。

ロンドンの空の玄関口・ヒースロー空港へのアクセス特急「ヒースロー・エクスプレス」も発着する、ロンドンでも有数の規模を誇る大ターミナル・パディントン駅から、ほんの数分歩いただけで、大都会の中心とは思えない、このような風景に出会うことができます。ここは、前回(86-25)取り上げたパディントン・ベイスンが、西へ向かうグランド・ユニオン運河と北東に向かうリージェンツ運河とに分岐する小さな三角形の水面を持つ波止場で、「リトル・ヴェニス」と呼ばれています。運河沿いには遊歩道が設けられ、画面左側にはボートを利用したカフェも浮かんでいます。遊覧船も発着し、ちょっとした観光スポットになっています。

ところでこの「リトル・ヴェニス」、名前の由来はもちろんイタリアのヴェネツィアなのでしょうが、イメージは全然違います。周囲を豊かな緑に覆われた閑静な雰囲気は、同じ運河の街でも、オランダ・アムステルダムのそれに近いような気がしています。そもそも、海を埋め立ててできた運河と、地面を掘り込んで造った運河では周囲の環境が全く異なって当然なのに、世界中どこでも運河さえあれば「…のヴェニス」「…のヴェネツィア」等と名付けたがるのは、ちょっと納得がいきません。まあ、それだけ、運河の街としてのヴェネツィアの知名度と魅力度が大きいということの表れなのでしょうが。

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2015.08.26

86-25 パディントン・ベイスン(英国・ロンドン)

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「くまのパディントン」の名前の由来ともなっているロンドン・パディントン駅のすぐ裏手には運河があります。かつては鉄道と連携した物資輸送の役に立っていたそうですが、時代の流れでほとんど使われなくなってしまったようです。

そんな存在を忘れられた運河が、1998年以降開始されている、就業人口約3万人を目指すというこの地区の大規模な再開発事業の目玉になっています。運河沿いにはボードウォークが設けられて水面近くを散策できるようになっており、モダン・アートを思わせるような水辺の公園もあります。ただでさえガラス窓が目立つ近代的なオフィス・ビルに囲まれているのに、運河の水面も光を反射するので、全面鏡張りの部屋のように、空間全体がキラキラして眩しいくらいです。

この運河はここで行き止まり、というか、ここが起点となり、次回取り上げる予定の「リトル・ヴェニス」へと続き、さらに遥か遠くまで行けるようです。

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2015.08.25

86-24 大英博物館 グレート・コート(英国・ロンドン)

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大英博物館については今さら説明するまでもないとは思うのですが、一応…。古今東西の美術品や書籍、略奪品(!)など約800万点が収蔵されており、入場無料(!)ということもあり、世界中から年間700万人以上の見学者が訪れるという世界最大の博物館の一つで、大英帝国の強大な国力と繁栄ぶり、そして富の蓄積を十二分に感じさせてくれる場所です。

博物館内にはかつて、図書部門である「大英図書館」があったそうなのですが、その機能が他へ移転し、西暦2000年、その跡に、ミュージアム・ショップやレストランを備えた、館内の各室をつなぐ自由通路となる屋根付きの中庭が設けられました。それがこの画像の空間、「グレート・コート」です。…ということは、博物館の中に図書館が内包されていたということなのでしょうか? この中庭のなかった世界最大級の博物館というのは動線がわかりにくく、相当窮屈な空間だったのではないかと思われるのですが…。

大英博物館の外観はギリシャ神殿風の建物なのですが、それはこの中庭から見ても同じようです。天井からガラスの天窓を通して明るい光が降り注ぐ、真っ白な大理石(?)に囲まれたこの空間は、屋内でありながら何だか屋外にいるような、不思議な感覚をもたらしてくれます。そして、この「グレート・コート」を設計されたのは…またもやノーマン・フォスター氏です。もうほとんど、今回のシリーズのタイトルを「ノーマン・フォスターの風景」に変えた方がよさそうな気すらしています(苦笑)。

ところで、英国のお隣、フランス・パリには同じように世界最大級の美術館・ルーブル美術館があります。かつてルーブル美術館は建物の中で大蔵省と同居していた(!)そうなのですが、ミッテラン大統領の「グラン・プロジェ」の一環としてそれを他の場所に移転し、中庭にガラス製のピラミッドを設け、その地下に巨大な美術館のエントランス・ロビーを設けました。…大英博物館のグレート・コートと全く同じ発想ですね。ルーブルのピラミッドは1988年の完成ですから、またもやロンドンはパリの真似をしたということでしょう。

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2015.08.24

86-23 ブランズウィック・ショッピング・センター(英国・ロンドン)

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スーパー・マーケットを核テナントとするショッピング・センターです。都心部には立地しているのですが、主要なターミナル駅や大通り、ショッピング・ストリートからは少し離れているので、広域的な集客を意図していない、近隣住民向けの小規模な施設と言えるでしょう。ガイド・ブックにも紹介されていないので、観光客の姿を見かけることもあまりありません。中庭型の広場を取り囲むようにして集合住宅棟が建ち、商店はその低層部に入居しています。

…という空間構成は、一歩間違えば日本の大都市郊外の大規模団地によく見られる近隣センターのようになってしまいそうですが、入っているスーパーが英国では高級チェーンとして知られる”Waitrose”だったりと、ちょっとハイ・ソサエティな雰囲気です。小規模な映画館もあるのですが、あまりにもインテリアがお洒落すぎてそこが映画館だったということにも気づかず、エレベータの使い方さえもわからなかったほどです(苦笑)。

そして何より、この施設の空間の質を決定しているのは、広場を取り囲む集合住宅棟の建築デザインでしょう。1967年から72年にかけて建設されたらしい、階段状にセットバックした宇宙基地のようなこの建築は、窓回り等のデザインがかっこよく、東京でいえば、代官山ヒルサイドテラスや表参道ヒルズを思わせるような都会的で、現代的で、スタイリッシュな住宅です。制度のことはよくわかりませんが、英国では指定建造物として保全の対象となっている建築のようです。

この建物の外壁の塗装については、いろいろ揉めた経緯があるようなのですが、明るくも彩度を抑えたシンプルな色合いが、ショッピング・センターの空間全体を華美にせず、シックで大人っぽい、洗練された雰囲気にしているように思います。

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2015.08.23

86-22 セント・パンクラス駅(英国・ロンドン)

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この駅もロンドンの主要な鉄道ターミナル駅の一つで、2007年からはそれまでのウォータールー駅に代わり、パリやブリュッセルから英仏海峡トンネルを越えてやってくる国際列車「ユーロスター」のロンドン側の発着駅となっている、いわば英国の陸の玄関口です。前回(86-21)取り上げたキングス・クロス駅とは隣接しており、当駅に接続する地下鉄の駅名は「キングス・クロス・セント・パンクラス」と、連名になっています。

この駅舎は窓にアーチを多数備えた赤レンガ造で、いくつもの尖塔を持ち、とにかく宮殿のように壮麗な造りで、あまりにも巨大なので全容をカメラに収めるのがなかなか困難でした。この駅舎のかなりの部分は、とても敷居の高そうな、ラグジュアリーなステーション・ホテルとして使われているようです。

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2015.08.22

86-21 キングス・クロス駅(英国・ロンドン)

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ロンドンの主要な鉄道ターミナル駅の一つで、この駅の9と3/4番線からはホグワーツ特急が発着することでも有名です(笑)。

画像の空間は2012年に完成したらしいコンコースですが、半円形のドームの天井が巨大なネットをかけられたように覆われた上で青白い光に照らされ、画面右側のショップ棟(?)の外壁の流線型の形状も相まって、宇宙船の内部を思わせるような雰囲気です。古典的なファンタジー作品の舞台としてはちょっと似つかわしくない、未来的な印象の漂う場所です。

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2015.08.21

86-20 バービカン・センター レイクサイド・テラス(英国・ロンドン)

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画面の右側に見えているのが前回(86-19)から取り上げている「バービカン・エステート」の中心的施設で、ホール、シアター、映画館等から構成される「バービカン・センター」です。その前にはこのように「レイクサイド・テラス」と呼ばれる噴水の吹き上がる水辺の広場が設けられています。良くも悪くも、人工的で、無機質で、あまり自然を感じさせない憩いの空間です。

この施設がオープンしたのは1982年のことですが、その5年前にはフランス・パリで、同じように特徴的な建築の複合文化施設「ポンピドゥ・センター」が完成しています。ロンドンの都市開発は、常に先を行くパリに強い対抗心を抱き、その後を追っているように、私には見えます。

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