J-01 道北・道東

2017.01.22

91-33 屈斜路湖(北海道弟子屈町)

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阿寒国立公園内にある屈斜路(くっしゃろ)湖は、国内第6位、カルデラ湖としては最大の面積を誇る湖です。昭和50年代には巨大な未知の生物「クッシー」の存在が噂されたこともあり、「人里離れた山奥にある神秘的な湖」といったようなイメージを私は勝手に持っていたのですが、湖の周辺は意外に平地が多くて水辺にアクセスしやすく、湖畔の「砂湯」地区にはレストハウスやキャンプ場なども整備されていて、「首都圏から気軽に行ける避暑地」のような雰囲気にすら感じられました。

…と言っておきながら、湖畔にある「弟子屈(てしかが)町屈斜路コタンアイヌ民俗資料館」付近から撮ったこの湖の風景は自然度100%で、人間の営みは全く感じられません。そして、遠くの山にかかった道東名物の霧が、より神秘性を高めているように思います。

 

約2カ月に渡ってお送りしてまいりました「北海道の風景」は、今回で終了とさせていただきます。それでは、また近いうちにお目にかかりましょう。

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2017.01.20

91-32 細岡展望台から見た釧路湿原(北海道釧路町)

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日本最大の湿原を、その東側に位置する展望台から見た風景です。釧路湿原の辺縁部にはいくつかの展望台がありますが、その中でも釧路川の大きな蛇行と湿原の広がりが感じられ、最も釧路湿原らしいパノラマが楽しめるのがこの細岡展望台とされているようです。

眼下に広がる動きの全くない、静かな「緑の海原」は、草地の中に木々が点々とするグリーンの濃淡だけで構成された風景で、まるで美しい織物を見ているかのようです。

ところで、広大な釧路湿原は1市3町に跨っていますが、以前ご紹介した「釧路市湿原展望台」(91-16)はその名のとおり釧路「市」内にあるのに対し、ここ細岡展望台は釧路「町」内にあります。つまり同じ北海道内に同じ名前を有する「釧路市」と「釧路町」が隣り合って存在しているという、極めてややこしい事態となっているわけです。長年合併もせずに併存しているこの2つの市町の間には当然因縁があるようで…。

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2017.01.18

91-31 塘路湖(北海道標茶町)

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「とうろこ」と読む、釧路湿原国立公園内で最大の面積を誇る湖です。かつては海だったというこの湖の眺めは、周りを取り囲む山々があまり高くないこともあり広々としていて、大海につながる静かな入江といった雰囲気です。JR釧網本線の「塘路駅」から歩いてすぐで、国道(画面手前の道路)が脇を通るというアクセスのよいロケーションにこんな雄大な自然が広がっているところが北海道らしいと思います。

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2017.01.16

91-30 原生花園駅(北海道小清水町)

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オホーツク海沿いに広がる「小清水原生花園」に隣接するJR釧網本線の駅です。例年5月から10月までの間しか営業しない臨時駅、かつ無人駅なので、プラットフォームには最低限の設備しかなく、駅舎も簡素なものですが、大自然の中というロケーションにマッチした木造の小屋のような造りが可愛らしいです。ちなみにこの「原生花園」、「天然の花畑」と言えば聞こえはいいですが、花の見頃を間違うと単に荒れ地が広がっているだけにしか見えません…。

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2017.01.14

91-29 メルヘンの丘(北海道大空町)

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記事のタイトルのような名称の、入場料を払って入るような敷地の範囲が特定された観光施設がある訳ではありません。網走・北見へのゲートウェイである女満別(めまんべつ)空港に程近い国道39号沿いの大規模な畑作が行われている丘陵地一帯がそのように名づけられているというもので、このアングルでは映っていませんが、丘の上に7本のカラマツが立つ、絵本のようななだらかな丘の風景が広がっています。同じ北海道の人気観光地・美瑛ほどの魅力は感じませんでしたが、映画のロケ地にも使われるなど、それなりに有名な場所のようです。

北海道には「ビューポイントパーキング」というシステムがあり(他の都府県にもあるのかもしれませんが)、「観光名所」というほどでもない幹線道路沿いのちょっとした絶景ポイントに、ささやかな駐車スペースが整備され、車を停めて景色を楽しめるようになっています。私が国道39号を車で走らせていてこの場所に気づいたのも、何ということのない道路脇に設けられた停車帯に大きな観光バスが停まり、バスガイドさんと乗客達が車外に出て遠くの景色にカメラを向けているのを見たからです。

さて、この風景の中にはお菓子の「コロン」を思わせる、丸っこくて可愛らしい「牧草ロール」がいくつも転がっています。北海道の田園風景を象徴するようなこの牧草ロールは、大抵不規則に配置されていて、その大雑把な感じが風景の大らかさをより高めているように思うのですが、同じ大きさのロールを作り上げるのに必要な牧草の量(機械を動かす距離)が同じだとしたら、もっと規則的に並ぶはずではないのでしょうか? もしかして観光客向けの演出としてわざとランダムに置いているのでは? などと勘ぐってしまいたくなります。

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2017.01.12

91-28 瞰望岩(北海道遠軽町)

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本日は、今回のシリーズでは数少ない、貴重な晴れ間の風景をお楽しみください。

遠軽(えんがる)町は、道央圏とオホーツク海側を結ぶ交通の要衝にあたり、JR石北本線の遠軽駅は、旧名寄本線との接続駅として栄え、現在でも同線の全列車が停まり、折り返す主要駅となっています。

そんな駅のすぐ裏手という町の中心部に聳え立つ、標高差80m弱の巨大な岩の塊がこの瞰望岩(がんぼういわ)です。長い時をかけて平野を形成してきた近くを流れる川が、非常に固いこの岩の部分だけは削ることができず、取り残されてできたものと考えられているそうです。

平地に生い茂る木々の上から顔を出しているその姿は逞しく精悍です。画像からも窺えるとおり、岩場の下は公園として整備され遊具などもあり、無邪気に遊ぶ子供たちを背後から父親の如く、厳しくも温かい目で見守っているかのようです。

ちなみに「えんがる」の地名は、見晴らしの良い高台(つまりこの岩)を示すアイヌ語「インカルシ」から付けられたそうで、瞰望岩は名実ともにこの町のシンボルとして愛されているのではないでしょうか。

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2017.01.10

91-27 オレンジ色の街並み(北海道西興部村)

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前回(91-26)ご紹介した興部村から内陸へ約20km入った所にある西興部(にしおこっぺ)村は、人口わずか1,000人程の小さな村です。そんな村の中心部に、眩しいほどの蛍光オレンジ色の建物で埋め尽くされた地区があります。そこには保育所、特別養護老人ホーム、ケアハウス、診療所、村営ホテル、文化施設、公営住宅…等、村の公的な施設が集積しています。このような「オレンジ色の街並み」が誕生した背景には、前回の記事でも触れたJR名寄本線の廃止が関わっています。

1989年に駅がなくなり、ここにあった木材会社が倒産したことにより、村の中心部には大きな空地ができてしまいました。そこで郊外にあった老朽化した保育所等をここに移設したのですが、その際に外観をこのような色彩にしたところ、その温かみがあり、元気が出るような、個性的な色彩が村民に大変好評を得た、…のだそうです。

同時期に村では海外視察事業を行っており、ヨーロッパの色彩が統一された景観を参考に1999年、「美しい村づくり条例」を制定し、基本的に公益施設の外壁はオレンジ色、屋根は緑色にする、という日本では他に例を見ない色彩を基調とする景観形成基準が生まれました。2001年には「西興部村美しい村づくり事業推進補助金」事業が実施され、民間の建物についても屋根や外壁を村の「おすすめ色」にした場合経費の一部が補助されるようになり、その結果オレンジ色のアパートといった建物も村内に増えてきているようです。

「美しい村」がなぜこのオレンジ色でなければいけないのか、という疑問はなくもないですが、寒々しい雪景色の中ではこの色はよく映え、風景に明るさや温かみをもたらしてくれてよいのかもしれませんね。それにしても、かつて当サイトで取り上げた美瑛もそうですが、街の景観をまるごと更新するような思い切ったことができるのは、土地が豊富な北海道の、小さな街ならではなのでしょうか。

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2017.01.08

91-26 道の駅おこっぺ(北海道)

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オホーツク海に面した興部(おこっぺ)町にあり、1989年に廃線となったJR名寄(なよろ)本線興部駅の跡地に設けられた道の駅です。国鉄時代に廃止された興浜南線(こうひんなんせん)が分岐していた駅構内は広く、その敷地は車輪のオブジェのある公園として整備され、画像のように小ぎれいな建物が建っています。国道に面した一般的な道の駅としての機能に加え、近隣の街とを結ぶバスが発着し、交通拠点としての役割は受け継がれました。また、鉄道歴史展示コーナーや名寄本線を運行していた鉄道車両を静態保存し改装した旅行者のための簡易宿泊所(なんと無料!)も併設されています。

かつて町に鉄道が通っていたこと、ここに駅があったことをいつまでも忘れず、後世に伝えていきたいという、町の人々の切ない願いが強く感じられる施設です。

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2017.01.06

91-25 知床斜里駅(北海道)

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かつては「斜里」という名の駅でしたが、全国区である「知床」を冠することによる知名度向上を狙って1998年に現在の駅名となりました。その名の通り、世界遺産・知床への玄関口として機能しているJR釧網本線の駅です。

2007年に町の観光センターとの複合施設として改築された駅舎は地元産カラマツの集成材を積層させた木造のもので、水平線を強調したスリット状の開口部がランダムに配され、これは木々の間から漏れる陽射しを表現しているようです。地方の観光地の駅にしてはシンプルでモダンな印象で、たとえばログハウス風のような、わかりやすい直接的なデザインを採用しなかったところにセンスが感じられます。

ところでこのファサード、入口より右側は新設された観光センターの外壁なのですが、左側は以前からある駅舎を覆い隠すためだけにその外側に設けられた単なる壁です。それを単一の壁面として見せているところが面白く、コストも上手く抑えているな、と思います。

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2016.12.30

91-20 博物館網走監獄内の風景(北海道)

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「博物館網走監獄」から3つ目の記事です。

網走刑務所は自給自足を運営理念とし、「農園刑務所」として盛んに農作業が行われていたようで、画像に映っているのは漬物庫や耕耘庫(「こううんこ」と読むらしいです)等に使われていた建物です。前回(91-19)ご紹介した舎房同様、外側を黒い板で覆われた質素な木造の小さな建物がリゾート施設のコテージ群のように並んで、可愛らしく見えます。

年内の投稿は今回が最後です。これまで北海道の市部の風景をご紹介してきましたが、年明けからは郡部の風景を取り上げていく予定です。よいお年を。

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