J-11 (金沢)

2016.08.26

90-17 金沢21世紀美術館(石川県)

9017hse21m

2004年に開館した現代アートの美術館で、鑑賞者もその一部になれる体感型の作品が多いのが特徴です。無料エリアが多いこともあってか、国内でもトップクラスの入場者数を誇り、開館以降、金沢の新しい観光名所として不動の地位を確立しています。

この美術館は建築的にも大変な注目を集めています。金沢中心部に立地する公園のような施設を目指し、三方を道路に囲まれた敷地内にどこからでも人々が訪れることができるようにと、建物の平面形状は正面や裏といった区別がない円形で、外観はガラス張りの開放感ある建物となっています。

…というコンセプトが優れていたとしても、それをそのまま3次元化したからといって必ずしも美しいものができあがるとは限らない…と思うのですが、設計者の建築家ユニット「SANAA」がこの作品でヴェネツィア・ビエンナーレ第9回国際建築展最高賞の「金獅子賞」を獲得するなど、建築界での評判はすこぶる良かったようなので、最近の建築関係の人はこういうのがお好きなんだなぁ、と若干冷めた目で見ていました。

そんなこの建物の写真を何枚か撮った中で比較的気に入ったのがこのショットです。円盤状の屋根の上にそれぞれ高さの異なる白い直方体がランダムに建ち並んでいるように見える建築なのですが、白一色のはずの複数のキューブに高さと陰影で変化がつくと表情が出て面白いな、と感じました。前方に建つカラフルなアート作品と対比させるとなおさら…(こちらも円形という相似性です)。

辛口(?)ついでにもう一つ。ジェームズ・タレル氏の作品を香川県・直島町の「地中美術館」で見た時(「オープン・スカイ」)はとても感動したのですが、その後にここの「ブルー・プラネット・スカイ」(無料で鑑賞可能)を見たら、期待が大きかった分がっかりしてしまいました。似たような作品なのに何が違うのでしょう? 見た順番とか、単に私の感じ方の問題なのでしょうか?

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2016.08.25

90-16 石川県政記念しいのき迎賓館(金沢市)

9016hsesgh

先日の記事(90-14)の中で少し触れましたが、石川県庁は2003年に金沢の中心市街地から郊外に移転しました。そして、残された大正13年建築の旧庁舎の外観を広坂に面した表側だけ保存し、裏側を現代的なガラス張りの建物としてリニューアルした上で、観光案内やレストラン・カフェ、会議室、ギャラリーなどの機能を持たせてオープンしたのがこの施設です。

文化・交流機能という施設の性格、古さと新しさが融合した建築、その前面に横たわる芝生の広場、そして緩やかにカーヴしながら登っていくアプローチとそれに沿った水路…以前ご紹介した東京・高尾山麓の「高尾599ミュージアム」といろいろ共通するイメージがあるように思います。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2016.08.24

90-15 もてなしドームと鼓門(石川県金沢市)

9015hsemat

前回(90-14)では金沢駅の西側を取り上げましたが、今回は北陸新幹線開業を機に「兼六園口」と改称された、反対の東側です。

駅舎には「もてなしドーム」と呼ばれるアトリウムが併設されています(画像手前の場所です)。肉厚なガラスで覆われた空間は、今にも降り出してきそうな怪しい空の下のように、なぜか妙に薄暗く造られています。そして「もてなしドーム」の出口に建っているのが、その名のとおり鼓のように複雑かつ繊細にねじれた木製の柱が波打つどっしりとした大屋根を支えている「鼓門(つづみもん)」です。

この寺院建築を思わせる特徴的な朱塗りのゲートを持つ駅舎への評価は高いようで、たとえば米国の旅行誌「トラベル&レジャー」は、米国・ロサンゼルスの「ユニオン駅」、英国・ロンドンの「セント・パンクラス駅」、スペイン・マドリードの「アトーチャ駅」等とともに「世界で最も美しい駅」14選にこの金沢駅を日本から唯一選出し、その中の第6位にランキングしています。現代の最新の技術を駆使して造られた、日本的な伝統とともに新しさも感じさせてくれる木造の構造物は、工費、工期ともにそれなりにかかったようですが、安普請で画一的な駅舎にせず、後世に誇れる本物を遺したところが素晴らしいと思います。

この「鼓門」に関しては、街から駅の方角を撮ったアングルの写真をよく見かけるので、敢えて逆方向の画像を載せてみました。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2016.08.23

90-14 金沢駅金沢港口(石川県)

9014hsekkg

北陸最大の都市・金沢にやってきました。これまで当サイトではこの街を昔ながらの観光名所を中心に取り上げてきましたが、今回のシリーズでは金沢の新しい風景をいくつかご紹介していく予定です。

金沢の古くからの中心市街地は、金沢駅の東側(現・兼六園口)にあり、かつて「西口」と呼ばれていたこちら側は比較的新しく開発されたエリアのようです。かつては「駅裏」といった感じだったのでしょうが、石川県庁が2003年に駅東側からこちら側(といっても駅からはだいぶ離れていますが)に移転したのを機に発展が進んだとのことです。

そんな新しい金沢の顔である駅前の都市景観は、屋外広告物が全く見当たらず、異様にすっきりしています。ミラー・ガラスで覆われた流線型上の画面右側のビルをはじめ、どの建物もスケールが大きく、現代的なデザインです。そして、一帯にあふれる未来感をさらに増幅させているのが、手前の駅前広場内に建つ、バランスが悪く今にも倒れてきそうな巨大オブジェです(石川県の県域の形にも見えるような…)。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2008.08.12

57-7 Prego(石川県金沢市)

577psgprg

金沢の中心商業地・片町にかつてあったファッションビルの跡地を再開発した小規模なショッピング・モールで、その不整形な敷地形状を活かして、中庭のような広場と路地を持った魅力的な空間が生まれています。観光客が金沢に抱くイメージのような和風のデザインではなく、石畳や看板等、ヨーロッパ調にデザインされているところが、地域の人々に愛されているようです。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2008.01.25

44-4 お堀通り(石川県金沢市)

444roadknz

金沢城と兼六園を結ぶ石川橋の上から見た風景は、こんな感じです。両側を緑豊かな小高い丘に挟まれた、切り通しのような地形の間を真っ直ぐに進む道路の風景には、沿道の見え方にまで配慮した、国立公園内の有料道路をドライヴしている時のような心地よさが感じられます。右側の歩道もまた、金沢を代表する観光名所のそばという立地にふさわしく、花が咲き乱れる庭園の中の散策路のような美しさです。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2007.10.04

37-2 兼六園(石川県金沢市)

372gdnknz

続いては、日本三名園の二つ目です。

この園内は滝や池など、水の要素が豊富です。「水は低きに流れる」と言います。水が多い場所にいると、私は自動的に自分が低い土地にいるような錯覚に陥ってしまうのですが、この兼六園は、金沢城に隣接し、金沢市街の中でもかなり高台に位置する庭園です。近くに水を感じながらも、眼下には街の風景が広がっているというのは、まるで「空中庭園」のような趣きで、私にとってはちょっと不思議に感じられました。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2007.08.26

34-7 金沢市民芸術村(石川県)

347bttksgm

大正末期から昭和初期に建造された6棟の紡績工場群を、改修整備によって再生させた市の文化施設です。建物じたいにあまり文化財的な価値はないようなのですが、その分煉瓦タイルを貼ったり、構造を鉄骨によって補強したり、といった大胆な改修工事が行われており、建物の様式や歴史的価値よりも古い建物の持つ味わい・イメージの継承を重視しようという意図が窺えます。古い瓦と煉瓦の建物と、真っ赤な鉄骨や、シャープさを感じさせる回廊の構造体、幾何学的なランドスケープのバランスは、絶妙でかっこいいな、と思います。

この施設は、「アート工房」「ミュージック工房」「ドラマ工房」「エコライフ工房」などから構成されています。完成した作品を発表するギャラリーやホールはどこにでもありますが、それを創り出すためのスタジオや稽古場のような、言わば「文化・芸術のインキュベーション施設」は意外と少ないのでは、という気がしています。そういう意味でもこうした施設の存在は貴重なのではないでしょうか。付け加えると、ここは36524時間営業で、使用料が非常に安く、企画運営は民間から採用したヴォランティアが行い、利用者自身による自主管理方式がとられているそうで、公的な施設としては非常に融通がきくんだな、と感じます。市民の文化度の高さがこんなところに表れているのでしょうか?

金沢はこれまでにも何度か取り上げてきましたが、今回は、有名な観光スポットが集中する中心部からは少し外れた場所のご紹介でした。観光ガイドブックにも載っているかどうか・・・。とはいえ、JR金沢駅から、歩いても1520分程の距離なので、お時間があれば訪れてみてもよいかもしれませんね。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2007.02.20

22-1 ひがし茶屋街(石川県金沢市)

221

特別に強い思い入れがあるわけではないのですが、金沢の風景を取り上げるのは早くもこれで4回目になります。
ここは、かつて遊郭のあった花街だそうで、今も昔ながらの町屋が並んでいます。内部でお茶や甘味を楽しめる場所もあります。狭いながらも華やかで、独特の雰囲気があります。
木造家屋の街並みは、どこか頼りなく、儚げです。壁の色や石畳の色など、全体的に茶ばんだ色あいの風景は、私が普段暮らしている首都圏ではなかなか見られない感じがして新鮮です。
ちなみに、塩ビ製(?)の雨樋はなるべく目立たないよう、建物と調和した色に塗られているのですが、それでもやっぱり目立ってしまっていますね・・・。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2006.12.04

17-2 石川橋(石川県金沢市)

172

金沢城と日本三大名園の一つである兼六園という、日本的な美を代表するような2つの空間を結ぶ歩行者用の橋でありながら、デザインは古典的な西欧風の橋で、下から見るとどっしりとしたコンクリート製のアーチが優美です。一帯のランドスケープは、百万石の城下町らしい上品さと威厳に溢れ、金沢で最も美しい場所と言っても過言でないように思いますが、この橋はそんな風景によくマッチしています。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

より以前の記事一覧