J-12 近畿

2017.04.29

92-18 江原駅東口の風景(兵庫県豊岡市)

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今回の「北近畿の風景」シリーズの最後を飾るのは、合併して豊岡市となる前の、「日高町」の中心にあたるJR山陰本線・江原駅前の風景です。乗降客もほとんどないこの田舎駅(失礼!)に降り立つと、秋の午後の陽射しにどこかマッチするような、でもどこか安っぽい(再び失礼!)淡い色彩のハーフ・ティンバーの街並みが私の眼に飛び込んできたのが非常に印象的でした。

このような不自然に西洋風な景観が形成されたのには必ず訳があるはずで、その理由を推測してみて…やはり当たっていたのですが、この駅は、(関東で生まれ育った私は知らなかったのですが)関西きっての名門スキー場として知られているらしい「神鍋(かんなべ)高原」へのゲートウェイとなっており、その高原リゾートの玄関口としての雰囲気を盛り上げようと、ヨーロッパの田舎町によく見られるようなこの建築様式を、わざわざ「景観形成重点地区」として指定してまで採用したまちづくりが行われた、ということのようです。

若干皮肉っぽく書いていると思われるかもしれませんが、この風景、そんなに嫌いではないです。

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2017.04.28

92-17 辰鼓楼と大手前通り(兵庫県豊岡市出石町)

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ここが城下町・出石のメイン・ストリートで、正面奥が城跡です。前回(92-16)ご紹介した時計台・辰鼓楼も見え、そのすぐ手前の幟が立っている辺りでは、城下町らしく水を湛えた小さな堀と交差しています。通りは蕎麦屋等が建ち並ぶ商店街となっていますが、この画像で気になるのは、左手の商店に色とりどりの傘が、花開いたような状態で陳列されていることです。以前にも岡山県・吹屋で同じような風景をご紹介しましたが、こういった和風の色づかいの傘は、日本の古い街並みによく似合いますね。

 

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2017.04.27

92-16 辰鼓楼(兵庫県豊岡市出石町)

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出石城の、かつての「三の丸」にあたる豊岡市役所出石庁舎(旧出石町役場)前の広場(小学校の敷地だった時代もあるようです)から、スカートのようなシルエットを持つ和風の塔の裏側と、城下の屋根並みを撮ったものです。

この塔は「辰鼓楼(しんころう)」と呼ばれるもので、明治4年に辰の刻(7~9時)の城主登城を知らせる太鼓を叩く櫓として建設され、のちに寄贈された時計が設置されてからは、日本最古の時計台として親しまれているようです。

機能も形もスケールも、ちょっと埼玉県・川越の「時の鐘」を思い出させる構造物です。

 

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2017.04.26

92-15 大手前有料駐車場(兵庫県豊岡市出石町)

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本日から3回に渡ってご紹介する予定の出石(いずし)は、室町時代に城が築かれ、但馬(たじま)地域の中心として繁栄した城下町です。碁盤の目状に整備された町割りなどから「但馬の小京都」と呼ばれ、国の重要伝統的建造物群保存地区として選定された、蕎麦が名物の観光地となっています。

「大手」とは、城の正面を指す普通名詞のようで、全国各地の城下町の地名によく見られますが、その名のとおり画像の場所は、城跡の「登城門」のすぐ前にあたります。この付近は駐車場の他、公園や役所の庁舎前の広場など、広大なオープン・スペースが連続していて、スケールは違いますが東京の皇居前広場のように、まさに「城の正面」といった感じがする場所です。周辺の道路は交通量も少なく、「駐車場」ですので、徐行する車の間を歩行者が行き交う、人にやさしい「広場」のような感覚の空間です。

ちなみに駐車場に面して、奥に連続して並ぶ6つの蔵風の建物は、「びっ蔵」という、土産物屋や飲食店などから構成される観光客向けの小さな商業施設で、中心市街地の活性化を目的として第3セクター「出石まちづくり公社」により設置・運営されているものです。

 

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2017.04.24

92-14 駅通りの街並み(兵庫県・城崎温泉)

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JR山陰本線の城崎温泉駅から、街の中心的な空間である大谿川沿い(92-12)へと向かう、駅前通りの街並みです。この通り沿いでは近年電柱の地中化が行われたようで、電線類がとても気になる大谿川沿いとは違って、風景がとてもすっきりとして見えます。また、この城崎温泉の地域一帯で定められた「景観ガイドライン」に沿ったまちづくりも大谿川沿いと比べて進んでいるのか、茶系の色彩を基調にまとめられた和風の街並みが、より整然と感じられます。だからといって、この「駅通り」の方が風景として魅力があるのかと聞かれれば、それはまた別の問題なのですが…。

 

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2017.04.23

92-13 御所の湯(兵庫県・城崎温泉)

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神社(四所神社)の隣に建っていたので、これも神社を構成する建物の一部かと勘違いしてしまったほど、立派な唐破風(からはふ・曲線的な玄関部分の屋根のデザイン)を持ち、外周を縁側(?)に囲まれた日本の伝統的な宗教建築のようなこの建物は、2005年に移転新築された、城崎温泉に存在する7つの外湯(温泉街において、宿泊施設を伴わない公衆浴場)の内の一つです。通りに面した部分には門を備えた回廊を持ち、蓮の葉の浮いた池を渡ってアプローチするという、その名のとおり、京都御所を彷彿とさせる(まぁ、私は実際に見たことはないんですが…「寝殿造」っぽいなぁ、とは思いました。)格子窓の建築には格式が感じられ、そのせいか料金も他の外湯に比べて若干高めに設定されています。

ところで、城崎温泉は「7つの外湯を中心とした、外湯めぐりを主体とした温泉」であることが特徴なのだそうです。日本の温泉地は、かつて源泉開発の技術が進んでおらず湯量が自然湧出のものに限られていた時代には、「温泉は個人の占有物ではなく、共有財産である」という考え方もあり、浴場は共同のものとして整備され、旅館はその周辺に建てられ、宿泊客は入浴に際し旅館外の共同浴場に通っていました。しかし、技術が向上し、旅館ごとに独自の源泉を持つようになった大正時代以降は、このようなスタイルは全国的には少数派となってしまい、有名な温泉地へ行くと巨大な高層旅館ばかりが林立していて、宿泊のみならず入浴も、食事も、ショッピングも、娯楽も、一つの旅館から出ずに済ますことができるようになってしまっています。これでは、温泉地ではなく、単に旅館というハコの中に来ているだけで、どこの土地へ行っても大して変わらないじゃないか、と思ってしまいます。その点、「駅は玄関、道は廊下、宿は客室、土産物屋は売店、外湯は大浴場。温泉は一つの宿。」という考え方を持ち、人々が街を歩き、街を楽しむ姿が目に見えるこの城崎温泉のようなあり方の方が、温泉地として、街として健全なのではないか、などと感じています。

 

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2017.04.22

92-12 大谿川沿いの風景(兵庫県・城崎温泉)

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関西の方にはとても馴染み深いと思われる、1300年の歴史を持つ温泉地・城崎(きのさき)は、大谿(おおたに)川に沿って発展した街です。つまり、この川沿いの景観は、城崎を代表するものだと言えます。川の南北両側には木造2~3階建ての旅館群が軒を連ね、川べりの柳や桜の木々が水面に向かって枝を垂らし、灯篭の付いた東洋風の石造りの太鼓橋(県の「景観形成重要構造物」に指定されているそうです)がいくつも川に架かる街並みを、浴衣姿の湯治客が下駄の音を響かせながらそぞろ歩きしている光景はとても風情があります。この辺りは電柱・電線類が目立ち、それらが入らないように写真を撮るのが難しい点は残念ですが、それもまた時代を感じさせるような、ひとつの風情といえるのかもしれませんね。

 

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2017.04.21

92-11 豊岡市役所(兵庫県)

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京都府を離れ、本日から兵庫県内に突入です。豊岡市は県北部の中心的な都市で、平成の大合併によって、次回以降取り上げていく予定の城崎温泉や蕎麦で有名な城下町・出石(いずし)をも市域におさめることとなりました。

そんな広大な街の行政の中心となる市役所は、2013年に竣工した7階建てのモダンな新庁舎の手前に、画像の旧庁舎が鎮座しています。昔の学校を思わせるような親しみの湧く洋館で、大通りとの間には芝生の広場が整備され、街のランドマークとしてシンボリックに扱われているようです。

この建物は当時最先端のデザインと材料で1927年に建設されたもので、優れた近代建築と評価されているようです。新庁舎の建設にあたり曳家工事によって約25m移転され、現在は市議会議場や市民交流センターとして活用されているそうです。

 

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2017.04.19

92-10 「丹後の海」(京都丹後鉄道)

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まず、この車両を運行している「京都丹後鉄道」についてですが、舞鶴や天橋立、兵庫県の豊岡市などへのアクセスを担ってきた第三セクターの鉄道会社「北近畿タンゴ鉄道」から、ツアーバス大手として知られたウィラーグループが2015年に上下分離方式(インフラの管理と、運営を行う組織とを分離し、会計を独立させる)により事業を継承したことで話題になりました。

次にこの「丹後の海」ですが、北近畿タンゴ鉄道時代「タンゴ・ディスカバリー」と呼ばれていた車両をリニュアルしたもので、1990年代以降、JR九州において次々と個性的な内外装の車両を手がけてこられ(世間的に最も有名なのは、贅を尽くしたクルーズ・トレイン「ななつ星in九州」でしょうか?)、現在では利用者減に悩む全国の地方私鉄から救世主として引っ張りだことなっている、水戸岡鋭治氏の設計・デザインという点が大きなポイントです。

丸みを帯びた深いブルーの外観を持つこの車両の内装は、天井や床等にふんだんに木材が使われ、座席に張られたモケットは1両の中でも複数の色や柄があり、木製の肘掛けも付けられているという贅沢なものです。中でも私が最も気に入ったのは、暖簾とパーテーションによって仕切られた(鉄道の車内に暖簾が懸かっている、という点自体、既に遊び心満点ですが)、運転室のすぐ後の大きな展望窓を持ったこの共有スペースです。わずか2両の編成で運行している狭い車内に、こんなゆったりとしたラウンジのような席が設けられているのが魅力的で、旅がより楽しくなります。

 

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2017.04.18

92-9 伊根湾(京都府)

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京都府伊根町は、京都から鉄道で2時間、さらにバスに乗り継いで1時間という、陸路の交通がたいへん不便な土地です。そのかわり、この小さな町の視線は海に向いています。この町の基幹産業は漁業で、京都府下で水揚げされる水産物の4分の1をこの町が占めているのだそうです。そしてここ伊根湾は、海に面した船の収納庫の上に住居を備えた「舟屋」が建ち並ぶ景観が有名で、数々の映画やTVドラマのロケ地ともなりました。

画像は「伊根湾めぐり遊覧船」から撮ったものです。ほんとうは舟屋群の風景を見るのを楽しみにはるばるここまでやって来たのですが、むしろそれよりも印象に残ったのが湾の水面に浮かんだ円や四角の幾何学形態です。伊根湾はブリ等の養殖が盛んで、これらはその生け簀らしいのですが、静かで平和な湾の風景の中で、そのメタリックな構造物は海中都市への入口かと思ってしまうほどミステリアスで、ミスマッチな感じがします。

 

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