J-18 奈良・和歌山

2021.02.09

104-13 和歌山マリーナシティ(和歌山市)

10413ksiwmc

「和歌山マリーナシティ」は市南西端に位置し、万葉集にも読まれ古くから風光明媚な地として知られる和歌浦湾に浮かぶ人工島で、1994年に開催された「世界リゾート博」を機に開発されました。水面を含めた開発総面積は65haで、昨今話題の統合型リゾート(IR)の候補地にもなっています。島内はヨット・ハーバーを中心に、ヨーロッパの街並みやアトラクションが楽しめるテーマパーク「ポルトヨーロッパ」、毎日マグロの解体ショーを開催している観光魚市場「黒潮市場」、目の前に海が広がる「紀州黒潮温泉」、「海釣り公園」など、アミューズメント施設が集積しています。

画像右側の黄色い外観の建物は明るく爽やかな南欧風リゾートのイメージで建てられたというリゾート・ホテル「和歌山マリーナシティホテル」で、よく見ると船が通れる水路を跨ぐように造られています。

その奥には浴室から湾やヨット・ハーバーを一望できるというオーシャン・ヴューの高層リゾート・マンションが何棟も建てられています。建物群は海沿いのイメージからかスカイラインも、そして平面的な配置も波を描くように建てられています。外壁の色は白を基調としつつ棟によってイエロー、ブルー、ピンクなどのパステル・カラーで塗り分けられていて、米国・マイアミビーチのアール・デコ地区を思わせる南国風の爽やかで楽しげな景観を形成しています。

| | コメント (0)

2021.02.07

104-12 三年坂通り沿いの風景(和歌山市)

10412ksisnz

前回(104-11)は和歌山城の東側でしたが、今回は南側の風景をご紹介します。

ここは画像右側(北)の城(現在の和歌山城公園)と、その左側(南)の三の丸跡との間に造られた切り通しで、こんな場所を彷彿とさせる、無電柱で街路樹が爽やかな幹線道路です。

この道を歩いていて、気になる建築を2つ見つけました。一つは画像左側の、外壁からの突起がやたらと目立つ、巨大で煩い「和歌山県立近代美術館」で、バブル末期に黒川紀章氏が奥に隣接する「和歌山県立博物館」と一体的に設計されたもので、「公共建築百選」にも選ばれているそうです。

もう一つは画像奥に建つ「和歌山県庁南別館」で、「耐震ラティス」と名づけられた斜めの格子状の構造体が建物の外周を取り囲んでいる姿が珍しく、目を引きます。県の防災拠点施設でもあるこちらの建物も、有名建築家・高松伸氏らによる設計です。

| | コメント (0)

2021.02.05

104-11 和歌山城東堀沿いの風景(和歌山市)

10411ksiwjh

奈良県の次は、お隣和歌山県・和歌山市内の風景です。

御三家の一つ、紀州徳川家の居城だった和歌山城は、市中心部に位置する標高約50mの虎伏(とらふす)山頂に建造された平山城で、画像左側の本丸・二の丸が公園として一般開放されています。城は三方を堀に、南側を空堀に囲まれていますが、この「東堀」が最も幅が広く面的な水辺となっています。画像右側は広大な三の丸の一部で、中央郵便局や、地方裁判所、地方合同庁舎といった公的な施設が建ち並んでいます。

この街を訪れて、(和歌山市に限らず)私は「城下町」が好きなんだな、と改めて気づかされました。街の中心に「城の天守閣」というシンボルとなるランドマークがあって、城跡は水に囲まれた緑豊かな広いオアシスを都心部に提供し、昔ながらの石垣が歴史を感じさせてくれます。城の周りはたいていこのような官庁街や文教地区となっていて、商業中心とは異なる、威厳と落ち着きのある都市景観を形成しています。街は全体的に整然と区画されて街路網に明確な秩序が感じられ、古くから残る数々の町名が豊富なエピソードを語ってくれます。そんな城下町の人々は、自分が「世界」の中心に暮らしていることを日々実感でき、伝統と文化のある街に誇りを持てそうだな、と私には羨ましく思えるのです。

| | コメント (0)

2021.01.30

104-10 天理駅前広場コフフン(奈良県)

10410ksitek

駅前広場に子供のための遊び場が造られた、しかもそれが巨大なアート作品のようで、景観としては子供っぽくなっていない、そんな事例として紹介され、インターネットで画像を検索してみたらとてもよさそうだったので、奈良市から足を延ばしてわざわざ訪れてみたのがここ天理市で、宗教法人・天理教の本拠地として知られる街です。

「コフフン」という愛称がつけられたこの駅前広場ですが、結論から言えば、どうやっても美しく見えず、がっかりしました。広場の周りを美しくない雑居ビルが取り囲んでいて、地上レヴェルで写真を撮ろうとするとどうしてもその乱雑な背景が入ってしまうというのがその主な理由です。近くの立体駐車場の屋上や駅のプラットフォームといった少し高い所から撮ってみてもあまり変わらず…。改めてインターネット上の画像を確認してみるとかなり上空から撮ったものがほとんどのようでした。市民の憩いの場としてはよく利用され、親しまれているようですが、カメラを向けようという気にはならず…。「いい景観」と「美しい景観」は違うのかもしれない、景観の美しさなんて誰も求めてないのかな…などと最近改めて感じるようになっています…。

2017年にオープンしたこの「コフフン」は、約6,000㎡という広さを持つJR・近鉄の天理駅前広場に、市内に約1,600点在する「古墳」を想起するような、野外ステージや大型遊具、カフェやレンタサイクル、観光案内などの機能を備えた円形の造形を複数組み合わせて配置し、起伏に富んだランドスケープをつくることで、山々に囲まれた奈良盆地という地理的特徴を表した…のだそうです。

| | コメント (0)

2021.01.28

104-9 猿沢池のライト・アップ(奈良市)

10409ksisil

「猿沢池」と言えば、確か古文の教科書に出てきたような…どんな話だったかは全くもって憶えていないのですが…奈良公園内にある周囲360mという小さな池で、興福寺が行う「放生会(ほうじょうえ・捕獲した魚等を放し殺生を戒める宗教行事)」のために749年に造られました(さすがに奈良の歴史の古さは他の街とは桁が違う!)。寺は前回(104-8)ご紹介した三条通りを挟んだ北側に位置し、木々の影には五重塔が隠れています。水面に塔と湖畔の柳が映るその姿は評判が高く、池の上空に月が出る「猿沢池月」は古くから「南都八景」(奈良市の東大寺・興福寺周辺に見られる優れた風景)の一つに選ばれています。

そんな名勝の魅力を活かすべく、猿沢池では通年でライト・アップが行われているようで、三条通りに沿って等間隔に立ち並ぶ柳の木々がイエローとグリーンの光で照らされ、その姿を水面に映しています。私が訪れた夜の猿沢池はほの暗く、静かで、涼しく、秋の深まりを感じる風景でした。

| | コメント (0)

2021.01.26

104-8 三条通り(奈良市)

10408ksissm

前回(104-7)ご紹介したJR奈良駅から奈良公園までの約1.2kmにわたって奈良市の中心市街地を東西に貫く目抜き通りです。沿道には興福寺や猿沢池(次回取り上げる予定です)といった観光名所があり、春日大社の参道ともなっていて、並行する国道369号同様、東へ向かって身体が負担を感じない程度に微かな傾斜のついた上り坂となっています。この通りは古くは平城京の三条大路にあたり、つまり古代からの都市軸を受け継いでいることになります。

ここは奈良市を代表する商店街として、地元向け老舗商店、金融機関、ホテルなどが建ち並ぶ一方、観光客向けの土産物店や食べ歩きのできる飲食店等も多く、沖縄・那覇の国際通りのように華やいで、浮かれた雰囲気も感じられます(画像は早朝のものなので店が開いておらず、人通りもないですが)。

この通りでは近年、中心市街地におけるシンボル・ロードという位置づけにより、歩行者の安全と、景観に配慮した整備が行われ、無電柱化工事や沿道施設の景観規制も進められました。通りの西側500m弱のこの画像の区間においては、道路幅員が8mから16mに拡幅されましたが、車道は一方通行の1車線のみとし、その分両側の歩道を4.5mずつ確保して、かなりの余裕を持たせています。歩道と車道の間に段差はほとんどないので、通りの反対側へ渡る際に感じる心理的なバリアがありません。というか、日曜祝日の昼から夕方にかけては全面的に車両通行止になっているようです。歩道と車道の一部は大きめの天然石で舗装されています。また、ボラード(車止め)は可動式で、祭りの行列の際には1.5m外側に動かして車道を拡げているそうです。ここが完全な歩行者天国となれば、当サイトでかなり昔にご紹介した米国・サンタモニカの「サード・ストリート・プロムナード」のような質の高い商業空間ができあがるのでは、などと感じました。

| | コメント (0)

2021.01.24

104-7 JR奈良駅の夜景(奈良市)

10407ksijns

「けいはんな」の「けい」から「な」へ移動して、奈良市内の風景のご紹介です。

奈良市中心部へのアクセスは近鉄奈良駅の方が便利で乗降客数も多いのですが、JRを利用する場合はそこから1kmほど離れたこちらの駅が玄関口となります。

現在駅周辺は高架化されており、画像左奥に3代目の駅舎がありますが、2003年までは手前の仏教寺院を思わせるエキゾティックないでたちの、いかにも「古都!」という感じの建物が駅舎として使われていました。「近畿の駅百選」に選ばれ、近代化産業遺産にも認定されているこの駅舎は1934年に2代目として完成したもので、方形屋根に相輪(仏塔などの屋根から突き出した金属製の装飾)を持つ和洋折衷様式の建築となっています。高架化事業にともない取り壊される予定だったのですがその歴史的価値から反対の声が根強かったこともあり、曳家によって元の位置から18m移動されたうえで保存されることとなりました。現在は市の総合観光案内所として活用され、広々とした東口駅前広場の一角を占め存在感を放っています。そして夜は障子を思わせる格子窓から漏れるその灯りが暖かく感じられます。

| | コメント (0)

2008.11.15

63-8 奈良公園・鷺池(奈良市)

638htrsgi

広大な奈良公園の南のはずれにあります。名所としてそれほど知られているわけでもなく、訪れる観光客の姿も少ないのですが、池の中央の浮御堂(うきみどう)とそこへと架かる橋の微妙なカーヴや、背後に見える山並みが美しかったので、取り上げてみました。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2008.10.21

62-1 国道369号(奈良市)

621slp369

奈良市の中心部から、奈良公園のある西側へと延びる通りです。緩やかなカーヴを描くなだらかな坂道の先には、木がほとんど生えていない芝の丘・若草山が横たわっています。この広い通りを横切る架空線はありません。そして画面の左側には、奈良県庁舎等、頭頂部のデザインが印象的な建築が見えます。そうしたことから、ここでは自然と空に視線が行き、空の広さを感じられる心地よい坂道となっています。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2008.10.16

61-8 高野山壇場伽藍(和歌山県)

618frskdg

高野山は、ユネスコ世界遺産にも登録された、日本仏教の聖地である「宗教都市」で、山に囲まれた街がほとんど宗教施設(寺院等)で埋め尽くされています。寺だけで一つの街が成立してしまうというあたりに、宗教というものの力の大きさを感じてしまいます。

これまでシリーズで取り上げてきたのが「都市の中の森」だとしたら、今回はロケーション的に「森の中の街」と言うべきでしょうか。街は周囲を山の木々に囲まれ、寺院の周りの植栽は和な感じのランドスケープがきめ細やかです。画面の背景に立ち並ぶひょろ長い木々は杉でしょうか?(違っていたらスミマセン) 屋根を遥かに追い越して先端が見えないほど背が高く、真っ直ぐ伸びている姿が印象的です。

| | コメント (0) | トラックバック (0)