J-09 長野・山梨

2016.09.07

90-26 石の教会(長野県軽井沢町)

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前回(90-25)ご紹介した「ハルニレテラス」と同じ「星野エリア」内に建つ教会で、「建築が自然の一部になる」という「オーガニック建築」を標榜しており、その礼拝堂の外観は巨大な岩を何枚にもスライスして並べたようで、全体がアート作品として造られています。

画像はそのエントランス部分です。本当は上部から光が差し込んだ洞窟の中のような礼拝堂の荘厳な様子がとても素晴らしくて、それを載せたかったのですが、写真撮影が禁止されていたので自重させていただきました。まぁ、そんなことはお構いなしにスマート・フォン等で撮影しまくっている方々もいらっしゃいましたが。

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2016.09.06

90-25 ハルニレテラス(長野県軽井沢町)

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ここは軽井沢の市街地から外れた森の中に、ホテル、別荘群、教会、温泉施設、食堂等が点在する「星野エリア」で、経営不振に陥ったリゾート施設や旅館の再生を手がけてきたことで知られる「星野リゾート」の発祥の地です。画像は星野エリアを構成する商業施設で、ハルニレの木々を避けるように9棟の建物がランダムに並び、それらがウッド・デッキで繋がっています。

ショップ数わずか15という小規模なこのモールは、森の中に埋もれるような環境に調和するように、どこか和を感じさせるような黒い屋根の小さな木造建築が並び、全体的に落ち着いた雰囲気で造られています。北海道の新富良野プリンスホテルの敷地内には、脚本家・倉本聰さんがプロデュースされた「ニングルテラス」という商業施設がありますが、それとちょっと似た環境です。

ちなみに、どのショップも、値段が高いというだけでなく、どこか気取って、お高くとまった感じがする商業施設です。

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2016.09.05

90-24 軽井沢プリンスショッピングプラザ その2(長野県)

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前回(90-23)ご紹介したアウトレット・モールの夜の風景です。

この施設は、スキー場、テニスコートなども有する約110万坪という総合リゾート・軽井沢プリンスホテルの敷地内の、かつてゴルフ場だった場所に建っているのだそうです。この画像では、画面左側には延々とショップが並んでいますが、通路の右側には巨大な芝生が広がっています。他にも大きな池など、ここがゴルフ場だった時代の名残を示す環境が随所に見られます。よく言えば敷地の広さを生かし、自然の豊かさが感じられる、リゾート地らしい贅沢な環境に恵まれたアウトレット・モールですし、悪く言えば土地を非効率的に使って、無駄に動線を長くした歩き疲れる商業施設です。

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2016.09.04

90-23 軽井沢プリンスショッピングプラザ その1(長野県)

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明治以来の外国人避暑地として名高い軽井沢でリゾート開発を手がけている西武グループの一大拠点・軽井沢プリンスホテルの広大な敷地内に1995年にオープンしたアウトレット・モールです。

北陸新幹線の軽井沢駅前という極めて利便性の高い場所(画面のすぐ左側に新幹線の線路があります)に立地する建物群は、背後の山並みを思わせるように切妻屋根が並んでいます。植えられた木々の植生も微妙に高原の冷涼な気候を感じさせ、全体的に避暑地のリゾートといった雰囲気を漂わせています。

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2016.09.02

90-22 オープンガーデン(長野県小布施町)

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前回(90-21)から取り上げている小布施町では、栗、葛飾北斎に続く第3の柱として(?)、花のまちづくりを進めています。その一環として平成12年に始まったのが、その名のとおり丹精込めて美しく飾った各家庭の庭を開放し、来訪者との交流を楽しむ「オープンガーデン」という活動で、現在は町内で130軒が参加しています。

画像のオープンガーデンは個人宅のものではなく、左側に喫茶室が見えるように、街の中心部に位置する店舗の庭のようですが、足の踏み場もないような他人の家の庭に勝手に入り込んで、自慢の庭を鑑賞するのが許されるというのは、年々セキュリティとかプライヴァシーに関してうるさくなっている都会に暮らす人間としては不思議な感覚でした。

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2016.09.01

90-21 小布施堂テラス(長野県)

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北陸新幹線に沿って富山県から西へと向かった今回のシリーズですが、福井県で折り返し、長野県に戻ってきました。今回ご紹介するのは長野駅から地方私鉄・長野電鉄で約30分程の位置にある、小布施(おぶせ)町です。人口は約1万人、面積は長野県の自治体で最も狭く、20㎢にも満たないという小さな町です。江戸時代後期の浮世絵師・葛飾北斎ゆかりの地であり、その作品を一堂に集めた「北斎館」が立地する他、「小布施堂」をはじめ町内にいくつかある和菓子店の栗菓子が特に有名で、今や北信濃地域有数の観光地として認知度が高まってきています。

町の中心部に位置するこの北斎館と小布施堂周辺約1.6haのエリアでは、1980年代半ばに商工業空間・居住空間を併せた回遊できる界隈に修景する(古い町並みを単に保存するのではなく、もとの景観に通じる要素を残し、まとまりのある新たな景観をつくっていくこと)という「町並修景事業」が、民間主導で行われました。その成果がこの画像のような風景です。

宅配業者のトラックが停まっているのが見えるように、この空間は、和菓子工場のバック・ヤード等、それぞれの敷地にとっては裏手にあたる場所ですが、「外はみんなのもの」という意識のもと、境界を感じさせず、広場や通り抜けできる小道を設けて、手づくり感と生活感のある和風の庭のように繊細にしつらえています。

この小さな町の見どころは、徒歩で十分に回れる程のエリアにまとまっていて、宿泊施設もほとんどないなど観光地としては実に小規模です。そんな小布施のまちづくりはすべてがコンパクトで、小さな広場や路地の細部にまで神経が行き届いているように感じられます。

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2013.12.30

81-5 縄手通り商店街(長野県松本市)

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前回(81-4)取り上げた女鳥羽川の北側に沿って、緩やかにカーヴした線形を持ち、背の低い長屋状の古い建物が並ぶ、下町の路地といった趣きの小ぢんまりとした商店街です。

全体的に言えば縦・横に整然と区画され、ビルが建ち並び近代的な印象のある松本の市街地において、スケール感の異なる「異物」のように挿入されたその空間は、金沢の「ひがし茶屋街」、もしくは東京・新宿の「ゴールデン街」のように、歴史のある町における花街を思わせるような、非日常感を味わえる不思議な場所です。

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2013.12.29

81-4 女鳥羽川(長野県松本市)

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女鳥羽川(めとばがわ)は、松本市の中心部を流れる小さな川で、かつては松本城の外堀としても機能していたそうです。画面中央に見える石垣はその頃からの名残なのか、それともわざわざ復元したものなのかはわかりませんが…。その石垣の護岸の上は「縄手通り商店街」(次回取り上げる予定です)になっていて、その長屋のような小ぢんまりとした白壁の建物が印象的です。その奥の背景となっているオフィス街のビルの外壁の色彩も重厚で落ち着いていて、全体として歴史ある街のしっとりとした情緒を感じる川沿いの風景です。

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2013.12.28

81-3 公園通り(長野県松本市)

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以前、あるTVドラマで、ここ松本から東京に出てきた女の子が、「松本は、そんなに田舎でもないですよ。パルコもあるし。」と語る場面がありました。このセリフからもわかるように、画像奥に鎮座するライト・グレーの不思議な形をした建物「松本パルコ」は、松本市民にとっての誇りであり、この一帯は若者向けの店が集まる松本における流行の発信基地という位置づけなのかもしれません。本場、東京・渋谷のパルコの例にあやかってか、駅からそこへのメイン・ルートは、沿道に公園があるわけでもないのに「公園通り」と名づけられています(「パルコ」は、スペイン語で「公園」を意味)。

そんな地区のイメージにふさわしく、城下町の縦・横の街路パターンの規則性を破って斜めにくねくねと走るこの細街路は、車道も歩道と同様にお洒落なブロック舗装がなされています。歩道と車道の境界部に縁石はあるものの、段差はないので、歩行者専用道路のような感覚で広々と歩けそうな気がします。沿道の建物のデザインも、前回(81-2)取り上げた「本町通り」の「街づくり協定」と関連があるのか、一つ一つの建物がお洒落で個性的でありながら、全体としてはすっきりとした街並みが形成されています。

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2013.12.27

81-2 本町通り(長野県松本市)

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長野県の経済の中心で、国宝・松本城を中心とした城下町である松本市の、まさに城の正面から南へ伸びる大通りが、この本町通り(ほんまちどおり)です。

この通りの西側沿道の街並みを見て、私はどこか不思議な感覚を覚えました。ファサードのデザインがあるテーマで統一されているという訳でもないのにどことなく整然とした感じ。建物がどれも比較的最近建て直された物のように見え、高さや幅といったスケール感、凹凸なく揃った壁面の位置、縦長を基調とした窓の形、自然石を用いた外壁素材の質感…等に一定の秩序が感じられ、緩やかな統一感が見られるのです。さらに街角には、その立地を強調し、ランドマークとなることを意識したようなデザインの建物が建っています。電線類も見当たりません。

…そう思って少し調べてみたら、この通りの西側では土地区画整理事業が行われたのを契機として、10年ほど前に「街づくり協定」が定められ、「蔵をモチーフにした擬洋風建築等、和洋風が奇妙に入り混じった本町独自の景観形成」をコンセプトに、統一感と個性を活かすファサードのデザイン・コードが例示されるとともに、壁面後退、1階部分の高さ、壁材、看板に関する制限…等のルールが設けられていたようです。

美しさが自然と感じられる街並みには、その裏に地域の人々のこうした努力が隠されているのだなぁ…と改めて実感させられました。

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