J-05 千葉

2011.04.06

76-5 上総中野駅(千葉県大多喜町)

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東京という大都会の喧噪の中で過ごす日々にストレスを感じはじめていた私は、ある年の夏休みを迎えるにあたり、「とにかくどこか田舎に行きたい!」と思いつきました。あまりお金も無かったので、いちばん近い田舎に。候補に挙がったのは「半島」という、交通が不便なために他の地域とのつながりが隔絶されている土地で、東京からは海を隔てて対岸に位置する、近くて遠い巨大なフロンティア(辺境)、房総半島を目指したのでした。

房総半島には、外周部の海岸沿いに幹線(?)というべきJR内房線・外房線が通っていますが、海岸部から内陸に向かうローカル線も何本かあります。そして、外房(太平洋側)の大原駅を起点とする第三セクター・いすみ鉄道と、内房(東京湾側)の五井駅を起点とする私鉄・小湊鉄道が出逢う、半島のちょうど中央部に位置しているのがこの上総中野駅です。

いすみ鉄道の方は、「レールバス」と呼ばれる、その名の通りレールの上を走るバスのような簡素な車両(画面左側)が1両で草原の中をくねくねと走る列車で、もう一方の小湊鉄道はというと、大昔にどこかで使われていたものを持ってきた、エアコンも付いていないような古い車両(画面右側)で、この駅には一日に5往復しか列車が発着しません。そんなわけで東京駅からの直線距離にして50kmも離れていない駅とは思えないようなのどかさです。プラットフォームの高さは、バリアフリーなんていう時代の流れなどどこ吹く風といった昔ながらの低さで、雑草は生え放題。線路を跨ぐ陸橋など無く、画像のように踏切内を幼児がよちよち歩きしていても全く危険が感じられません。

東京に居て当サイトをご覧のみなさまも、最も手っ取り早く田舎の風情を味わいたかったら、こんな駅を訪れてみてはいかがでしょうか?

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2009.03.29

72-12 浦安市民墓地公園(千葉県)

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今回の風景が最後の投稿となりますので、最後(最期?)にふさわしく、墓地からお送りしたいと思います。

とは言え、東京ディズニーリゾートを擁する浦安市営のこの墓地「公園」に辛気臭さは全くありません。東京湾岸の埋立地にできたニュータウン(※)の中にふさわしい明るく開放的なランドスケープで、ここには幽霊も怪談も肝試しも似合いません。建てられる墓は形が決められていて高さが低く抑えられているので、園内は非常に見通しが利き、広々として心地よい空間です。墓石が横長になるということは自ずと墓碑の銘文も縦書きではなく横書きになるわけで、そんなところにもアメリカナイズされた、現代的で洗練された墓地を造りたい、という意図が感じられます。

※関連バックナンバー 71-5「シンボルロード」

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2009.03.06

71-5 シンボルロード(千葉県浦安市)

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東京湾を埋め立てて造られた新しい市街地・新浦安地区に、まさに市を代表する大通りとして、広々とした幅員と豊富な街路樹を備え、電線類を地中化し、随所にユニークなモニュメントや散策路、水路等を配すなど、シンボリックに整備された贅沢な街路です。一直線に並ぶスマートなデザインの街路灯からもわかるように、空間全体のイメージは、海沿いのニュータウンにふさわしく明るさ、清新さ、開放感を強調するようなテイストとなっています。沿道の高層マンション群はどれもカラフルで、楽しげなスカイラインを描いています。

この新浦安地区は東京ディズニーリゾート(TDR)が立地する舞浜地区に隣接しており、JR京葉線で東京駅まで直通15分という交通至便なベイエリアの住宅街として近年非常に人気が高く、この地の高層マンション群に暮らす若奥様は「マリナーゼ」などと呼ばれ、そのライフスタイルがもてはやされているらしいです。TDRの存在が浦安市にもたらしているものは地域イメージの向上だけではありません。一大産業と化したテーマパーク・ビジネスからの法人税収入のため市の財政力は全国屈指で、公共サーヴィスも行き届いているようです。暮らしやすさに惹かれて住みたいと思う人が増えていけば、人気が高まり地価が上昇し、裕福な住民が増えて所得税収入が増えると、より公共サーヴィスが充実していき・・・人口減とか、少子高齢化とか、日本中に不景気な衰退ムードが蔓延している中でこんな好循環が続く浦安市というのはなんとおめでたい自治体なのでしょうか。「夢と魔法の王国」というのは、どうやらゲートの外の現実世界にまで続いているようですね。

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2009.01.12

67-6 海ほたるの2匹の亀(千葉県木更津市)

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四方をぐるりと海に取り囲まれた海上パーキング・エリアの風景です。

高い建物など、垂直的な景観要素が何もなく、どこまでも広がる海原の水平さをさらに強調するかのように、平べったい2匹の海亀がデッキ上を這うような姿が、何とものどかで癒されます。

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2008.10.24

62-4 成田山新勝寺表参道(千葉県)

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JR、および京成電鉄の駅から、全国屈指の初詣参拝客が訪れる成田山新勝寺に続く参道です。画像からもわかるように、そのルートはくねくねとカーヴし、アップダウンも多いです。そして、もちろん門前町なので、沿道には土産物屋などが多く建ち並び、その街並みに統一感はないものの、それぞれが昭和の温泉旅館のような、日本情緒を感じさせるようなスタイルで建てられています。

ここを歩く人々の中には、外国人旅行者と思しき方々の姿を多く見かけました。それはやはり、成田国際空港に近いという理由からなのでしょうか。飛行機の乗り継ぎ等で、浅草など東京都心まで足を運ぶほどの時間はないけど、という人々が気軽に日本を味わえる場所としての需要があるとか・・・。そういえば、バブル期に某大手商社が、成田国際空港の近くに日本文化をテーマにした「ジャパン・ヴィレッジ」なるテーマ・パークを造ろうと計画していたような記憶がありますが・・・そんなものを造ろうとするまでもなく、こんな近くに本物があったんですけどね。

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2008.09.29

60-6 パティオス(千葉市)

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1990年代後半から開発された幕張新都心の中層住宅街で、街区ごとにそれぞれ異なる事業者・設計者が、共通のデザイン・コードに基づいて設計し、各街区が個性を競いつつも、建物高さや建物壁面の位置、外壁のデザイン、色彩等に統一感のある街並みが続いています。また、建物の1階部分には、通りに都市的な賑わいをもたらすような店舗等の非住宅施設が配置されています。

なかでも特に私が画期的だと思うのは、欧米の街並みのように、建物が街路に顔を向けて建てられている点です。日本の都市の住宅は、その前に高い建物があろうが(あるいは将来的に建つ可能性があろうが)とにかく南に建物を向けようとこだわるあまり、街路という半永久的に日照・通風・眺望が保障されたオープン・スペースの存在を忘れていて、建物によって街路景観を形成していこうという意識がほとんど感じられないですからね。

このエリアがコマーシャル・フィルムのロケ地として人気が高いのは、「都市の街並みとはこうあってほしい」という、日本人が潜在的に抱いている理想の風景がここに体現されているからではないか、と私は思っているのですが、どうでしょうか。

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2008.09.10

59-6 ディズニー・アンバサダー・ホテル前(千葉県浦安市)

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以前取り上げた通りの、違う地点の画像です。東京ディズニーリゾートの経営母体・オリエンタルランドの本社もこの通りに面しています。

本家米国のディズニーランドは、カリフォルニア、フロリダといずれも暖かい土地に立地しています。ですから、日本においてもディズニーの世界を体現する上で、パームツリーは欠かせないアイテムということになるのでしょう。たとえ年中温暖な気候というわけではなく、空が灰色に曇っていても、左側に見えるこの派手なホテルのデザインと、街路樹などの植栽との間では、ちゃんと調和のとれた世界が完結しています。

ところで、この非日常感あふれる空間の中を行き交う多くの人々の姿は、なぜか妙に日常感に溢れています。彼らはディズニーリゾートで働くアルバイトの人々なのでしょうか? 時間帯を問わずこれだけの人々が動いているということは、このテーマパークがいかに巨大な産業かということが言えると思います。

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2008.08.30

58-7 海ほたるパーキング・エリア(千葉県木更津市)

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東京湾中央部の人工島上に設けられた、世界初の海上パーキング・エリアです。今回の事例はシリーズのこれまでのものとはちょっと趣旨が違い、どちらかと言えば「道路の風景」2008年1月)のシリーズで取り上げた方がよかったような気もしますが、まあ、パーキング・エリアも駐車場ではあるので・・・

空が霞んでいて対岸の木更津側が見えないので、一直線に伸びる車道がまるで空の彼方へと吸い込まれていくようにも感じられます。どういうわけかきれいな左右対称にはならず、微妙なカーヴを描くランプ(導入路)が、広大な海のスケール感と比べてあまりにも繊細な感じで、それが魅力的です。

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2008.06.12

53-6 パティオス(千葉市)

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これまでにも何度か取り上げた(※)幕張新都心の住宅地区で、事業者・設計者がそれぞれ異なる20以上もの街区にわたって、統一感のある街並みが形成されるよう、詳細な決まり(デザイン・コード)が設けられ、それに基づいて建物がデザインされています。
デザイン・コードについては、別の機会にじっくり取り上げられれば、と考えておりますが、今回のシリーズのテーマである色彩に関しても、一定のルールの存在によって全体としての調和が考えられつつ、そのルールの中でそれぞれの街区が個性を発揮しようと頑張った結果、華やかな彩りのある景観が形成されていると思います。

※関連バックナンバー
 50-2「メッセ・モール」42-8「幕張新都心」9-1「幕張新都心」

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2008.05.12

51-6 東京ディズニーリゾート周辺(千葉県浦安市)

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東京ディズニーリゾートのゲートウェイ、JR舞浜駅から東京ディズニーシーへ歩いてアクセスする時に通る道です。非日常を感じさせるパームツリーの並木道は、本家米国のディズニーランドが立地する温暖な地のイメージを移植するために不可欠なアイテムなのでしょう。
通りの反対側に立地するのは東京ディズニーランドで、ヴォリューム感のある緑は、パーク内から外の世界が、パーク外からパークの裏側が見えないようにする役割を担っています。この緑が地域の環境に寄与していることは確かなのでしょうが、やさしい緑、というよりは緑の姿をした巨大で堅牢な壁という、ちょっと暴力的な感じがしなくもないです。

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