1-4 さいたま新都心駅(さいたま市)
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最後に、こぢんまりとして、親しみやすいランドマークを。
川越市は東京都心から約30kmの距離にあり、郊外のベッドタウンとしての性格を持ちながら、一方で「小京都」ならぬ「小江戸」と呼ばれる古い歴史を持ち、蔵造りの建物が並んだ景観が残された観光地としても人気があります。高さ約16mの「時の鐘」はそんな街のシンボル的な存在で、現在も1日に4回、時を告げる鐘を鳴らし、「日本の音風景百選」にも選ばれています。
関東という土地はもともと関西などに比べ歴史の蓄積が少ない上、市街化が急速に進んだ東京の郊外では、街の個性につながる歴史的な資源というものがあまり残っていません。そうした中、この「時の鐘」のように昔からの景観と生活習慣が残され、地域固有の文化や、歴史を感じることのできる川越という街の存在は、「東京砂漠」におけるオアシスというか、首都圏住民にとっても非常に貴重な「共有財産」なのではないかと思います。
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シリーズの最後に変わり種を一つ。
TVドラマ「木更津キャッツアイ」で、すっかり全国区になった木更津市、そのまさに舞台の一つ(「野球狂の詩」のあった場所)が、この金田海岸です。砂浜ではなく、潮干狩りが楽しめる干潟の海岸です。
シーズン・オフには観光客が来るわけでもない、平凡で静かな片田舎の漁村。そんな平和な風景の真ん中を、一瞬幻かと目を疑うような現実離れした構造物が横切っています。言うまでもなく、東京湾アクアラインです(事業採算的にもリアリティが感じられない気がしますが)。
こんなミスマッチ感溢れる不思議な風景も、リアリティを超越したストーリー展開とリアリティに満ちたセリフが交錯するドラマの世界観とは妙にマッチしていたのかもしれません。
※映画「木更津キャッツアイ・ワールドシリーズ」は今秋公開予定です。
※「木更津キャッツアイ」の宮藤官九郎さん脚本の昼ドラ、「吾輩は主婦である」は現在TBS系列で放送中です。(月〜金13:00〜13:30)
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東京湾を埋め立てて開発された土地に広がり、東京と成田国際空港のほぼ中間という恵まれた立地にあります。全国的には「幕張メッセ」や「千葉マリンスタジアム」があることで有名です。整然と建ち並ぶ高層のオフィスビル群は近くを通る高速道路からもよく見えます。初めて日本に来る外国の人は、成田からリムジンバスに乗ってここのビル群が見えると、これがトーキョーかと勘違いするんじゃないでしょうか。
ここは計画的に造られた都市なので、あらかじめ定められた景観のガイドラインに沿って空間が形成されています。そんなわけで、ビルの高さ、壁面の位置、全体的なヴォリューム感、角張った感じ、壁面のミラーガラスの具合、どれも見事に揃っています。そして「普通の街」に見られるような、電線・電柱や看板の類など、景観的に無駄な要素が見あたりません(しかも、休日の画像なので行き交う人や車もまばらです)。ツルツルピカピカのオフィスビルと樹木の緑だけが、まるでCGでつくられた風景のように行儀良く佇んでいます。
そんなわけで、ここは典型的な(そしてちょっとかっこいい)オフィス街の映像がほしいテレビドラマの撮影などによく使われています。「国際大通り」「美浜区」などといういかにもな地名も、なんだか小説やドラマに出てくる架空のネーミングにすら思えてきます。
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首都圏に位置し、山地が少ないという地理的条件を持つ千葉県は、全ゴルフ場の面積の合計が、県全体の面積の1%以上を占めてしまっているそうです(ちょっと恐ろしい気がするのですが・・・)。ここは、そんな「ゴルフ場銀座」に開発された「フェアウェイ・フロント住宅」で、地図で見ると住宅地の中にゴルフコースが食い込んでいるように(逆?)、両者が一体的に開発されています。
私はゴルフをしない人間なので、ゴルフコースのある日常というのがどれほど魅力的なものなのかは、想像がつきません。でも、ゴルフコースではなく、樹木が美しく植えられ、池なども配置された、広くなだらかな芝生の丘が庭先に広がっていると考えれば、住宅地の景観としては素晴らしいんじゃないかな、と思います。庭で洗濯物を干していたらゴルフボールが飛んでくる、というのはちょっと怖い気もしますが。
ちなみに、ゴルフコースがなくとも、この住宅地の景観は全体的に美しく、格調高くデザインされていて魅力的です。ここから東京都心まで通勤するのは結構たいへんだと思いますが・・・。
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いわゆる「チバリーヒルズ」の風景です。各住宅と街路の間には芝生がきれいに整備された前庭が続いています。前庭がいくら広く取ってあっても、おそらくここでバーベキューをしよう、などという人はいないでしょう。この芝生はあくまで見せるためだけに存在しているようなものですが、ビヴァリーヒルズに代表されるような米国の高級住宅街のイメージを移植するためにはどうしても不可欠な空間だったのでしょう。この実用性の乏しい前庭も(そして歩道や街路樹のように見える空間までも!)各敷地の面積の一部としてカウントされているはずで、その分も不動産価格に反映されていると考えると恐ろしくなります。
この芝生をはじめとする美しい植栽を維持していくには相当なエナジーがいるはずです。その証拠に、ここを歩いていると目につくのは造園業者等の車ばかりで、住んでいる人々の姿や生活ぶりなどは微塵も感じられませんでしたから・・・。
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東京都心から直線距離でも約50kmという「超」郊外に、大手不動産会社がゴルフ場と一体的に開発した大規模な住宅地の中のメイン・ストリートです。
ここの並木は、地面の高さから幹が数本に分かれて立っている「株立ち」で、その繊細さはよくある幹のどっしりとした街路樹とは一味違っています。歩道は緩やかなカーヴを描き、よく見ると植栽帯と車道・歩道との境界部の設えもきめ細かくデザインされています。通りの名と住所を示すおしゃれなサインも含め、まるで美しい公園の中を歩いているような印象を与える、洗練された景観が形成されています。
※関連バックナンバー
2006年11月 16-4「ゴルフコースと一体になった住宅街」
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首都圏以外にお住まいの方、「草加」(そうか)という街の名前をご存じでしょうか? ご存じであれば、どんなイメージをお持ちでしょうか?
長らく首都圏に住んでいる私ですが、最近までこの街を訪れたことがありませんでした。「草加せんべい」くらいしか名物のない、埼玉の単なる退屈なベッドタウン(しかもそれほどイメージの良くない地域)だと思っていました。そんな街に魅力的な風景なんて、あるわけないじゃん、とナメてかかっていました。この場所に来るまでは・・・。
ところが、この立派な松並木はどうでしょう! どこまでも真っ直ぐに伸びる遊歩道の痛快さはどうでしょう!! 舗装や、川沿いの手すりや、東屋や、(画面には映っていませんが)太鼓橋を摸した歩道橋などの、歴史と和を感じさせる空間整備はどうでしょう!!!
草加は、江戸時代の五街道の一つである日光街道の宿場町として栄えた街です。松並木はその頃から存在していたもので、街道と宿場町の面影を復活させるべく、このような遊歩道の景観整備が行われ、「日本の道100選」にも選ばれています。
草加市は市域のほぼ中央部を、現代の幹線道路として「日光街道」(画面では遊歩道の左側)が南北に貫いています。遊歩道の右側の綾瀬川(水質の悪さで全国的に有名ですが・・・)も、市域を南北に流れています。この遊歩道を含め、市のシンボルとなる軸線が3本も並行して通っているというのは、都市構造的には非常に強力な軸性を持っていると言えると思います。この街の「メイン・ストリート」に、街の歴史が感じられ、美しく整備された空間があるという事実は、草加市民にとって、とても喜ばしいことなのではないかと思います。ここに来ると、この街は広域的に見てもっと評価されるべきだし、お住まいの方はもっと自分の街に誇りを持って然るべきなんじゃない?と思います。
このサイトでは有名観光地ばかりでなく、こうした地域に密着した素敵な風景を、これからもどんどんご紹介していければな、と思っています。
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「盆栽町」とは変わった地名ですが、その由来から。
大正14年、東京からこの地に数軒の盆栽業者が移り住んできました。その数は次第に増え「盆栽村」が形成されるようになりました。戦前は30数軒の業者があり、当時の村の内規によって、業者だけでなく住む人たちも多かれ少なかれ盆栽を持っていたという地域だったそうです。昭和15年には「盆栽町」が行政上の町名となり、現在も6軒の盆栽園が残っています。この街はまた、旧大宮市内有数のお屋敷街としても知られています。
この街を開拓した人々には先見の明があったようで、この街の道路幅は当時造られたそのままのもので、道の両側には木々が植えられ、通りには「かえで通り」など木の名前が付けられています。通りの並木、丁寧に刈り込まれた足元の低木植栽、各戸の庭の木々が一体となって(よくよく見ると、道路の舗装の隙間からもわずかに草が顔を出しているようです)、全体として柔和な印象を与え、かつ変化にも富んだ、箱庭のような美しい街路景観が形成されています。さすがは「盆栽」という日本の美の極致のような芸術品に理解のある方々がお住まいの地域だ、と感心してしまいます。
今回のシリーズでは、これまでなかなか取り上げる機会のなかった埼玉県内の風景を、一挙に3ヶ所もご紹介できて、よかったです。
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東京郊外の駅前に建つショッピング・モールです、という紹介の仕方では意味がなくて、東京ディズニーリゾートを構成する施設の一つとして、超広域的な集客力をもつショッピング・モールと言えるでしょう。TDL、TDSを運営するオリエンタルランド社による商業施設だけあり、テーマパークのような空間演出の見事さはさすがです。屋外型モールの形式をとっているこのフロアは、パラソルとコーディネートされてエメラルド色に葺かれた屋根並みや、漆喰で塗られたような外壁に、精緻な図面に描かれた円弧で切り取られたような窓の形など、世界のどこかにありそうで、でもやっぱりどこにもない建築様式がファンタスティックな風景をつくりあげています。
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館山市は、東京からも比較的近く、気候が温暖で、海水浴などの行楽地、リゾート地として人気がある房総半島南部の中心都市です。そんな「温暖な気候」をヒントに、JR館山駅(通りの突き当たりに見える建物)の西口が新設された際、駅周辺一帯をオレンジ色の瓦と白壁の南欧(スペイン?)風の街並みで統一しようというまちづくりが始まりました。今では地区の約9割がそうした建物になっているというから大した実現力です。街路樹もヤシの木が植えられ、通りの先の海水浴場もトイレやシャワー室といった建物がやはり同じように造られていて、南欧のリゾートのようなムードが演出されています。目指すところは、私の大好きなカリフォルニア州サンタバーバラの街のような風景なのでしょうか?
それにしても日本人はよっぽど「南欧風」が好きなんですね。「北欧風」や「東欧風」の街並みというのは、あまり聞きませんから。寒冷な地よりも温暖な地に憧れる人の方が日本では多数派なんでしょうか?(私は後者です。) 是非一度、誰か統計調査してもらいたいものです。
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鉄道事業の損失を、地元の名物「ぬれ煎餅」の製造・販売利益で補っている不思議なローカル私鉄、銚子電気鉄道の、関東地方最東端「犬吠埼」への最寄駅です。この駅は周辺観光地への拠点なので、沿線で最も立派な駅舎と駅前広場を備えており、駅舎はポルトガルの宮殿風建築となっています。ブルーのオーニング(テント状の日よけ)が青い空によく映えていますね。駅前広場には、イベント時の夜にイルミネーションが巻きつけられるパーム・ツリーが植えられ、リゾート・ホテルのような雰囲気が演出されています。ベンチの背もたれの黄色い看板に書かれた「ヒゲタしょうゆ」の文字がそんなムードを見事にぶち壊しているような感じもしますが(笑)、醤油は銚子の名産ですから、別に不自然じゃないんですよね。ちなみに、画面右側に置かれた古い車両はカフェ・レストランとして活用されています。
ところで、なぜこの駅舎にポルトガル風の建築様式が採用されたかというと、犬吠埼に、ポルトガルにあるユーラシア大陸最西端の岬・ロカ岬との「友好記念碑」が建っているから、というつながりらしいです。わかったような、わからないような理屈ですが・・・。
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いわゆる「平成の大合併」で「香取市」となった、千葉県佐原の風景です。この小野川沿いには、蔵造りの古い街並みが残されており「小江戸」と呼ばれているそうです。松や、川面に向けて枝が垂れ下がった柳のような(?)和風の植生、幅の狭い川に、河岸へと下りていく石段等、時代劇のオープン・セットのような風景がリアルに味わえます。水面に浮かぶ小舟は何かの役に立っているのでしょうか? なんだか心憎い演出にも思えます。
東京近郊で歴史的な雰囲気が味わえる街としては、鎌倉や川越などが挙がるかと思います。これらに比べると佐原はそれほど知名度が高くないような気もしますが、その分「穴場」と言えるでしょう。東京都心からもそう遠くないので、是非気軽に訪れてみてはいかがでしょうか。
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「草加せんべい」で有名な東京のベッドタウン・草加市のほぼ中央部には、かつて工場跡地だった「綾瀬川左岸広場」という、気持ちいいほど何もない、約3.6haもの広場があります。広場は綾瀬川に面していて、「ラグーン」と呼ばれる、画像のような親水護岸が整備されています。対岸は旧日光街道の松並木が残る「草加松原遊歩道」(※)で、ちょっとした観光地にも見えるくらいの、風光明媚なスポットです。
ただ、せっかく親水護岸が整備されているのですが、水質の悪さで全国的に名高い綾瀬川はやはりよどんでいて、「近づいて触れてみたい」という気になれないのが残念です。
※関連バックナンバー
2007年7月 32-5「草加松原遊歩道」
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これまでにも何度か取り上げた(※)幕張新都心の住宅地区で、事業者・設計者がそれぞれ異なる20以上もの街区にわたって、統一感のある街並みが形成されるよう、詳細な決まり(デザイン・コード)が設けられ、それに基づいて建物がデザインされています。
デザイン・コードについては、別の機会にじっくり取り上げられれば、と考えておりますが、今回のシリーズのテーマである色彩に関しても、一定のルールの存在によって全体としての調和が考えられつつ、そのルールの中でそれぞれの街区が個性を発揮しようと頑張った結果、華やかな彩りのある景観が形成されていると思います。
※関連バックナンバー
2008年4月 50-2「メッセ・モール」
2007年12月 42-8「幕張新都心」
2006年8月 9-1「幕張新都心」(J-3.1 埼玉・千葉)
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昨年10月の開業以来、大いに話題となり、人気を博している鉄道博物館と、最寄りである「鉄道博物館(大成)」駅とを結ぶ通路の画像です。同駅は、東北・上越新幹線の開業当初の始発駅である大宮から埼玉新都市交通・ニューシャトルに乗ってわずか1駅の距離にあり、新幹線は敷地のすぐ横を走り抜けて行きます。
屋根に覆われたこのプロムナードは、天窓の明るさと暗さのコントラストが面白く、頭上の斜めに交差する赤や青に彩られたパイプが華やかだなぁ、という何気ない第一印象を持ちました。
次に、床のタイル舗装に目を転じると、そこには開業時から現在に至るまでの東北新幹線の時刻表の移り変わりがプリントされていました。
・・・そこで私ははたと気がついたのです。もしかしたら、この上空の斜めに交差するパイプは・・・案の定、これは、東北新幹線の開業当時のダイヤグラムをデザインしたものでした。見た目にきれいなだけではなく、ちゃんと深い意味を持たせているところがしゃれているなぁ、一本取られた、と思ったものです。
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東京湾中央部の人工島上に設けられた、世界初の海上パーキング・エリアです。今回の事例はシリーズのこれまでのものとはちょっと趣旨が違い、どちらかと言えば「道路の風景」(2008年1月)のシリーズで取り上げた方がよかったような気もしますが、まあ、パーキング・エリアも駐車場ではあるので・・・
空が霞んでいて対岸の木更津側(※)が見えないので、一直線に伸びる車道がまるで空の彼方へと吸い込まれていくようにも感じられます。どういうわけかきれいな左右対称にはならず、微妙なカーヴを描くランプ(導入路)が、広大な海のスケール感と比べてあまりにも繊細な感じで、それが魅力的です。
※関連バックナンバー
2006年6月 5-7「金田海岸」(J-3.1 埼玉・千葉)
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以前取り上げた通り(※)の、違う地点の画像です。東京ディズニーリゾートの経営母体・オリエンタルランドの本社もこの通りに面しています。
本家米国のディズニーランドは、カリフォルニア、フロリダといずれも暖かい土地に立地しています。ですから、日本においてもディズニーの世界を体現する上で、パームツリーは欠かせないアイテムということになるのでしょう。たとえ年中温暖な気候というわけではなく、空が灰色に曇っていても、左側に見えるこの派手なホテルのデザインと、街路樹などの植栽との間では、ちゃんと調和のとれた世界が完結しています。
ところで、この非日常感あふれる空間の中を行き交う多くの人々の姿は、なぜか妙に日常感に溢れています。彼らはディズニーリゾートで働くアルバイトの人々なのでしょうか? 時間帯を問わずこれだけの人々が動いているということは、このテーマパークがいかに巨大な産業かということが言えると思います。
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2008年5月 51-6「東京ディズニーリゾート周辺」
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1990年代後半から開発された幕張新都心の中層住宅街で(※)、街区ごとにそれぞれ異なる事業者・設計者が、共通のデザイン・コードに基づいて設計し、各街区が個性を競いつつも、建物高さや建物壁面の位置、外壁のデザイン、色彩等に統一感のある街並みが続いています。また、建物の1階部分には、通りに都市的な賑わいをもたらすような店舗等の非住宅施設が配置されています。
なかでも特に私が画期的だと思うのは、欧米の街並みのように、建物が街路に顔を向けて建てられている点です。日本の都市の住宅は、その前に高い建物があろうが(あるいは将来的に建つ可能性があろうが)とにかく南に建物を向けようとこだわるあまり、街路という半永久的に日照・通風・眺望が保障されたオープン・スペースの存在を忘れていて、建物によって街路景観を形成していこうという意識がほとんど感じられないですからね。
このエリアがコマーシャル・フィルムのロケ地として人気が高いのは、「都市の街並みとはこうあってほしい」という、日本人が潜在的に抱いている理想の風景がここに体現されているからではないか、と私は思っているのですが、どうでしょうか。
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2008年6月 53-6「パティオス」
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東京23区に隣接する川口市は、合併によりさいたま市が誕生するまでは、浦和や大宮を抑えて埼玉県内最大の人口を誇っていた都市です(現在約50万人)。そんな大都市の玄関口であるJR川口駅前は、近年の相次ぐ再開発によって、近代的で、美しく、洗練された都市景観が展開されています。
古くからの繁華街として百貨店等の商業ビルに囲まれている東口とは対照的に、西口は駅を出るとまず水と緑の公園が広がり、その奥に高層住宅群のスカイラインが見えるという風景で、駅前にしてはどちらかというと静かな雰囲気です。画像の風景は、どこにでもある、ちょっといい感じの公園にしか見えないかもしれませんが、ここが駅の改札口を出てすぐの場所であるというところがポイントです。橋上駅舎と市街地をつなぐ公園には、そのレヴェル差を調整すべくなだらかな傾斜がつけられており、そのため画像のような緑の坂道が生まれています。昔から知られている「鋳物工場の街」という、やや薄汚れたような都市イメージは、駅から街に出た瞬間目にする、この爽やかな緑によって見事に打ち消されます。
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JR、および京成電鉄の駅から、全国屈指の初詣参拝客が訪れる成田山新勝寺に続く参道です。画像からもわかるように、そのルートはくねくねとカーヴし、アップダウンも多いです。そして、もちろん門前町なので、沿道には土産物屋などが多く建ち並び、その街並みに統一感はないものの、それぞれが昭和の温泉旅館のような、日本情緒を感じさせるようなスタイルで建てられています。
ここを歩く人々の中には、外国人旅行者と思しき方々の姿を多く見かけました。それはやはり、成田国際空港に近いという理由からなのでしょうか。飛行機の乗り継ぎ等で、浅草など東京都心まで足を運ぶほどの時間はないけど、という人々が気軽に日本を味わえる場所としての需要があるとか・・・。そういえば、バブル期に某大手商社が、成田国際空港の近くに日本文化をテーマにした「ジャパン・ヴィレッジ」なるテーマ・パークを造ろうと計画していたような記憶がありますが・・・そんなものを造ろうとするまでもなく、こんな近くに本物があったんですけどね。
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今春まちびらきを果たしたばかりの新しい街です。先月開業した国内最大級のショッピング・モール(対岸の横長の建物)が話題となり大盛況なのですが、地域の治水を目的として新たに設けられた「大相模(おおさがみ)調整池」を中心とした一体的なまちづくりが行われた、画期的な新しい水辺の街であるという点の方がもっと注目されるべきではないのかなと思っています。池の周りにはまだ建物が少ないので、街と水辺とのスケール的な意味での一体感には欠けているような気がしますが。
この新しい調整池は、治水という消極的な目的のためだけでなく、街のシンボル空間となるべく積極的に設けられたものなので、さほど広くない水面とその周りには様々な「アトラクション」が仕掛けられています。たとえば、池の周りには遊歩道、芝生広場、桟橋、親水護岸、親水テラス、水上ステージが設けられ、様々な場所、角度からそれぞれ違った水辺の眺めを楽しめるようになっています。水面の風景も、噴水があったり、立ち入り禁止のビオトープがあったり、蓮が浮いていたりと変化に富んでいます。
この池の最大の目玉はカヌーやボートが楽しめることで、私が訪れた日曜日には、よく目立つ真っ赤な帆をはためかせたヨットのような乗り物が一艘だけ、水面をぐるぐると廻っていたのですが、・・・もしかしたらこれは、水辺の街の新しいライフスタイルをアピールするためのデモンストレーションとして、お金をもらってやっていることなのかな?などと勘ぐってしまいました。
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東京湾を埋め立てて造られた新しい市街地・新浦安地区に、まさに市を代表する大通りとして、広々とした幅員と豊富な街路樹を備え、電線類を地中化し、随所にユニークなモニュメントや散策路、水路等を配すなど、シンボリックに整備された贅沢な街路です。一直線に並ぶスマートなデザインの街路灯からもわかるように、空間全体のイメージは、海沿いのニュータウンにふさわしく明るさ、清新さ、開放感を強調するようなテイストとなっています。沿道の高層マンション群はどれもカラフルで、楽しげなスカイラインを描いています。
この新浦安地区は東京ディズニーリゾート(TDR)が立地する舞浜地区に隣接しており、JR京葉線で東京駅まで直通15分という交通至便なベイエリアの住宅街として近年非常に人気が高く、この地の高層マンション群に暮らす若奥様は「マリナーゼ」などと呼ばれ、そのライフスタイルがもてはやされているらしいです。TDRの存在が浦安市にもたらしているものは地域イメージの向上だけではありません。一大産業と化したテーマパーク・ビジネスからの法人税収入のため市の財政力は全国屈指で、公共サーヴィスも行き届いているようです。暮らしやすさに惹かれて住みたいと思う人が増えていけば、人気が高まり地価が上昇し、裕福な住民が増えて所得税収入が増えると、より公共サーヴィスが充実していき・・・人口減とか、少子高齢化とか、日本中に不景気な衰退ムードが蔓延している中でこんな好循環が続く浦安市というのはなんとおめでたい自治体なのでしょうか。「夢と魔法の王国」というのは、どうやらゲートの外の現実世界にまで続いているようですね。
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今回の風景が最後の投稿となりますので、最後(最期?)にふさわしく、墓地からお送りしたいと思います。
とは言え、東京ディズニーリゾートを擁する浦安市営のこの墓地「公園」に辛気臭さは全くありません。東京湾岸の埋立地にできたニュータウン(※)の中にふさわしい明るく開放的なランドスケープで、ここには幽霊も怪談も肝試しも似合いません。建てられる墓は形が決められていて高さが低く抑えられているので、園内は非常に見通しが利き、広々として心地よい空間です。墓石が横長になるということは自ずと墓碑の銘文も縦書きではなく横書きになるわけで、そんなところにもアメリカナイズされた、現代的で洗練された墓地を造りたい、という意図が感じられます。
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2008年3月 71-5「シンボルロード」
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