J-08 神奈川

2011.04.12

76-11 仙石原のすすき草原(神奈川県箱根町)

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かつてはカルデラ湖の底だったというなだらかに傾斜する山のふもと一面が、柔らかな毛布を掛けたように、微風に揺れて金色に輝くもわもわとした物体で覆われている風景です。

「もわもわ」の正体は、すすきです。すすきというと「昭和枯れすゝき」という歌謡曲があるように、寂しさ、侘しさの象徴、といったようなイメージがありますが、これだけの広い草原を隙間なく埋め尽くしていると、逆に壮観で、ゴージャスな神々しささえ感じられます。わざわざこのすすきを見るためだけにやって来た大勢の観光客は、モーゼの「十戒」のような、両側をすすきの海に挟まれたこの一本道を、ありがたそうに列を成して巡礼していきます。まぁ、終点には何もなく、ただの行き止まりなので、行って戻って来るしかないんですが(笑)。

すすきと言えば、米国東海岸の海沿いのリゾート地・アトランティックシティ(※)という街を訪れた時、美しく整備された街路の植栽帯に、わざわざすすきが植えられているのにびっくりした思い出があります。この街の海岸にはすすきがいっぱい生えているので、言わば街のシンボル的な存在なのかもしれませんが、あちらではすすきに対してあまりネガティヴなイメージはないのでしょうか? ちょっと不思議な感じがしました。

※関連バックナンバー 65-4「ミシガン・アヴェニュー」

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2011.04.10

76-9 長井海の手公園・ソレイユの丘(神奈川県横須賀市)

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相模湾にほど近い、航空自衛隊航空無線標識所の跡地に造られた農業体験型総合公園で、PFI(プライヴェート・ファイナンス・イニシアティヴ、民間資金を利用して民間に施設整備と公共サービスの提供を委ねる)という手法により設計、建設、維持管理および運営が行われている、レストランや温浴施設等も備えた新しいタイプの公園です。

ここは「ソレイユ」(太陽)とフランス語のサブ・タイトルが付けられているように、南仏・プロヴァンス地方を思わせるような空間づくりをコンセプトとしており、陽射しの強さを感じさせるような明るい色調の石畳やレンガ造の建物の風景が特徴的です。画面に広がるひまわり畑も含めて。

まあ、プロヴァンス気分を味わうには、ちょっと空間デザインの完成度が低い(チープ)かな、という感じで、そこまで素敵でもないですが・・・(笑)。

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2011.04.05

76-4 鎌倉高校前駅(神奈川県鎌倉市)

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鎌倉駅と藤沢駅を単線の2~4両編成でのんびりと結んでいる江ノ電(江ノ島鎌倉観光電鉄)の中でも、国道134号を挟んで目の前に海が広がるというロケーションから、最も湘南らしさが感じられる駅として、TVドラマやコマーシャル・フィルム等でもお馴染みです。

そんな当駅など沿線の4駅を対象として、江ノ電では冬期の夜に駅のイルミネーションを実施しています。私はそのすべてを見に行ったのですが、夜なのでもちろん海など見えず、周囲は国道を行き交う車のライトだけが灯る中、屋根に積もった純白の雪とつららを感じさせるようなファンタジックな光が浮かび上がるというこの駅のイルミネーションがいちばん気合いが入っているな、と感じました。

1本の線路に短いプラットフォームが1つのみというこぢんまりとした駅の屋根と柱は古い木造の質素な造りで、手描きの看板にはモロに生活臭が感じられるというのに、このイルミネーションは非現実的な美しさというギャップは、何だかレトロな機関車と客車が宇宙空間を駈けていくというTVアニメ「銀河鉄道999」で描かれているような哀愁に通ずるものがあるように思います。

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2009.03.13

71-12 辻堂駅北口大通り線(神奈川県藤沢市)

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一昨日(3月11日)、一部区間が開通したばかりの、今、日本でいちばん(?)新しい街路です。JR東海道本線辻堂駅の北口に広がっていた約25haの大規模工場の跡地等が、様々な都市的機能を備える新たな拠点「湘南C-X(シークロス)」として生まれ変わる予定で、駅前広場から伸びるこの通りは地区のメイン・ストリートと位置づけられています。真っ黒なアスファルトの舗装や引かれたばかりの白線が初々しいですね。まだ何もない沿道の街区にも、近い将来、大型ショッピング・モール等の商業施設や業務施設などが進出することになっています。

いつか、本当の意味でのメイン・ストリートへと育つはずの街路が生まれた日の風景を、誕生の記念として載せてみました。

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2008.09.08

59-5 逗子マリーナ(神奈川県)

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「太陽の季節」に描かれたように、日本が全体的にまだ貧しかった時代から富裕層がヨット遊びを楽しむような文化が根付いていた、保養地としての長い伝統を持つ湘南という地域に位置し、かつては毎年ユーミンのコンサートが開かれていたことで有名な、日本のマリーナのはしりのようなリゾート施設です。南国のリゾート・ホテル風の建物(リゾート・マンション、コンドミニアム)にも、パームツリーの並木道や通り沿いの豊かな植栽にも、どことなくプライドというか、風格のようなものが漂っているように感じられます。時の重みがそれぞれの空間要素をしっとりと馴染ませているのでしょうか。

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2008.08.22

58-3 高級住宅街の車庫(川崎市麻生区)

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地価が高く、鉄道網が発達した東京の郊外において、一軒あたり二台分の駐車スペースを設けているような高級住宅街の風景です。

コンクリートの躯体で囲われた車庫は大きな弧を描き、その上部の生け垣と一体となって、通りに対し波打つような景観を形成しています。いくつもの曲線が交差する門扉の模様も実に洒落ています。

※関連バックナンバー 16-6「生け垣が魅力的な住宅街」

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2008.06.04

53-2 ビナウォーク(神奈川県海老名市)

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当施設の概要については、以前にも取り上げておりますので、そちらも合わせてご覧ください。
大屋根を支える柱は鮮やかな赤に塗られて存在感をアピールしています。逆に、斜面上の街並みのような店舗群の外壁は、ランダムに塗り分けながらも、色はいずれもパステル・トーンの範囲内におさまった4種類程度に絞られ、大屋根と柱の構造を引き立てています。様々な色が使われながら、塗り分け方には明確な意図が感じられます。

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2008.04.29

50-9 段葛(神奈川県鎌倉市)

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古都・鎌倉のシンボル、鶴岡八幡宮から由比ヶ浜へ一直線に伸びるメイン・ストリート「若宮大路」の中央に、土手のように小高く築かれた参道で、源頼朝が北条政子の安産を祈願して造ったものと言われています。

この道を歩いていると、目線が高くなるので気分がよく、桜のトンネルは神聖な空間に向かうアプローチとして、高揚感をもたらしてくれます。

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2008.02.12

45-7 ビナウォーク(神奈川県海老名市)

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このショッピング・モールは、前回までの記事(45-46)でさんざん取り上げたジョン・ジャーディ氏によるものではありません。この施設を設計されたのは、国内ではかなり以前から個性的な商業施設のデザインで定評があった方なのですが、2002年に開業したこの施設のデザインは、「キャナルシティ博多」の成功の影響を多分に受けているように思います。明らかに(笑)。言わば「和製ホートン・プラザ」といったところでしょうか。ローコストな感じと、デザインじたいの安っぽさがやや気にならなくもないですが・・・。

この施設は、曇り空をものともしない派手な蛍光色の色づかいが特徴です。上層階へ行くほどセットバックしていく階段状の店舗群の上空に大屋根がかかっている姿はサッカー・スタジアムを彷彿とさせるものがありますね。

ちなみに、ショッピング・モールの前庭のように見える広場空間は、「海老名中央公園」というれっきとした都市公園で、「ビナウォーク」は公園をコの字型に取り囲むようにして建っており、公園を跨いで反対側の棟に渡れるデッキが設置されているなど、両者は空間的に一体整備されています。公園の隣接は商業施設に潤いを、商業施設は公園に賑わいをもたらしていて、理想的な相乗効果が得られているように思います。海老名駅前に立地するこの施設が人気を博す一方で、隣接する厚木市中心部の商店街は、施設開業後客を奪われてすっかり寂れてしまった、という話も聞きました・・・。

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2008.02.10

45-6 ラ・チッタ・デラ(川崎市)

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3回連続でジョン・ジャーディ氏設計の商業施設をフィーチャーしております。

施設内部の、螺旋状に昇っていく緩やかなスロープ状の通路の画像です。そこから見える風景は、細かく分かれた建物の外壁が様々な面を向けており、とても複雑です。この施設の外観というか全景、および概要については以前にも取り上げておりますので、そちらも合わせてご覧ください。

前回、および前々回の投稿記事(45-445-5)で「キャナルシティ博多」以降のジャーディ氏のショッピング・モールはどれも同じに見えてつまらないと言いましたが、ここは一味違いますね。他の施設がどちらかというと近未来を感じさせるようなダイナミックなデザインなのに対し、イタリアの山岳都市をモチーフにしたと言われるここのデザインにはどこか懐かしい、繊細さのようなものが感じられます。これには敷地規模の小ささやシネコンを主体とした商業施設であるという用途の違いも関係しているのでしょう。いずれにせよ、川崎というマイナーな都市にあるシネコンが2003年から4年連続で観客動員数・興行収入日本一の座を保ってこられたというのは、ジャーディ氏がデザインしたこの空間の魅力に負うところも大きいのではないかと思います。同じ映画を、同じ料金で見るなら、少しでも楽しい雰囲気の場所で見たいじゃないですか? (2006年末、川崎駅前に3つ目のシネコンが開業し、競合がさらに激しくなったので、2007年も日本一になれたかどうかは微妙なようですが・・・)

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