J-07 東京都下

2016.05.20

89-25 「メインゲート」と海(東京都新島村)

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4月からお送りしてきた「東京の風景」の最終回を飾るのは、前回(89-24)取り上げた「メインゲート」に、より接近したショットです。この施設はその名のとおり、2つの塔の間の階段を通って砂浜へ下りるという構造になっていて、その隙間から空と羽伏浦海岸の美しい色の海が顔を覗かせています。その青と白で彩られた爽やかな風景は、まるでギリシャのエーゲ海沿岸の街並みを思わせます。

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2016.05.18

89-24 羽伏浦海岸の「メインゲート」(東京都新島村)

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シーズン中にはライフ・ガードが常駐する建物等としても使われているようですが、そうした実用面での機能よりは海岸のメインとなるエントランスにシンボル的に建てられた施設、といった意味合いが強そうです。全体的なプロポーションや細部のデザインにまで形態の美を追求しているようには思えず、(悪い意味で)公共事業的な発想で造られた安普請の工作物といった印象ですが、アングルによってはその形も美しく見えます。特に、その白一色というシンプルなカラーリングは青い空と海をバックによく映え、強い陽射しによって生み出された陰影がシンメトリーなピラミッドのようなそのフォルムを際立たせ、空や海を祀る神殿のようにすら見えてきます。

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2016.05.16

89-23 羽伏浦海岸(東京都新島村)

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羽伏浦(はぶしうら)海岸は、新島の東側約7kmに渡って延々と続く砂浜で、1982年に都によって選定された「新東京百景」にも名を連ねる、島の代表的な景観です。また、格好のサーフ・スポットとしても世界的に有名…らしいです。

天候や時間帯によっても違うのでしょうが、この海は島の西側の間々下海岸(89-21)のような深いブルーではなく、もう少し透き通ったような淡い色合いで、しかも波打ち際は水深のためか乳白色に近くなっていて、トロピカルな印象がより強まります。浜の砂の白さも美しく、遠景の岬の崖も相まって、何だかハワイを思わせるような、静かな楽園の風景です。

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2016.05.13

89-22 砂んごいの道(東京都新島村)

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新島の中心的な集落「本村(ほんそん)」は、島の中央部の平地に歩き回れる範囲で広がっており、商店や公益施設等は特定のメイン・ストリート沿いに集まっているというよりは、集落全体に散らばって住宅街の中に混在しています(開いているのか閉まっているのかよくわからない店が多く、開いている店を見つけるのにちょっと苦労します)。また街並みとしては、先日(89-20)取り上げた「抗火石」を家屋の壁や屋根、あるいは倉庫や石垣等に用いている家が多く、独特の「石の景観」が形成され、それを見ながらぶらぶらと散策するのが楽しい街です。

そんな本村の集落の中でも、特にこの道は積み重ねられた抗火石の石垣と生垣が整然としています。タイトルの「砂んごいの道」とは新島の方言で「舗装されていない自然のままの砂の道」という意味で、ほんの半世紀前まで新島ではほとんどの道がこのような状態だったそうです。今ではそんな道も少なくなりましたがこの場所は昔のままに保存され、島の観光情報サイト等でも紹介されるような、ノスタルジックで素朴な味わいのある小さな名所になっています。

独特な文化を持つ、美しい海に囲まれた小さな南の島の、どこが中心というわけでもなく面的に広がった市街地の中の、地域の風土を感じさせる石垣に囲まれた舗装されていない砂の道…。以前当サイトでもご紹介した沖縄・竹富島の風景に通じる部分がとても多いように感じます。

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2016.05.11

89-21 間々下海岸(東京都新島村)

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前回(89-20)と今回の画像は、ともに「新島ガラスアートセンター」の屋上から撮ったもので、ちょうど反対方向の風景です。この建物はエントランス付近が大階段状になっていて、展望台のような屋上のテラスに自然に導かれるような造りになっています。

断崖の上に位置するこの施設から、南側の間々下海岸を眺めると、澄んだ青い海の向こうに式根島(新島とは同じ村に属し、連絡船で10分)が見え、その奥には神津島が霞んでいるという絶景です。断崖の下には美しい白い砂浜があり、その上の段には手すりのついた立派な遊歩道が設けられていますが、「だーれもいない海…♪」と歌い出したくなってしまう程、シーズン前の平日には本当に人気(ひとけ)がない、静かな海岸です。

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2016.05.09

89-20 鳥ヶ島とその周辺(東京都新島村)

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先月、東京駅からスタートして徐々に郊外へと展開していき、西端に位置する高尾山まで進んだところで月末を迎えた「東京の風景」シリーズは、これで終了かとお思いになったでしょうか? いえいえ、東京都には区部と多摩地域だけではなく、伊豆諸島と小笠原諸島からなる「島嶼(とうしょ)部」もあるのです。というわけで、シリーズは月をまたぎ、ゴールデン・ウィークを挟んでもうしばらく続き、今回から伊豆諸島の一つである「新島(にいじま)」の風景をお届けしていきます。

新島は東京都心から南に約160km、伊豆半島南端の静岡県下田市からは南東に36kmの位置にある、面積23.17㎢、人口2,000人程の小さな島で、サーフィンや海水浴等を目当てに観光客が訪れます。東京からは竹芝桟橋発の高速船で2時間半、調布飛行場発の19人乗り小型飛行機ならわずか30分で行ける、美しい自然と温暖な気候に恵まれた島です。

画像は高速船が発着する新島港から歩いてもすぐに行ける、島西側の海岸沿いの風景です。今回の記事のタイトルになっている「鳥ヶ島」は画面左側の陸続きの岩場で、この周辺の海岸では海水浴やシュノーケリングが楽しめるそうです。

新島は、世界中でイタリアのリパリ島とここだけでしか採れない「抗火石(こうがせき)」という、大変珍しい石材が特産です。家屋の建材などにも用いられるこの石は、耐火性・断熱性に優れているだけでなく、水に浮くほど軽く、彫刻刀でも簡単に彫ることができるという特長を備えており、島内の至る所にこの石を使って制作されたオブジェが建っています(渋谷駅前の「モヤイ像」はこの新島から贈られたものです)。画面右側手前の道路沿いにはそうした石のオブジェが集められ、花が植えられたリ東屋も設けられたりするなど、海を臨むちょっとした憩いの空間になっています。

そして、画面右側奥の小さな岩場の上には、朽ち果てたギリシャ神殿の遺跡のような建造物が見えます(画像はクリックすると拡大します)。これは「湯の浜露天温泉」という、24時間(!)、無料で(!!)入れる温泉施設で、眼下に広がる島々と大洋の雄大な風景を眺めながら湯に浸かるのは最高の気分です。

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2016.04.29

89-19 高尾599ミュージアム(東京都八王子市)

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前回(89-18)ご紹介した場所のほど近くに建つ、昔ながらの小ぢんまりとした和風家屋…と思いきや、その1階部分の開口部は現代的な全面ガラス張りで、高尾山麓の街並みとの調和に配慮した現代建築となっています。建物の前面には芝生の広場が広がり、ベンチが並ぶ傾斜のついたアプローチには小川も流れるようで、空間全体がシンプルな和のテイストでまとめられ、アートを感じさせてくれます。

この施設は2015年に八王子市が観光まちづくりの拠点として設けたもので、その名称は高尾山の標高(599m)にちなんでいます。私は内部には入らなかったのですが、メインとなる展示スペースは外観からは想像もできないほど広々としているようで、登山客らの避難場所としても想定されています。入場無料のこの施設にはカフェ、ミュージアム・ショップ、おむつ替え・授乳室等も備えられています。

高尾山は、東京の人にとっては昔から親しまれてきた行楽スポットでしたが、2007年から3年連続でミシュラン旅行ガイドの3つ星を獲得して以降、外国人観光客も増加する等、ますます脚光を浴びてきているようです。そんな時流に乗って、この施設のオープンと同じ2015年、高尾山へのメイン・アクセスを担う京王電鉄は高尾山口駅の駅舎をリニューアルし(設計は新国立競技場と同じ隈研吾氏)、駅前に温泉施設も開業させました。高尾山は今、最も「旬」の観光地と言えるのかもしれません。

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2016.04.28

89-18 高尾山麓の街並み(東京都八王子市)

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高尾山は、東京都心から約1時間と交通アクセスがよく、登山道やケーブル・カー等が整備されて気軽にハイキングが楽しめることから、年間約260万人という世界一多くの登山者で賑わう山です。そのゲートウェイとなる京王電鉄高尾山口駅とケーブル・カーの駅の間の、歩いてわずか数分程の通り沿いは、名物の「とろろそば」を提供する店等が並ぶ、ちょっとした「門前町」になっています。画像に映っている和風家屋もその一つで、一応東京都内にありながら、こんな昔ながらの鄙びた風情を感じることができる街並みが形成されています。

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2016.04.27

89-17 中央南北線沿道の風景(東京都立川市)

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固有名詞の地名が入らない、単なる座標軸のように無味乾燥な名称のこの通りは、前回(89-16)ご紹介した立川基地跡地の中央部を南北に真っ直ぐ貫く道路で、立派なケヤキ並木を備えた幅の広い中央分離帯が印象的です。画面右側に映っている立川市役所の新庁舎等、沿道の建物は比較的築年数の浅い物件が多いようなのですが、その割にこの道路の植栽にはそれなりの年月を経てきた風格のようなものが感じられます。

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2016.04.26

89-16 立川基地跡地の風景(東京都)

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JR中央線北側の、立川市から昭島市にかけての土地にはかつて、1922年に建設された陸軍の「立川飛行場」がありました。それが戦後「米軍立川基地」となり、その広大な敷地は1977年までに段階的に返還され、その中央部は有名な「国営昭和記念公園」に、東側は陸上自衛隊立川駐屯地の他、海上保安庁・警視庁・東京消防庁など各官公庁の施設が設けられた「立川広域防災基地」となり、1994年には一部がファーレ立川として先行開業するとともに近年に至るまで再開発が続けられています。国や都、市の各種施設が林立する風景はさながら、「ミニつくば」といった様相を呈しています。

このあたり一帯は、幅の広い道路が真っ直ぐに引かれ、それぞれの大きな敷地の真ん中にそれなりに高さのある巨大な建築物がぽつんと建ち、その周りを広々としたオープン・スペースが取り囲む、という都市景観が続いています。最近開発された「新都心」と呼ばれるような街はどこもこんな感じなので、これが現代の日本における理想都市の雛形とされているのでしょうが、私には、このだだっ広さがどこか寒々しく感じられてしまいます。木々の葉が落ち、芝の緑等、風景を構成する全ての色が淡くなる、画像のような真冬の季節などにはなおさら。

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