J-15 岐阜・三重

2020.08.16

102-23 百六里庭・眺関亭から見た関宿(三重県亀山市)

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関宿から3回目の投稿です。そして、今日がシリーズの最終回となります。

「百六里庭(ひゃくろくりてい)」は1998年、当時空地であった場所に休憩所などを設けて整備した小公園で、ここが江戸から106里余り(1里は約4km)の距離にあることから名づけられました。敷地の東海道に面した部分に造られた建物が「眺関亭(ちょうかんてい)」で、展望スペースからはその名のとおり関宿の街並みを眺めることができます。

「展望」とはいえ、その高さは2階で、街道の幅は狭く、宿場町なので街が面的に広がっているわけでもなく、そこから見えるのは一本の通りに沿って連なる屋根の瓦程度が「関の山」です。そして、たった一軒、街並みの調和を乱す建物があるだけで風景が台無しになってしまうということも、この画像からよくわかるかと思います。

ちなみに「関の山」という慣用句、ここ関にある神社の祭に出される「山」(関東で言う「山車」)が大変立派なものだったため、「これ以上はできないという限度」という意味で使われるようになったのだそうです。今は小さな田舎町ですが、日本語に影響を与えるほど有名な宿場町だったんですね。

それではみなさん、またお会いできる日まで、お元気で。

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2020.08.15

102-22 関宿 その2(三重県亀山市)

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前回(102-21)に引き続き、関宿からお送りいたします。

日本全国に「古い街並み」は数多くあり、私もそういった場所をいくつも訪れてきたのですが、日本建築に詳しくないとそれらの違いがよくわからず、正直どこも同じに見えてしまいます。ただ、そんな私でさえ「ここは他とは違う」と明らかに感じる特徴が、この関宿にはあります。

それは「規模」で、伝統的な町家が200棟以上現存する宿場町の一本道の、東端から西端までの延長は約1.8kmもあります。つまりゆっくり歩いて往復するだけでも1時間はかかり、その分たっぷり滞在を堪能できるというわけです。実際にここを歩いてみると街道には微かなアップ・ダウンがあるとともに、左右にも微妙に曲がりくねり、先が見通せない街並みはどこまでも果てしなく続いているように思えます。今回はそんな関宿の「距離」が最も感じられる画像を選んでみました。

これだけの長さがあると区間によって風景にも違いが見られ、もともと商店等はそれほど多くない街なのですが、宿場の西側へ行くと大半が小規模な平屋の仕舞屋(しもたや・商業地域内にありながら商売をやめてしまった家)風となり、全体としてやや地味で落ち着きのある、街外れの住宅地といった風情が感じられます。

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2020.08.14

102-21 関宿 その1(三重県亀山市)

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「中部地方」シリーズの最後は、三重県の風景で締めくくっていこうと思います。私の中では長らく、三重県は愛知・岐阜とともに東海3県を構成してはいるものの、中部地方ではなく近畿地方だという認識だったのですが、調べていると中部地方に含まれるという説もあったので改めて確認してみると、県の公式見解としては「中部地方にも近畿地方にも属している」のだそうです…。

さて、今日から3回にわたってご紹介していく予定の「関宿」(せきしゅく/せきじゅく)は、県北西端、鈴鹿山脈の山裾に位置する東海道五十三次の47番目の宿場で、現在も街道沿いに古い町並みが残され、国の重要伝統的建造物群保存地区、および旧建設省選定の「日本の道100選」の一つとなっています。

画面右側の「百五銀行」は県内を本拠とする地方銀行の、現役の支店で、町並みに配慮した意匠の建築として平成9年度の「三重県さわやかまちづくり賞(景観づくり部門)」を受賞しているそうです。

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2014.01.17

81-19 加治屋町ポケットパーク(岐阜県美濃市)

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「うだつの上がる町並み」内の街角にぽっかりと生まれた空き地に、増加した観光客のためのトイレや休憩場所として整備された広場で、植栽やベンチ、ボラード(車止め)といったデザイン要素が地区の景観にしっとりと馴染んだものになっています。イヴェント広場としても使われているようで、奥のステージにこの街のゆるキャラ「うだつくん」が立っているのもご愛嬌…。

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2014.01.16

81-18 うだつの上がる町並み その2(岐阜県美濃市)

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前回(81-17)ご紹介したのと同じ、重要伝統的建造物群保存地区内の、違う通りの街路景観です。この通りにも昔ながらの「うだつの上がった」町家が並んでいるのですが、そんな中に建つ現代風の長屋建築を写した画像です。伝統的な日本家屋とは全く異なる四角い外観ではありますが、この街並みに主に用いられている白壁や焦げ茶色の板張りといったデザイン要素を取り入れ、長い間口を分割することで昔ながらの街並みの持つスケール感、リズム感に合わせるなど、古い街並みとの調和に十分配慮したよい建築だなと思い、今回取り上げさせていただきました。古い物ばかりの街に新しい空気を取り入れていくということも、街の活性化には大事なのではないでしょうか。

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2014.01.15

81-17 うだつの上がる町並み その1(岐阜県美濃市)

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美濃和紙の生産地として繁栄した岐阜県・美濃市には、「うだつの上がる町並み」として知られる2本の大通りと4本の横丁で「目」の字型に結ばれた約9.3haの重要伝統的建造物群保存地区があり、近年になって観光地として定着してきているそうです。ちなみに「うだつ」とは日本家屋の屋根に取り付けられる小柱、防火壁のことです。これを設けるにはそれなりの出費が必要で、自己の財力を誇示するための手段でもあったため、そこから「うだつが上がらない」という慣用句が生まれたのだそうです。

特別な観光名所というほどの街並みでもありませんが、電線を地中化し、空がすっきりとした大通りの両側に立派な「うだつの上がった」古い商家が建ち並ぶ街路景観には品が感じられます。通りに顔を覗かせている松の木やかき氷の幟なども、和の情緒を演出する小道具として、昔ながらの街並みによく似合っています。

そして、画像からは伝わらなくて申し訳ないのですが、この街では毎年夏、約90軒の町家の軒先に風鈴を吊り下げるというイヴェントが行われていて、街じゅうに涼しげな音色が響き渡り、猛暑の中訪れた観光客を「おもてなし」してくれるのも好感が持てました。

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2014.01.13

81-16 やなか水のこみち(岐阜県郡上市)

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これまで高山、飛騨古川と、旧飛騨国の街を取り上げてきましたが、今回からは同じ岐阜県でも旧美濃国の街をご紹介していきたいと思います。まずは郡上八幡(ぐじょうはちまん)です。

この歴史ある城下町で有名なことと言えば、まずは夏の32夜に渡って盆踊りが開催され、特にお盆を挟んだ4日間は朝まで踊り明かされるという「郡上踊り」が挙げられるでしょう。また、街じゅうに水路が巡らされ、住民の生活風景の中にそれが息づいている「水の都」としても知られています。街の中心を流れる吉田川では、夏になると子どもたちが橋の上から12m下を流れる川に飛び込んで遊ぶ光景が見られるなど、地域独特の文化が受け継がれています。城下町の面影を残す古い街並みもそれなりに美しいですが特筆すべき程でもなく、むしろ自分の故郷にしたくなるような懐かしさや愛しさが感じられる雰囲気・空気感が魅力的な、小さな街です。

前置きが長くなりましたが、この「やなか水のこみち」は郡上八幡の目抜き通りから少し入った場所にある、柳の木々の下に水の流れや渦を表現した約8万個の玉石が敷きこまれた水辺の小道で、手づくり感あふれる様々な仕掛けがあり、子どもたちの格好の水遊びの場になっています。

この無数の玉石で埋め尽くされた、有機的でおどろおどろしく、一歩間違えば気持ち悪い感じ(笑)の道、どこかで見たことがあるような気がすると思ったら…案の定、東京・世田谷の「用賀プロムナード」と同じく「象設計集団」の手により、その2年後に完成したものでした。

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2014.01.11

81-15 瀬戸川と白壁土蔵街(岐阜県飛騨市)

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「観光名所」と言ってしまうにはちょっと大袈裟な気もしますが、飛騨古川でいちばん「絵になる」風景がここでしょう。漆喰の白と黒い板の壁を持つ土蔵が建ち並び、鯉が泳ぐ水路に沿って延びる細い小道は、行き交う人も少なく静かで、絶好の散策路です。

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2014.01.10

81-14 真宗寺(岐阜県飛騨市)

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前回まで(81-613)取り上げてきた高山から鉄道で約15分移動し、今回はその隣町・飛騨古川からお送りいたします。この街にも小規模ながら江戸時代以来の城下町を由来とする古い街並みが残されています。街なかに連なる伝統的な町家建築の軒下には「雲」と呼ばれる腕肘木がありますが、これは奈良時代に都に出向き神社仏閣の造営に活躍して「飛騨の匠」と称された、伝統と技術を受け継ぐ飛騨古川の大工の誇りを示すシンボルなのだそうです。

今回ご紹介するのは町家の並ぶ通りの風景ではありませんが、街を代表するこの寺の平成に造られたという比較的新しい立派な山門の軒下にも、過剰とも思えるほど繊細で緻密な装飾が施されていて、「飛騨の匠」の心意気が感じられます。

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2014.01.08

81-13 宮川(岐阜県高山市)

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高山の市街地を流れる川沿いの風景です。

正面に見える宮前橋の、河原の緑に調和したような柔和なベージュの色づかいと素材感が印象的です。画像右側に見える櫻山八幡宮の鳥居も、珍しくベージュに塗られています。

この鳥居、妙にバカでかいなぁ、と思って見ていたのですが、たくさんの見物客が訪れる有名な「高山祭」の屋台が通行するのに支障がないよう造られたためなのだそうです(高さ約20m)。

余談ですが、山国の空は空気が薄いせいか、とても澄んだ青い色をしていて、…そして夏の陽射しも強烈ですね。

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