J-16 九州

2018.08.12

96-7 宮崎地方裁判所日南支部(宮崎県)

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宮崎地方裁判所の、県内に3つある支部の1つは、日南市内のここ飫肥(おび)地区の城下町の中に置かれています。

建築作品として取り立ててどうということもない、ごく普通の公共建築だとは思いますが、裁判所という施設の性質と、古い城下町の雰囲気にふさわしい真面目さや堅実さのようなものが、外観の色彩や形態から感じられます。正面玄関付近の縦格子に使われているのは、もしかしたら地元産の木材である飫肥杉なのでしょうか…?

そして何といってもお堅い空間の雰囲気を和らげているのが、玄関前で出迎えてくれている、樹形が美しくてかわいらしい、南国を代表する植物・ヤシ(?)の大木です。

 

宮崎の風景のご紹介は今回で終わり、さらに700kmほど南下して、次回からシリーズの舞台は沖縄に移ります。

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2018.08.11

96-6 飫肥城下町・後町通り(宮崎県日南市)

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前回(96-5)ご紹介した「大手門通り」と直交する通りで、この沿道は純粋に住宅街というかお屋敷町になっていて、石垣や庭から顔を出している植栽等に、落ち着いた佇まいが感じられます。

飫肥(おび)という街は観光客向けの土産物屋や飲食店も少なく、観光地として訪れるにはちょっと物足りないように思います。そのかわり、こんな街に住んで、家の近所を散策したりしていれば、毎日を心穏やかに過ごせそうです。もちろん、私が現在の生活を捨てて1,000km以上も離れたこの土地に移住しようとまでは思いませんが、自分が住んでいる街がこのようにしっとりと落ち着いた景観だったら、故郷として、街により愛着と誇りが持てそうな気がします。

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2018.08.10

96-5 飫肥城下町・大手門通り(宮崎県日南市)

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宮崎県南部に位置する日南市内の一地区である飫肥(おび)は、飫肥城を中心とした伊東氏飫肥藩5万1千石の旧城下町で、江戸時代の街並みが残り、市街地の19.8haが重要伝統的建造物群保存地区として選定されています。現在は約6,400人が暮らすという、静かな街です。

この「大手門通り」は、その名のとおり、城の正面玄関から真っ直ぐに延びる、いわば城下町におけるメイン・ストリートです。とはいえ、沿道が商業地区になっているわけでもないので華やかさや賑やかさとは無縁で、あまりの地味さに城へ向かおうした私などは通り過ぎて曲がり損ねてしまったほどです。そのかわり、敷地の広いお屋敷の石垣や生垣は立派で風格があり、城下町らしい重厚さは感じられます。

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2018.08.08

96-4 「道の駅フェニックス」から見た日南海岸(宮崎県宮崎市)

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「日南海岸」とは、そのような名前の特定の場所が存在するわけではなく、約100kmに渡る宮崎県南部(「日」向国の「南」)の海岸線の総称として、1950年以降、県内の観光業関係者によって用いられ始めた名前で(「湘南」とか、「コスタ・デル・ソル」みたいな感じですかね)、一帯は国定公園に指定されています。

画像の場所「道の駅フェニックス」は、宮崎が新婚旅行ブームに沸いた昭和40年代、県内再大手のバス事業者である宮崎交通によって建設され観光名所の一つとなった「フェニックスドライブイン」を前身とする施設です。ここは日南海岸を代表する景勝地として知られており、大海原に面した崖の上から、遠くに幾重にも重なる海沿いの山並みのシルエットがグラデーションのように霞んで見えています。先日(96-2)ご紹介した青島から始まる「鬼の洗濯板」がここまで続いているのもわかります。ここを通る道路は「日南フェニックスロード」の愛称で「日本の道100選」にも選ばれている絶景ドライブ・コースです。

そしてこの風景を特徴づけているフェニックスの木々ですが、これらは自生しているものではなく、宮崎交通の初代社長を務め、「宮崎観光の父」と呼ばれた故・岩切章太郎氏の「フェニックスを額縁にして太平洋を眺めたら、きっと素晴らしいだろう」という発案によって昭和10年代から植樹が開始されたというものです。植樹運動は日南海岸から県内各地へと広がっていき、フェニックスは昭和41年には宮崎県の「県の木」にも制定されました。

長い年月をかけて作り上げてきた景観によって演出された南国ムードが多くの観光客を惹きつけるとともに、地元の人々にとっての心の拠り所ともなっていった…という、壮大なロマンあふれるストーリーです。

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2018.08.07

96-3 青島のビロウ樹(宮崎県宮崎市)

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青島は、島全体がビロウ(ヤシ科の常緑高木)をはじめとする亜熱帯性植物群落に包まれています。これは北半球最北の亜熱帯植物群落で、宮崎県内でも青島だけに存在するという貴重なものだそうで、国の天然記念物となっています。

画像は島の北側の海沿いの、ビロウが密生している場所を撮ったものです。それなりに固いはずの木の幹がぐにゃりと曲がっている様を見ると、長年に渡って強い南風に晒され続けてきた(ちょっとT. M. Revolutionを連想してしまいました…)ということがよくわかり、南の島らしい気候風土が感じられる風景です。

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2018.08.06

96-2 青島の「鬼の洗濯板」(宮崎県宮崎市)

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島内の海岸沿いに降り立って見た風景です。

青島は航空写真だと、まるで地図上の何かの記号のように、島全体の外周部にハッチング(絵画や図面などにおいて、一定の面を平行な線で埋める技法)がかかっているように見える、独特の景観を有しています。

これは通称「鬼の洗濯板」と呼ばれる、ここ青島以南の約8kmに渡る海岸線において見られるもので、砂岩と泥岩が交互に重なり、波に侵蝕された後に隆起して海面に台状に現れた…という珍しい地形で、国の天然記念物に指定されています。

果てしなく続く正確に引かれた平行線はとても自然にできたものとは思えない不思議さです。近くに寄ってみるとこの「洗濯板」は、砂浜に打ち上げられた海藻のようにどす黒く、表面は煮えたぎる溶岩がそのまま冷えて固まったような不気味な見た目で、地球の営みの神秘を感じる風景です。

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2018.08.05

96-1 青島(宮崎県宮崎市)

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ガラス越しに撮った画像なので、少しぼやけて見えるかもしれませんが…。

青島は、周囲1.5km、面積4.4ha、高さ6mという小さな島で、干潮時には陸続きになります。「弥生橋」で結ばれた本土側の青島海岸は宮崎県内随一の海水浴場として知られ、周辺は県を代表する一大観光地となっています。古くは島内にある青島神社の神職しか入島できない「聖なる島」だったという神秘性を備えたスポットでもありますが、小ぢんまりとして、丸っこくて、平べったい島全体の形がかわいらしく、いかにも南の海に浮かんでいそうな島という印象を与えるルックスです。

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2013.03.30

79-12 いぶすき海辺の散歩道(鹿児島県)

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シリーズの最後は、九州の南端に位置する指宿(いぶすき)市からお送りいたします。

指宿と言えば、温泉の熱によって暖められた海岸の砂浜に体を埋めて入浴するという「砂蒸し風呂」で有名ですが、これがまさに、その砂蒸し風呂が行われる場所の風景です。このプロムナードの右側には温浴施設「砂むし会館『砂楽』」があり、左側に波打つ海面の様に並ぶ「むしろ」は、満潮時や雨天の日等でも砂蒸し風呂が楽しめるように設けられた全天候型砂浴場の屋根です。

全長300mに及ぶ、ボードウォークと丸みを帯びた柔らかい色調の護岸が印象的な、南国の海辺の観光地らしい明るい雰囲気のこのプロムナードですが、以前の写真を見るとこの「通路」は両側を汚らしいコンクリートの壁に挟まれた圧迫感のある「裏通り」といった感じの場所でした。背後の施設の敷地との間の塀を撤去するなどして、街と海辺の一体性を感じられる開放的な空間が実現したのは、平成3~6年に行われたウォーターフロント整備事業の成果のようです。

12回に渡ってお送りしてきたシリーズ「鹿児島の風景」は今日で終了です。余談ですが、今回のシリーズで取り上げた画像の中に、ほとんど人の姿が映っていなかったことに気づいてしまいました・・・。ちょっとさびしいですね(苦笑)。

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2013.03.28

79-11 知覧特攻平和会館(鹿児島県南九州市)

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遠くに構える、高さを抑えた三角屋根の建物に向かって、長いアプローチが真っ直ぐに伸びた、気持ちのいいくらいシンメトリーな風景です。設計者が意図したものなのかどうかわかりませんが、私にはこの風景が、特攻隊の戦闘機が滑走路から飛び立とうとしている姿のように見えて仕方ありません。

ここは太平洋戦争末期に編成された大日本帝国陸軍の特別攻撃隊に関する資料を展示している施設なのですが、特攻隊員の写真や遺影等を見ていると、国のために死ぬべくして生まれてきて任務に就く若者たちや、その家族たちの哀れさを想い、感受性に乏しい私でさえも心を動かされ、涙がこみあげてきそうになります・・・。

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2013.03.26

79-10 知覧平和公園の桜並木(鹿児島県南九州市)

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知覧平和公園は、陸上競技場やサッカー場、テニスコートなどの各種運動施設を備えた公園で、地元では桜の名所としても知られているようです。画像はまだ開花前の公園入口付近の風景ですが、3列に植えられた桜に加え、石灯篭が建ち並ぶ光景はいかにも知覧らしく、壮観です。

この公園は地元住民の憩いの場、もしくはシヴィック・センターとして機能しているばかりでなく、武家屋敷と並ぶ知覧の大きな観光資源(という表現が適切かどうかわかりませんが・・・)である「知覧特攻平和会館」(次回ご紹介する予定です)も園内に立地し、さらにそこを訪れる観光客目当てのドライヴ・インのような商業施設群も公園に隣接して立地しているので、「公」と「民」の空間が入り混じったような、ちょっと不思議な雰囲気です。こういう場所で非日常を味わいに来ている観光客と普段着の地元民との交流が生まれるというのも、それはそれで面白いのかな、などと思います。

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